絶対の愛のレビュー・感想・評価
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【キム・ギドク監督が、整形がはやり始めた韓国の社会状況を痛烈に揶揄した哀しくも、恐ろしき作品。】
■付き合っているセヒとジウ(ハ・ジョンウ)。
セヒは彼と永遠に愛しあいたいと思うが愛を交わす途中のジウの態度を見て、「彼は自分の顔に飽きているのでは。」と不安を感じ始める。
そしてある日、整形手術を行う決意をしたセヒは、ジウの前から姿を消して、自分の顔にメスを入れる決断をする。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・何とも言えない、鑑賞後の気分である。正にキム・ギドク監督の術中に嵌ったとしか言いようがない。
・整形して、スェヒ(ソン・ヒョナ)と名を変えたセヒ。だが、ジウはセヒの顔に飽きていたわけではなかった事に気付いた時の、セヒの想い。
・そして、ジウも整形手術の道を選ぶのである。スェヒが行きつけの喫茶店に現れる男達をジウではないかと思い、近づく姿が哀しい。
<私は、故、キム・ギドク監督作品を見ていると、天使の部分と悪魔の部分が非常に分かり易く同居していた人ではないかな、と思ってしまう。
今作は、故、キム・ギドク監督の悪魔の部分及び且つシニカルに社会を見る眼が前面に出た作品ではないかと思ったな。>
■喫茶店のウェイトレスが杉野希妃さんだったのが、個人的には嬉しかったな。
人を愛するとは
人を愛する時にあなたが愛しているのは何なのかを考えさせられる映画です。
あなたが人を愛する時、愛しているのはその人の顔なのか、
体なのか、それとも心なのか、記憶なのか。
パーソナルアイデンティティの思考実験のような映画です。
答えはありませんが、私は多分それらの全部なのかなと思います。
ギドクは好きだから、ギドクの世界だなあと思う。しかもただの倒錯とい...
ギドクは好きだから、ギドクの世界だなあと思う。しかもただの倒錯というより、愛の不可能性を通じて、愛の真実も描かれるところはさすがだと思う。
自分の顔に愛着を持とう
全体的に安いメロドラマ風な映像のLOOKで理解に困る女の行動に男も。
容姿にコンプレックスがあり人生に不自由さを感じるからこその整形ならまだ理解も出来るが相手に対しての執着心が捻じ曲がっているってか軽くサイコチックに。
まるで復讐でもするかの如く男の取る行動も理解出来ないしお互いが間違った方向性で愛を貫く。
ラストの時間軸がまた理解出来ない!?
誰でも同じということ
喫茶店の店員として出てくる杉野希妃のふっくらとした頬がかわいい。こんなところで会えるなんて。
主人公の恋人が何度も口にする言葉。「誰でも同じこと」というのが結局のところではないだろうか。
むしろ、顔の容貌が変わっていたとしても、セックスすれば首から下の体が同一人物か赤の他人か分かるだろう。もし本当に分からないのなら、それこそそんな人は誰と寝ても同じことだ。
整形て、文化のひとつなのだろうか
前半に出てくる「いつも同じ顔でつまらないでしょ」「人は皆おなじ」という台詞が物語の進行とともに、恐ろしく、虚しく思えてくる、ちょっと精神的なホラー映画を見ているような気分になってくる作品。
ただ、ちょっと登場人物がすべて自分勝手すぎるところが気になりました。ポテンシャルの高い映画をつくり続けているキム・ギドクにしては、今回はキャラクターの創り込みが甘い、という印象が残りました。キム・ギドクファンにとっては、ちょっと消化不良でしたねえ。
ただ、キム・ギドクらしい人間をぎりぎりまで追い詰めていく、凄みある演出は、今回も健在。見る者の心にぐさりと突き刺さるような衝撃を与えています。整形は顔は変えても、心は変えられない。人は心で繋がっていることを心底実感させられた、問題作だとは感じました。
私は、キム・ギドク映画の大ファン!。でも、この方の作品は、演出が強烈すぎて受け入れられない、という人も大勢います。ですから、なかなかおすすめするのは難しいのですが、この「絶対の愛」よりは前作、前々作の「弓」や「うつせみ」のほうが、内容は上でしたね。
釈由美子、堀北真希、マイケル・ジャクソン…
2年付き合った男が、
セックスの時、勃起しなくなる。
「私の事、飽きたのか?」と女は察し、整形。
別の顔、別の女になって、男の前に現れて、
またセックスをする…
文章で書くと、過激なエロなんだが、
映画は、凡庸な恋愛映画になってしまっている。
まるでフジテレビの昼ドラのようだった。
ラストは、ギドクらしい余韻。
釈由美子や堀北真希が、
この映画の宣伝をすれば、
おもしろかったのに。
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