劇場公開日 2006年7月29日

「何が起きているのか最初から最後までわからない」ゲド戦記 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5何が起きているのか最初から最後までわからない

2014年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

難しい

総合65点 ( ストーリー:45点|キャスト:65点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:80点 )

 冒頭からわからない。竜とは何なのか、何故争うのか。地球には何が起きているのか、国の王宮では何が起きているのか。何故王子が王を襲うのか。王子は何に悩んでいるのか。魔法使いの争いはそれなりだけど、その前後関係もまた不明。とにかく登場するものも物語も最初から最後まで不明だらけで、たくさんのことを持ち出し問題を投げかけておきながら、謎を謎のまま残して物語が終わってしまう。このように設定の殆ど全てをいいかげんにおざなりにしたままに物語を始めてそのままにしてしまうのには驚くし釈然としない。原作はかなりの大作らしいが、こんな内容の話を一つの映画にしようなんてどだい無理だろうし、それなのに強引に映画にしてしまうところが駄目なのでは。
 でもこれだけ無茶苦茶ながら、途中の魔法使いや主人公の少年少女の話の展開の早さとその演出でそこそこには観れた。手嶌葵は声優としては下手だったが、声の良さと透明感溢れる歌の美しさである程度欠点を補った。映像や音楽の質はいかにもジブリという質感で良かったが、それが監督の資質とどこまで関係しているのかはわからない。「コクリコ坂から」はそこそこに良かったので、物語の支離滅裂さは第一作目ゆえの失敗だったと思いたい。

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Cape God