インサイド・マンのレビュー・感想・評価
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刑事役デンゼル・ワシントンと犯行Gリーダー・クライブ・オーウェンの知的な勝負という要素が、とても見応えがあった
スパイク・リー 監督による2006年製作(128分)のアメリカ映画、原題:Inside Man、配給:UIP。
まあ犯人達が作った小部屋に、ずっと1人だけ隠れているのは、あり得るかもとは思った。しかし、似た服を着て、容貌を隠していても、犯人達3人は多くの声を発しており、その声の記憶により、人質に紛れて3人も脱出というシナリオの成功は難しいだろうと思ってしまった。
ただそう書いたところで、そうかそれは、脚本家等の読み通りなのかと気がついた。その予防の為に、犯人Gの1人が、覆面を取り皆の前で引きずられる演出をしているし、どうやら携帯を隠して部屋に連れ込まれて殴られていた?男と同様に、携帯で話していた巨乳女も、犯人Gの女性を守るための犯人たちの協力者の1人と、推察出来た。尚、ユダヤ教司祭は本犯罪の首謀者らしいのは、救出に出向いた車の中にいて明確。こう考えると、インサイドマンという映画タイトルは、犯人の閉じこもりと協力者たちのダブルミーニングで意味深である。
主人公の刑事役デンゼル・ワシントンと犯行Gのリーダー・クライブ・オーウェンの知的な勝負という要素が、とても見応えがあった。犯人たちは、難しい外国語(アルメニア語)演説を利用で操作を混乱させたり、ジャンボ機用意を要求したりするが、それをワシントンが時間稼ぎと気がつく(トイレも含めた隠れ場所作成のための時間稼ぎであることが見ている人間は分かる)。また、ワシントンがオーウェンと会い、彼らが人質に危害を加えないことを確信した直後、人質殺害を演出する(トリックであることが後から判明)。
ジョディ・フォスター演ずる弁護士は結局何も出来ず、銀行会長(クリストファー・プラマー)の秘密を知ったのみで高額な口止め料を得るとともに、将来の重要顧客を獲得した様に見えた。頭のとても切れるワルという設定なのだろうか?目的は不明だが、ビンラディンの甥の住居を世話しており、自分にはとても謎な不思議な存在であった。
主演のデンゼル・ワシントンは好演で随分と気に入ってしまった。また、良く練られた脚本は素晴らしく、先々の人質達の尋問を先に入れ込んで来た(あまり見たことが無い組み立て)監督スパイク・リーにも、大いなる関心を抱いた。
監督スパイク・リー、製作ブライアン・グレイザー、製作総指揮ダニエル・M・ローゼンバーグ、 ジョン・キリク 、カレン・ケーラ・シャーウッド、 キム・ロス、脚本ラッセル・ジェウィルス、撮影マシュー・リバティーク、美術ウィン・トーマス、衣装ドナ・バーウィック、編集バリー・アレクサンダー・ブラウン。音楽テレンス・ブランチャード。
出演
デンゼル・ワシントンキース・フレイジャー、クライブ・オーウェンダルトン・ラッセル、ジョディ・フォスターマデリーン・ホワイト、クリストファー・プラマーアーサー・ケイス、ウィレム・デフォージョン・ダリウス、キウェテル・イジョフォービル・ミッチェル。
ムジカ・ピッコリーノのチャイヤチャイヤ
音楽はムジカ・ピッコリーノのチャイヤチャイヤとか言うらしい。
インド映画でもないのに、カッコいい。
ストーリーは二箇所以上、矛盾あり。
敏腕刑事と聡明な弁護士が銀行内に入れたのに、盗聴器の一つも仕掛けられない。銀行強盗に入る時に怪しいカッコ(姿)で入るのはおかしい。半分くらいは普通のカッコでおらかじめ客として、入っているべき。
脱いだ服と携帯電話の2点を照合すればかなり犯人を絞れると思う。勿論、携帯電話の通話履歴は全て見ておく。言うまでもなく、見た目で犯人を追う事はないのだから。
ユダヤ人の陰謀と言いたいのか?今更、そんな事言って良いのか?こんな事しなくとも、誰でも知っていると思うが。
話の流れから結局捕まったのだろうが、国際的な捜査になるので、FBIやCIA若しくはアメリカ軍が登場するはずで、犯人は完全にマークされるので、こう言った犯罪は不可能なので、アメリカ資本主義をなめては駄目だ。
盗品とおぼしきダイヤは値がつかない。それが、市場主義と言うものだ。金ならまだまだ分かるが、ダイヤはただの炭素。つまり、市場経済が作った価格だ。
矛盾の追記
靴がそのまま。と 発煙筒をたいたので、硝煙反応が出る。また、犯人は堂々と煙草を吸っていたが、それも多いに矛盾すると思うが。
言うまでもなく、見た目で犯人を探す事はする訳が無い。ましてや、人種や性別で絞る事はしない。また、突入する前に、中の状況を知る事に専念をする。『狼たちの午後』の様に、期待違反理論として、銀行強盗を見ては駄目だ。銀行強盗である事に変わりはない。
キャラクターが薄いというか・・・
登場人物が皆それぞれ普通というか、個性がないというか。キャストもそれぞれ際立つことなく普通に演じていて自然な感じでハマっているとも言えるが、逆に誰がやっても支障ないような。クリストファー・プラマーに秘密があるというだけでナチがらみと予想したが、そこはミスキャストぎりぎりか。銀行強盗の方法のアイデアが面白かったし、人質解放後に行われる何人かの尋問シーンが、ストーリー進行と共に挟まれる構成も面白かった。最後まで見ないと、これら尋問の意味が分からないので最初は違和感があったが。キャスティングよりアイデアと構成重視の映画かもしれない。
勝者は誰だ?
練りに練った脚本、ヒットした理由も納得。久しぶりに凄い満足感が有りました。果たして勝者(利を得た)のはデンゼル・ワシントン演じるちゃっかり出世した主人公の刑事か大金をせしめたジョディ・フォスター演じる凄腕女弁護士か、はたまた完全犯罪を成し遂げたクライブ・オーウェン演じる銀行強盗か、エンドシーンまでは自分の地位を守った銀行会長か?誰にもわからない。ただ強烈な印象を残したのは間違いなくクライブ・オーウェンでした。最後に題名のインサイドマンの意味に納得。
スパイクリーが、やや冷静に怒りを伝える作品か?!
監督ならではの、ユーモア、ブラックジョーク満載、時々入ってしまう謎の面白ショット、秀逸な役者たち、互いに騙し騙されてるとわかってる狐狸レベルの化かし合いと馴れ合い、リアルに真面目に考えたら有り得ない人と人の距離感がスパイクリー。コロナ禍2年目ともなると、コロナ前の映画は濃厚接触と三密すぎてつい気になって気が散り心配になる今日この頃だが、本作品はみんなマスク装着で安心のひととき。狐狸にかこまれて、ひとり真面目に任務遂行しようとするウィリアムデフォーが最高なかっこよくて、人の不幸を踏み台に金のための人生階段登るクリストファープラマーとジョディフォスターも淡々とこの映画の意図してるところをみせてくれる。ナチスとか利用して巨額の富を築く優雅に代々暮らしていく負の富豪たちに、そしてちくりちくりと人種や宗教による差別、性差別、子どもにも蔓延する暴力や薬物の問題などを少し笑いを交えて串刺にしにしていく、スパイクリーらしさが随所見られ庶民はみんな差別的な言動し、またされ。それぞれ事情があってこうなっちゃってる、みたいなところは甘めだけどニューヨークの庶民レベルの実感的なものも感じて、とにかく面白い。圧倒的にかっこよいのは、オープニングとエンディングの、ARラフマンの、Chaiya Chaiya 、こんな使い方ありかと思い聞き惚れリズムに乗ってニューヨークに入り込む。もともとDilSeの曲だからそこも意図的。トータルにスパイクリーの主張、かな。
頭の良い銀行強盗
さすがスパイク・リー監督です。ただの銀行強盗ものではなかった。犯人たちは、人質にも犯人と同じ服を着せ、誰が犯人なのかをわからなくするという発想は斬新で、このワンポイントだけでも、かなりの高得点をあげたい映画だ。さらに、ナチスの影が加わり一層謎めいた展開になっている。
一風変わった銀行強盗映画
途中で昔観ていたことを思い出す、こんなトリッキーな銀行強盗ものを忘れてしまうのだから困ったものです。当時は知的なものより派手なアクションものの方が好みだったので印象が薄れたのかも知れません、これはこれで銀行強盗映画を語る上では必ず俎上に上る話題作であることは間違いないでしょう。
ひねった銀行強盗ものではトラボルタの「ソードフィッシュ」も印象的だったが、本作は派手さやダイナミックさを見せるよりスパイク・リー監督らしいスパイスの効いたセリフや思わせぶりで引っ張るミステリーなのでしょう。ただ、観終われば納得なのだが途中で事件を語る当事者たちのインタービューが挟まるのがテンポを削ぐようで邪魔に思えた。
デンゼル・ワシントンの交渉人ならもう少し見応えがあってもよさそうだがまだ若い時なので貫禄が無いし犯人がもしかしてモサドのメンバーかとも思わせる知能犯ぶりなのだから致し方ない。
ジョディ・フォスターもしかり、「羊たちの沈黙」のヒロインでミステリー臭は強いものの胡散臭い女傑と言うには物足りない。名作にはかかせない名脇役ウィレム・デフォーさんを使いながらいいとこ無しと言うのも勿体ないが計算された思わせぶりのキャスティングなのでしょう。
真逆なのがクリストファー・プラマーさん、その存在感だけで映画の信憑性が高まるのだから恐れ入る。
何のインサイドなのか、タイトルや塗装工に扮した意味など伏線回収はあるのだが掘ってた穴はトイレ?それにしてもトップ、エンドのクレジットバックのインド音楽は唐突感満載、インド映画の「ディル・セ心から」の列車の屋根でのダンスシーンでかかった「チャイヤチャイヤ」というラップ調の曲なのだが歌詞を読んでも本作との繋がりが読めず、こちらもミステリーでした。
まあ、ミステリーなので詳しくは書けないので、観てのお楽しみということで悪しからず・・。
意識高い系銀行強盗との心理戦
心理戦の駆け引きと会話のやり取りに洒落っ気があって面白い!
映画序盤からもちょくちょく警察の中でも悪を許容しているシーンがあって、この悪を許容する感覚と世界観が大人の余裕を生んでいる気がします。心理戦にゲーム性が少し加わり、かといって軽くなる事もなく。
ハードボイルドな匂いのするクライムサスペンス、デンゼルワシントンかっこよかったです!
先が気になる終わり方だと思って調べたら2もあるみたいですね。ただこちらは監督も変わってレビューの評判もイマイチのよう…続きを見るか悩ましい。
誰も殺さず、何も奪わない。犯罪とさえ言えないような完全犯罪を実行し...
誰も殺さず、何も奪わない。犯罪とさえ言えないような完全犯罪を実行した男たちの物語には最後までハラハラさせられる。ただカメラの映像や隠し部屋などそのトリックのほとんどは2018年現在のセキュリティでは実行できるものではなく、また、世界を牛耳るほどの財を成した大銀行家が、いとも簡単に弱みを握られてしまうあたりや、事情があって処分できなかったはずの秘密なるものの顛末が最後までうやむやであまりスッキリした終わり方ではなかったように思う。奪った指輪を刑事に渡すのは意図があるにしても、ダイヤの一部まで渡すなんて、まるでルパン三世みたいでそれではあまりにも子供向けアニメすぎて白けた。
よく出来た映画です
構成からオチまで考えられてる映画だなと思いました。まず取り調べと事件最中のシーンをごっちゃにする事で全く飽きさせない仕組みになっているし。
ジョディフォスターは明らか怪しかったけど、オチは最後まで分からなかったし、会長を途中途中で出してくるあたり上手い。
正直、人質の中から犯人見つけ出す心理戦的なのも期待してたけど、あの仕掛けも考えつかなかったんで良しとしましょう。
デンゼルワシントンの演技の幅広さが見れて良かったです。最後も良かったねって感じで。彼のシーンは何だかハードボイルドで、銀行強盗のシーンと違う映画のような気持ちにさえなる。
ジョディフォスターってあんな綺麗でしたっけ、、ってくらい美人キャリアウーマンでした。
狼たちの午後がすごく頭に浮かんでたんだけど、きっちりその話題も出ましたね。言うことなしの映画でした。
ハイジャック物はいつも面白いが
これは上位に来る。
犯人の脱出方法は途中で読めてしまうし、最後の一人はそりゃぁないだろう・・・ってなるけど、そこは映画。うまく演出すれば見せられるのだ。
ただ・・・こんだけ大物敵に回すと、このままじゃ終わらないよ・・・って不安が・・・。
上質な強盗映画
ストーリー85
演出80
キャスト90
総合85
終始、シリアスで
予想のつかない展開が続くが
フレイジャー筆頭に警察側が
和やかなムードなため
良くも悪くも緊張感がない笑
でもそこはデンゼル・ワシントン
おちゃらけたキャラにも説得力を持たせる。
クライブ・オーウェンも
「ザ・バンク」同様
知的なキャラがピカイチ光ってるし
何と言っても渋いなー
結末は結局、黒幕はわからないし
複雑なまま終わってしまうので
この形が無理な人には厳しいでしょう。
伏線を見つけて考察することを
楽しめる人には傑作かと!
デンゼルワシントンはかっこいいけど‥
デンゼルワシントンの演技は非常によく、さすがの一言。ナチスを絡ませる発想も好きですが、なんというか籠城中の駆け引きに緊張感が無いように思えました。主犯が隠れるトリックも微妙‥見ていて長く感じてしまったので評価低めです。
誰が犯人なのか分からなくさせるあの方法は、すげい。
銀行強盗グループと事件解決に向けて奔走する捜査官、
そして現場に駆けつけた女性交渉人らの心理戦を描いたサスペンス。
強盗の目的が半世紀以上の前のことがきっかけっていう、戦争が絡んでくるっていう。
まさか戦争が絡んでくるとは1ミリも思っていなかった私にとっては微妙な感じ。
どんな完璧な完全犯罪を犯すのかっていうストーリーを期待していたので。
でも、犯人と人質を全員同じ格好にして、
誰が犯人なのか分からなくさせるあの方法は、すげい。
そして、一人一人に写真を見せながら事情聴取するシーン、おもしろかった。
重厚で見ごたえたっぷりのサスペンス
スパイクリー監督作品は、メッセージ性が前面に出ていてテンポが悪くて長い映画の印象があったのだが、エンターテイメント性がとても高くて面白い映画だった。
銀行強盗がとても頭がよくて、見事に犯罪を成立させていた。ただ、大抵SWATが出動して、壁に穴をあけて胃カメラのようなカメラで丸見えになるというのが、この映画では描かれていなくて、それがあったら成立させるのは難しかったのかなと思った。
銀行の物置の床に穴をあけて「トイレができたぜ」と言っていたのが、軽口をたたいているだけかと思ったら本当にトイレで、面白かった。
結局、銀行の会長の秘密はどのように活用されたのか気になった。
軸ずれず 難解
常識はずれな自らの趣味が国を動かす
話は難解である。銀行強盗が銀行を襲い、警察と心理戦。だったら話はわかる。さらに言うならばこの銀行強盗は実は優しい、気が弱い、もわかる。
しかしこの映画においてはまたまた斬新である。銀行強盗だと思われた4人組は銀行強盗ではないという設定。こんな設定だれが思い付くか。
話を見ていくと要所要所で普通の凶悪な銀行強盗ではないところに気づく。
決定的なのは子供との会話シーン。強盗ゲームを非難する強盗を見て、一見愛があるではないか と思わせられる。しかしこれもまた愛ではない。自分の意思を独り言のように言った感覚。
この映画はある4人組が趣味を楽しみ、これが警察、銀行会長、また弁護士や一般市民をも巻き込む壮大なストーリーなのだ。
もう少し恋愛や殺人など、ひねりを加えればもっと面白くなったはずだ。
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