「世界の黄昏時に手を取り合うこと」ゲド戦記 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
世界の黄昏時に手を取り合うこと
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"金曜ロードショー" で3回目の鑑賞。
原作は未読。原案(シュナの旅)は読了済み。
原作の一部分を換骨奪胎し映画化していることでストーリーが分かりにくくなっていると批判を受けた本作を久しぶりに鑑賞し、確かに難解な部分もあるし正直盛り上がりに欠ける展開が少々退屈だったが、人類の抱える様々な問題を均衡が崩れた世界や人間と竜の関係として比喩していて興味深かった。
アレン(人間)とテルー(竜)が、はじめは誤解から相手を避けていたが次第に互いを理解し、手を取り合って困難を克服する様は、まさに今私たちの生きる世界が必要としているものそのものではないかと思った。人類はもっと自然に敬意(畏怖とも言えるかも)を持って接するべきであるし、人類の中でも異人種間の偏見や差別を無くし和解することを強く望む。
限られた命をどう生きるかと云う問い掛けが深く心に沁み入った。必ず来る死があるからこそ命は尊い。成したいこと、成さねばならないことについて、考え続けていきたいと思う。
しかしながら、監督が描きたいテーマをこれでもかと詰め込み過ぎていて腹を下しそうだ。脚本の練度がもう少し良ければ名作たりえたかもしれないと思うと、甚だ残念である。
[以降の鑑賞記録]
2025/03/07:金曜ロードショー
※修正(2025/03/08)
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