劇場公開日 2006年11月11日

「前作でもレーナード・スキナードの曲の発表年月が微妙だったが、今回はフリーの「オールライト・ナウ」が微妙にずれてる。しかもイギリスのバンドだし・・・」テキサス・チェーンソー ビギニング kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0前作でもレーナード・スキナードの曲の発表年月が微妙だったが、今回はフリーの「オールライト・ナウ」が微妙にずれてる。しかもイギリスのバンドだし・・・

2022年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「子供の名前は何にする?」と聞かれて「ボニー&クライドだ」と答えるところはなかなかのものでしたが、彼らにとって本当に『俺たちに明日はない』でした。時代は前作から遡ってトーマス・ヒューイット(アンドリュー・ブリニアースキー)の生い立ちとその家族を描いたもの。製肉工場稼動中に異常な状況下で生まれたトーマスはゴミ箱に捨てられ、彼が拾われたところから始まるのです。

 1969年、ベトナム戦争が激化し、ディーン(テイラー・ハンドリー)の兄エリック(マシュー・ボーマー)がベトナムへと旅立つところだった。ディーンも徴兵されていたけど、メキシコへ逃げようとしていたという設定で、それぞれのガールフレンドとともにドライブで立ち寄ったテキサスの町で悲劇が起こった。

 徴兵を拒んだ若者に対して、それを詰る狂気のホイト(R・リー・アーメイ)の構図。「愛国心がないのか!テメーは!」と鬼教官並に詰め寄る姿なんかを見ていると、愛国心を強要する人間が最も冷酷なんじゃないかと感じます。もしかして社会派ホラー?などと一瞬マイケル・ベイを見直してしまいたくもなるのですが、やっぱりスプラッタームービーでした。

 ほとんど前作と同じようなシチュエーション。どうしてこうもビギニングものが流行ってしまったのかわかりませんが、新たな発見といえば、レザーフェイスの出生の秘密や、ホイトがなぜ保安官の格好をしているのか、叔父さんの両足がなぜ切断されたか、といったことくらいです。工場が閉鎖されて家族が狂気に走った理由まではわかりません。もしかするとブッシュの生まれたテキサスの空気がそうさせたのかもしれませんし、ブッシュもヒューイットをいじめていた一人だったのかもしれませんし、ブッシュとヒューイットが親戚だったのかもしれません・・・謎です。

 監督も交代しましたけど、オリジナル『悪魔のいけにえ』の監督トビー・フーバーの名前が製作として加わっています。続編も作られるのでしょうけど、33人の人間を虐殺したらしいので、殺される合計人数が33人になるまで作られ続けるのでしょう。残り3作くらいなのかな・・・

【2006年11月映画館にて】

kossy