劇場公開日 2007年7月7日

「けれど、その負の連鎖に終わりを告げるときの解放感と、絶望感はやばい。」腑抜けども、悲しみの愛を見せろ うえあおいさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0けれど、その負の連鎖に終わりを告げるときの解放感と、絶望感はやばい。

2016年7月26日
PCから投稿

女王のように振舞い、妹に対し異常ないじめを行う姉。
それにひたすら耐える妹。
なぜかそれを黙認する兄。
疑問を持ちながらも常に笑い続ける兄嫁。
この四人、一人ひとりが歯車となってこの物語は進んでいく。
この物語の登場人物に、幸せになれる人なんて一人も出てこない。
互いに互いを引っ張り合って、負の連鎖が止まらない。
田舎という狭い閉鎖的空間で、それぞれが互いに怯えながら
暮さなければならない息苦しさは、悲劇好きにはたまらないものだと思う。
けれど、その負の連鎖に終わりを告げるときの解放感と、絶望感はやばい。
観終わったあとのエンドロールではチャットモンチーの曲と共に爽快な気分になった。
すごい、スカッとします、最後。
全体的に色彩がすごく鮮やかで、目に焼き付く感じがした。
この映画にパステルカラーはまったく無縁。
ビビッドカラーでどぎつく脳裏に焼き付かれてください。

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うえあおい