劇場公開日 2006年12月1日

007 カジノ・ロワイヤル : 映画評論・批評

2006年11月28日更新

2006年12月1日よりサロンパス・ルーブル丸の内ほか全国松竹・東急系にてロードショー

正月映画らしいご馳走感もたっぷりの新ジェームズ・ボンド

ジェームズ・ボンドが若返って原作の1作目を映画化するというから、昔の話に戻るのかと思ったら、時代は今だ。それもそうだね、今さら冷戦の時代に戻ったってリアルな話は作れないものね。悪役ル・シッフルは、原作ではソ連の命を受けたフランス共産党系労組の地下の会計責任者。そのル・シッフルを、各国のテロ組織から預かった金でマネー・ゲームをするファンドの経営者に変えたところが何ともニクイ。ストーリーや人物配置はほとんど原作通りなのに、この一点で紛れもなく現代の話になった。さすがポール・ハギスが脚本に加わっただけのことはある。

さて、新ボンドのダニエル・クレイグだが、歴代ボンドの中では飛び抜けてスタント能力が高い。チョイ悪イメージも手伝って、007に昇格したばかりの、功名心にはやる向こう見ずな若造という感じがよく出ている。ヌードにも耐えられる逞しいボディ、アクション・シーンのハードさ、派手さは文句なし。新ボンドの門出を祝って惜しげもなく製作費をつぎ込んだようで、正月映画らしいご馳走感もたっぷりだ。これで彼がもう少しロマンチックな容貌だったらねえ。今回はボンドの恋が太い柱になっているだけにそこが玉にキズ。これってないものねだりかしら。

(森山京子)

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