テキサス・チェーンソー ビギニングのレビュー・感想・評価
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平凡なホラー
まだ前作の「テキサスチェーンソー」はリー・アーメイがかなり魅力的で楽しめたけど本作では彼の良さが特に出てなかったな。
白人特有の嫌な感じが彼の魅力なんだけど、今回はさほどでもなかった。犠牲者のうちだれが生き残るかなと思いながらその興味くらいで最後まで見続けることはできた。
ベトナム戦争を絡めた辺りは「フルメタルジャケット」の鬼教官を思い起こさせるし、兵役逃れを叩くシーンは恐らく子ブッシュを皮肉ったんだろうな、そこだけは笑えた。
ただオリジナルを鑑賞した直後だけに評価は厳しめになるのはしょうがないか。まあ暇つぶしに見る程度かな。
犠牲者があまり賢く立ち回らないこの手の作品はやはり見ていて少々苛ついてしまう。犠牲者側は生死の境に追い詰められたら普段できない大胆な行動やら機転を利かせたりできるようになる。それだけやっても相手にかなわないという絶望感がさらに作品に深みを与えてくれるんだけど、犠牲者が間抜けだと応援する気もなくなるし、感情移入もできず物語への興味も薄れてしまう。もう早く楽になりなさいとしか思えなくなる。登場人物が死んでいくのを事務処理のように眺めていくだけになってしまう。
前作でもレーナード・スキナードの曲の発表年月が微妙だったが、今回はフリーの「オールライト・ナウ」が微妙にずれてる。しかもイギリスのバンドだし・・・
「子供の名前は何にする?」と聞かれて「ボニー&クライドだ」と答えるところはなかなかのものでしたが、彼らにとって本当に『俺たちに明日はない』でした。時代は前作から遡ってトーマス・ヒューイット(アンドリュー・ブリニアースキー)の生い立ちとその家族を描いたもの。製肉工場稼動中に異常な状況下で生まれたトーマスはゴミ箱に捨てられ、彼が拾われたところから始まるのです。
1969年、ベトナム戦争が激化し、ディーン(テイラー・ハンドリー)の兄エリック(マシュー・ボーマー)がベトナムへと旅立つところだった。ディーンも徴兵されていたけど、メキシコへ逃げようとしていたという設定で、それぞれのガールフレンドとともにドライブで立ち寄ったテキサスの町で悲劇が起こった。
徴兵を拒んだ若者に対して、それを詰る狂気のホイト(R・リー・アーメイ)の構図。「愛国心がないのか!テメーは!」と鬼教官並に詰め寄る姿なんかを見ていると、愛国心を強要する人間が最も冷酷なんじゃないかと感じます。もしかして社会派ホラー?などと一瞬マイケル・ベイを見直してしまいたくもなるのですが、やっぱりスプラッタームービーでした。
ほとんど前作と同じようなシチュエーション。どうしてこうもビギニングものが流行ってしまったのかわかりませんが、新たな発見といえば、レザーフェイスの出生の秘密や、ホイトがなぜ保安官の格好をしているのか、叔父さんの両足がなぜ切断されたか、といったことくらいです。工場が閉鎖されて家族が狂気に走った理由まではわかりません。もしかするとブッシュの生まれたテキサスの空気がそうさせたのかもしれませんし、ブッシュもヒューイットをいじめていた一人だったのかもしれませんし、ブッシュとヒューイットが親戚だったのかもしれません・・・謎です。
監督も交代しましたけど、オリジナル『悪魔のいけにえ』の監督トビー・フーバーの名前が製作として加わっています。続編も作られるのでしょうけど、33人の人間を虐殺したらしいので、殺される合計人数が33人になるまで作られ続けるのでしょう。残り3作くらいなのかな・・・
【2006年11月映画館にて】
オリジナルには敵わない
狂った家族
イカれたファミリー・・・・
ジャンル初心者向けとして
観た直後は肉料理は喰えなかった
私はホラーは好きだけど怖いのは苦手という厄介な性格なんですが……。
大男が肉を解体する躍動感、無警告でいきなりショットガンをぶっ放す爽快感、チェーンソーを持ってテキサスの大地を駆ける疾走感。そんなのがおもしろいと思いました。
残虐描写はそれなり。バカバカしいとツッコむも良し、イヤァと目を閉じるもまた良し。
ただ、食卓を囲むシーンがあるけど、何の肉を喰ってるのかと想像すると、さすがに胃がムカムカした。
デートで観に行くなら、焼き肉は避けた方がいいかも。ビーフシチューは最悪。
怖いっていえば怖いけど、怪談とかオカルトのような怖さじゃないです。
道理の通じない人間を相手に、ひたすら無茶な目に遭わされるという、生理的・肉体的危機感の恐怖が響いてきます。
映像も含めて胃にくる映画です。
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