「原点に戻った007シリーズ。新ボンドは人妻好きだった・・・」007 カジノ・ロワイヤル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
原点に戻った007シリーズ。新ボンドは人妻好きだった・・・
MGM、COLのロゴが白黒で始まり、本編でも“00”に昇格する直前のためかモノクロ映像なので期待感溢れます。オープニングタイトルもなぜか今までのシリーズよりも古臭くトランプ柄をモチーフにしたりして、セクシー女性の縁取りなどが出てこない。なかなかやるな~などと身構えていると、爆弾犯を追跡して、ビル建設現場でドンキーコングごっこ。クレーンやヘリを使ったかのような目が回ってしまいそうになるほどの激しいアクションが序盤に登場です。
流行のビギニングものだとばかり思っていたけど、そうではない。携帯電話もあるし、VAIOのパソコンだって使ってる。何しろ9.11後の世界。ボンド自身もクールなエージェントとしてのイメージよりも、殺しの番号をもらったばかりの人間くさい諜報員を描いた映画です。ヘマも多いし、「独身よりも人妻が好き」などと言ってみたり、好感が持てるところも新しい。昇格したばかりなのでQとも信頼関係が構築できていないせいなのか、登場しません(アストン・マーチンのダッシュボードには色んなモノがあったみたい)。その代わり、M(ジュディ・デンチ)がかなり目立っていて、「ボンドはまだまだダメね・・・」とでも言いたげな上司を見事に演じていました。
見事6代目ジェームズ・ボンドに選ばれたダニエル・クレイグは公開前にはいい評判がありませんでしたが、フタを開けてみてビックリ。さすがに帽子をコート掛けに投げる技は習得してないけど、走る、走る、また走る、と若くて元気な007ぶりが新鮮でよかったです。そのアクションシーンもさることながら、カジノ・ロワイヤルでのポーカーが最も緊張したところです。カジノ・ロワイヤルでは相手にも見えるカードが共通となっているというルール。3枚晒しておいて、ベットのあとにさらに2枚晒す。ブラフかどうかの表情を読み取る、ここの駆け引きが最高!ポーカーがメインとなってる映画で好きなのは『シンシナティ・キッド』なんですけど、似たようなスリルが味わえました。そして、二転三転するストーリー。脚本の上手さも光ってました。
今回のボンドガールはエヴァ・グリーン。清楚な感じの会計士でしたけど、今までのボンドガールとは雰囲気が違う。結局は純粋なラブストーリーになってましたけど、これはこれで素敵です。この純愛路線の007に感動する人も多いでしょうし、ここしばらくは飲み屋で「ドライ・マティーニ!」と注文するおじさんが増えそうですけど、OMEGAの腕時計も流行るのでしょうか・・・さすがに日本では、アストン・マーチンに乗る人はそんなにいないでしょうね。
ダニエル・ボンド最終章を観るために再チェック。タマタマ拷問されてからのストーリー展開がちょっと不思議。ラストでMによって謎が明かされるが、トリッキーな構成といい、フィリックス・ライターがジェフリー・ライトという意外性をアピールしてた割に途中でいなくなっちゃうし、新章スタートにふさわしいくらいギミックだらけの作品だった。
【2006年12月映画館にて】
kossyさんの4作レビュー読んで記憶が蘇ってきました!ありがとうございます!カジノロワイヤルではポーカーの場面が一番熱いと思うのですが、ルールとか何やってるんだか全然分からなくって残念です。
ダニエル、もう15年もボンドやってくれてたんですね、、、ミラ・ジョボといい、ヒュー・ジャックマンといい、年齢を重ねてもアクション映画の主役を張れるのって尊敬でしかありません、、、体力もそうですが、気力やモチベーションがすごいなと思います。