「一風変わった銀行強盗映画」インサイド・マン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
一風変わった銀行強盗映画
途中で昔観ていたことを思い出す、こんなトリッキーな銀行強盗ものを忘れてしまうのだから困ったものです。当時は知的なものより派手なアクションものの方が好みだったので印象が薄れたのかも知れません、これはこれで銀行強盗映画を語る上では必ず俎上に上る話題作であることは間違いないでしょう。
ひねった銀行強盗ものではトラボルタの「ソードフィッシュ」も印象的だったが、本作は派手さやダイナミックさを見せるよりスパイク・リー監督らしいスパイスの効いたセリフや思わせぶりで引っ張るミステリーなのでしょう。ただ、観終われば納得なのだが途中で事件を語る当事者たちのインタービューが挟まるのがテンポを削ぐようで邪魔に思えた。
デンゼル・ワシントンの交渉人ならもう少し見応えがあってもよさそうだがまだ若い時なので貫禄が無いし犯人がもしかしてモサドのメンバーかとも思わせる知能犯ぶりなのだから致し方ない。
ジョディ・フォスターもしかり、「羊たちの沈黙」のヒロインでミステリー臭は強いものの胡散臭い女傑と言うには物足りない。名作にはかかせない名脇役ウィレム・デフォーさんを使いながらいいとこ無しと言うのも勿体ないが計算された思わせぶりのキャスティングなのでしょう。
真逆なのがクリストファー・プラマーさん、その存在感だけで映画の信憑性が高まるのだから恐れ入る。
何のインサイドなのか、タイトルや塗装工に扮した意味など伏線回収はあるのだが掘ってた穴はトイレ?それにしてもトップ、エンドのクレジットバックのインド音楽は唐突感満載、インド映画の「ディル・セ心から」の列車の屋根でのダンスシーンでかかった「チャイヤチャイヤ」というラップ調の曲なのだが歌詞を読んでも本作との繋がりが読めず、こちらもミステリーでした。
まあ、ミステリーなので詳しくは書けないので、観てのお楽しみということで悪しからず・・。