「悲哀を背負った金髪ボンド」007 カジノ・ロワイヤル しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
悲哀を背負った金髪ボンド
ジェームズ・ボンド・シリーズ第21作。
"日曜洋画劇場" で鑑賞。
原作は未読です。
ダニエル・クレイグの6代目ボンド役就任作にして、シリーズ初の完全リブート作。ただしM役のジュディ・デンチは前作より続投(人物像は刷新されていましたが)。よりクールに。よりワイルドに。しかしどこか悲哀を背負っているような陰のある新しいボンド像だなと思いました。
ダイナミックなアクションを体現したダニエル・クレイグの身体能力の高さも去ることながら、本作ではボンドの知力の部分をフィーチャーして、カジノ・ロワイヤルでのル・シッフルとの息詰まるポーカー勝負に手に汗握らせてくれました。ポーカーのルールは全く知りませんけれども。
始まりの物語と云うことで、諜報部員としては未熟な部分も見受けられ、監視カメラに映った状態で大使館を爆破したり、敵に捕まって拷問されたりと大変な目に遭ってましたが、ボンドがスパイとして成長していく過程を楽しめました。
特筆すべきは、ボンドが心から愛した女性、ヴェスパーの存在と云うことになるでしょう。これまでもボンドガールとのラブシーンはありましたが、どれもワンナイトな感じ。
しかしヴェスパーとの関係は違っていました。最初の出会いの会話からしてイカしてるなと思いました。相容れないかに見えたふたりが次第に惹かれ合っていく。ところが、まさかの急展開からのボンドに襲い掛かる衝撃と悲劇!
愛するヴェスパーの死によって、ボンドの背負っている悲哀のオーラが三割増五割増になって、次回へ続く…
[以降の鑑賞記録]
2012/11/28:水曜プレミアシネマ
2020/12/25:Blu-ray(吹替)
※修正(2023/09/21)