時をかける少女(2006)のレビュー・感想・評価
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ノスタルジックな作品。
だいぶ前に見たことがあるはずだけど、
後半にたどり着くまでのストーリーはほぼ覚えてなかった。
ので、地上波録画にて新鮮な気持ちで観賞。
タイムリープものは頭が混乱しがちだけど、
面白くて好き。
主人公の、若さゆえのがむしゃらさや青さには自分も思い当たる節があり、見ていてもどかしく恥ずかしさすら感じる程だったけど、失敗を重ねて成長していく姿に、最後には走れー!って応援してた。
切り取る夏の風景の美しさ、校舎やグラウンドの懐かしさ、あるよね~と思わせる家族の書き方が素敵な作品。夏に毎年見たいね。
メインの男の子2人が「あなた達人生何周目?」って程に格好良くて。いろいろ悟りすぎてる。
主人公がどうしてももう一度言ってほしかった言葉は、あの日あの時あの場所だけのものだったんだなぁって思うと、ありきたりな「今を大切に」って言葉も身に染みる。
彼が未来に帰った時には、きっと現代で主人公がこれから人生を懸けて必死に守るであろう大切な絵が、その時代に残っているんだろうなと想像して心が温かくなる。
未来を切りひらく真琴の生命力!
男子とキャッチボールする真琴。
顔にボールを受けてギャっと悲鳴をあげる真琴。
小さなお弁当をつまむ友達の横で、でっかいサンドイッチをもりっとかじる真琴。
そしてタイムリープ能力を手に入れて、あちこちドッカンバッコンぶつかりながら、プリンを食べ焼肉を食べカラオケを歌い抜き打ちテストで満点を取る真琴。
実にセコい、そして楽しいヒロインです。
ちょっぴりおみそが足りない真琴の、でも本当はいい子な元気力が、最後にみんなを導く未来とは。
主題歌と劇中歌も印象的で、奥華子さんの高音弦のような通った声が、彼女たちの青春の一瞬を美しく彩ります。
夏になると見返す、細田監督の傑作青春映画です。
もう一つ、
毎回真琴に迷惑をかけられる高瀬くん、
実は彼、隠れたこの物語のヒーローです。
クラスのいじめっ子たちにどれだけ悪質に弄られても、彼は絶対に屈せず反撃します。
その勇気には、敬意を抱かずにはいられません。
そんな高瀬くんの勇姿にも注目です。
最後まで観て残った疑問
千昭は見たかったはずの絵画を何故見ずに帰ったのか。この時代に長くいたのならもう少しくらい留まっても良かったのでは?
千昭は絵を見たら帰るつもりだったのに、中盤で同級生の早川さんと何故付き合ったのか。終盤で真琴と何故付き合わなかったのか。
「時をかける少女」はこの作品しか観たことがない自分にはわかりませんでした。
時を行き来するストーリー展開の面白さと青春時代の日常風景のきらめき
筒井康隆原作通りのアニメをイメージしていたが、原作のヒロインの姪が主人公のオリジナル作品(脚本の奥寺佐渡子さんが作ったのストーリー?)であった。
時を何度も行き来することで、他人の気持ちを大切にすることに大切さを少女が学び、さらに高校時代、青春時代の宝石の様な時間の価値が浮き彫りになってくるストーリー展開は、とても素敵。日本家屋の美しさや何気ない風景の描き込みもしっかりとしていて美しい。少女マンガチックなヒロインのドジっ子ぶりも微笑ましい。
ただ、エヴァンゲリオンも手がけてる貞本義行氏によるキャラクターデザインが自分的には好みでなかった。監督の指定かヒロインも叔母も色気が全くないのが、好みではない。また、全く同じの繰り返し映像が、少し退屈なところも正直あった。ヒロインの動きとか位置とか、クイズの様に微妙に変えられなかったか?
とは言え、細田守監督の以降の他作品も是非見たいと思わせる、青春の甘酸っぱさのきらめきは存在した。
大人になって、もう一度観る映画
大人になってみると見方が変わる気がする。
好きっていう1番言ってもらいたかった言葉は、あの瞬間しかなかったということを、大人になって感じれるようになった気がする。
原作が「待ってて」に対して、今回は「待ってる」。まことの性格もわかって、未来に走っていけるような、新たな答えの出し方は、色々と沁みる映画になってる。
努力が無かったことに😑
大林宣彦の時をかける少女を昔見たことがあり、
尾道の雰囲気などがとても良かった。内容は覚えてないけど。
細田守の映画はどのように表現されるのか期待してみたが
どうも全くの別物ということだったらしい。。
辛うじて前回の主人公が出ており、ラスト近くでそれらしき昔の写真も
飾られていたわけだ。
このアニメは細田守らしいストーリー展開で、前半はしょうもない
日常を描き後半に事件を持ってくる。個人的には非常に好きなストーリーの
進め方だが。
ただ、タイムリープという壮大なSF的な設定を恋愛の為に使うとか
どうも設定の無駄遣いとしか思えない部分もある。
なんせ、真琴がタイムリープしてリセットする度に、
チアキやコースケに告白した女の子の努力を全てなかった事にしちゃうわけだし。
人の命の前には些細なこととなってしまうのもなんだかなーと。
仲里依紗が意外と声優が上手かったのに驚き。
まあ俳優業を見たことないけど。。
等身大の高校生に感情移入
主人公の喜怒哀楽が元気いっぱいで清々しい。
喜ぶ時に元気があるのは勿論だが、怒る時も悲しむ時もエネルギッシュなのがとてもチャーミング。
深く考えずにあっさりタイムリープしちゃったり、タイムリープ後に自分のしてしまったことに気付いたりと、目先のことばかり思い悩む姿に等身大の高校生らしさを感じる。
否が応でも感情移入してしまう魅力的な主人公でした。
ストーリーに関しても、お手本のような起承転結が美しい。
前半部分はコメディチックにテンポ良く進む。
展開的にはシリアスにできそうな場面でも、あくまでBGMは軽快に、主人公もひたすら前向きに進んでいく。
だからこそ後半の転調も際立ち、ラストの切なさや儚さがより一層感じられるものとなっている。
あとは各キャラの感情の変化が分かりやすい。
感情が変化する様を丁寧に描写してくれるのもそうだが、一挙手一投足や表情の描き分けも上手いんだと思う。
台詞の少ないキャラでも、今何を考えてるのかがよく伝わってきたので非常に見やすかった。
良くない要素が見当たらないぐらい完成された大作でした。
人生で一番ハマったアニメ映画
私は色々と評価が高くて面白いアニメ映画を色々と観てきましたが、「アニメ映画で何が一番好きか」と問われればおそらく「時をかける少女」と即答すると思います。
何度もドラマ化されるほどに人気がある筒井康孝の原作小説を大胆アレンジし、原作小説の十数年後を描いた作品。ひょんなことから過去や未来を行き来できる「タイムリープ」という能力を授かった主人公の真琴が過去を改変してしまったことで様々な騒動が巻き起こります。
時を行き来できる「タイムリープ」というSF要素を盛り込みながらも、ストーリーの根幹は王道的な青春恋愛ストーリー。主人公の真琴と、彼女と仲の良い男友達の二人。三人が織り成す一夏の思い出は、どんな人でも胸を打たれるほどの魅力があります。
時系列が世界線が交錯してストーリーが複雑になりがちな「タイムリープ」という要素ですが、脚本の構成が上手いのか、非常に見やすく分かりやすく仕上がっていました。
いつか他の誰かを好きになっとしても、あなたは特別で大切
旧作は歌ぐらいしか覚えてなくて、
あんまり印象になくて、
リメイクの本作を
いいという人がいるのでDVDで
観賞しました。
ノスタルジックな思いで
見ていたのですが、
途中からは、話に引き込まれて
エンディングソングの歌詞の
言葉選びが素敵で驚きました。
見て良かった。
この作品は、タイムリープによる
青春物語だけではなくて、
時をこえて
思いを伝える物語でした。
主人公の真琴が
千昭に対して思う友情が、
ゆっくり恋愛に変わっていく。
なにげない日常が、
特別な日々へと
価値観が変わっていく様子が
いいです。
価値観が変わるきっかけは、
ある出来事からなんですが
それを、知ることで
真琴は、
自分の将来にむけた役割と
時間を超えて届けたい思いを
見つけます。
そういえば、
エンディングソングの
ガーネットという曲名は、
作詞作曲の奥華子さんが
石言葉の友情から決めたみたい。
恋の歌なんだけど、
その根っ子にある友情を
パラフレイズするところが
素敵というか、いいなーと。
好きという気持ちが分からなくて
二度とは戻らないこの時間が
その意味をあたしに教えてくれた🎵
あなたと過ごした日々を
この胸に焼き付けよう
思い出さなくても大丈夫なように
いつか他の誰かを好きになったとしても
あなたはずっと特別で 大切で
またこの季節が めぐってく~🎵
この曲は、
初恋の人への
こころのしまっておく場所を
上手く表現してるなぁ…
あと、
原作の芳山和子が主人公の
親戚として登場してます。
実写では原田知世の役です。
本作では違う声優でした。
彼女は、未婚で未来に現れる人を
待ち続けているという設定で
これは、
タイムリーパーが時間を超越した
恋愛のさだめを背負うことを
ほのめかしています。
真琴もそういう運命に
なることを、示していたことに、
最後に気付きました。
作中を通じて意識する時間は、
一方通行なだけに、
今を大切にしたいと思いました。
すごい
いっぱい詰まった作品でした。
知らずに通りすぎなくて
ラッキーでした。
いろいろと考えられていて、深い内容のストーリー
・終盤の展開にはビックリした。
・タイムリープの経験により、人として成長していく姿が魅力
・誰かが得をしたら、その分誰かが損をすること…。当たり前の条理だけど、いろいろ考えさせられた。
細田守作品の中では一番好き。
原作も読んだし、古いドラマも見てた。見てるからこそ面白みが増した。この主人公はかつての主人公とは違うが、叔母にあたる人がかつての主人公だった。叔母の昔の写真が映った時、ちょっと感動してしまった。初めて見たときは、まさかちあきが未来人とは驚いたけど、2回目からはまあそれしかないか‥と。かつての主人公もケンソゴルと想いあっていたわけで。タイムリープの仕組みも分かりやすくなっていて、現代的な感じがした。何よりも仲里依紗がうまかった。
なかなか深い内容でした。
⤴いろいろと考えられているストーリー
⤴終盤の展開にはビックリ
⤴タイムリープの経験により人として成長していく所が魅力
タイトルなし(ネタバレ)
ふとしたきっかけでタイムリープ、時空を超える飛び方を覚えてしまった女子高生の一夏の青春。女子高生が主人公にはなっているけど、もちろんかつてのバカな男子高校生にも楽しめる内容。
くだらないことで熱くなったり、人を好きになったり、なられたり、気持ちをうまく伝えられなくて傷つけるようなことを言ってしまったり、バカな失敗をしたり、失敗することすらできず、眺めるだけだったり。通り過ぎていった人生のさまざまがそこにあって、なんでもない風景にさえ、感傷的な気持ちにさせる。
人生にやり直しはきかない。時間は戻すことができない。誰もが知るその人生の真実を、何度でも時間を巻き戻す主人公たちに教えられるのだから面白い。あの夏はもう二度と帰ってこない。だからこそ胸を打つのだろう。
歳をとるにつれ辛くなる
初めて見たのは高校生の時。
その時も今みたいに見終わった後鬱っぽくなった。
でもそれは、ちあきとまことがもう会えないのに「未来でまってる」といってお互い前向きに生きていこうという姿勢とか、同年代としてキラキラした学校生活を送りたいとかそんな薄い感情で鬱っぽくなってた気がする。
23歳になって改めてみると、もっと違う観点から見れるようになった。
鬱っぽくなるのは変わらない、むしろ酷くなってるけど(笑)
ちあきが告白してくれたのに無しにしちゃったこと。昔はそれでいいじゃんって思ってたけど、今大人になって凄く酷い事ってわかるようになった。
絵のくだりなんて全然興味なかったのに、ちあきとまことを繋ぐ大切な鍵で、その秘密をもっと知りたいと思った。
ちあきに絵を見せるために、それを自分のやりたいことにできちゃう若さって素晴らしいと思った。
「待ち合わせで遅れて〜走って迎えにいく」っていう言葉が凄く胸にささるようになった。
毎日会社にいって週末お酒のんで不摂生してっていう生活を送っている自分を変えたいと思った。
全力で走って、思いっきり汗かきたい!
簡単にいうと少しずつ大人になっていく中で
まことから若いパワーを感じてるのかな(笑)
瑞々しい青春⋯夏になると観たくなる!
"土曜プレミアム" で鑑賞。
原作は未読。
いつもどおりの日常なのに、気づかない内に周囲は変わっていく。ずっと今のままでいられると思っていたのに、そんな想いには一切構わず時は進み、前へ進んでいかなくてはならなくなる。
それが大人になると云うことなら、突然の変化に尻込みしてしまって、全て無かったことにしたくなる真琴の行動には共感しかない。だがそれは、決して無かったことに出来るものではない。
思春期の心の機微を、鮮やかな映像と細やかな描写で描き出した細田守監督の演出手腕が心底素晴らしいと思った。初鑑賞時、とてつもない感動を味わった。青春の切なさや痛み、初恋の戸惑いが詰まった本作を、とても好きになった。
鮮やかな映像と言えば、入道雲の描き方に心底惚れた。モクモク空高く伸びる雲はそのまま真琴の心理に結びつき、嬉しくなったり切なくなったり、とても印象に残る。本作を観て以降、入道雲を見る度に本作を思い出してしまう。だから夏になると、自然と本作を観たくなるのである。
[鑑賞記録]
2007/07/21:土曜プレミアム
2008/07/19:土曜プレミアム
2013/??/??:DVD
2015/07/17:金曜ロードSHOW!
2018/07/20:金曜ロードSHOW!
2022/05/26:Amazon Prime Video
2022/07/01:金曜ロードショー
2025/11/28:金曜ロードショー
*リライト(2021/07/02)
*修正(2025/11/28)
10代にススメられて鑑賞
20歳ほど年の離れた若者にすすめられて鑑賞。
以前、テレビで放送されているのを
途中から見た記憶があって
それでもまぁまぁ楽しめた印象だったので、
改めて見てみたらもっと良さがわかるかなと。
…君の名はにしても
これにしても、
タイムリープ?もの、みんな好きですね。
てか、この時をかける少女が、
君の名はにも影響してたりするんじゃないのか?
心地よい友だち関係が
好きを告げられることで微妙に変わっていく
それを避けたくてタイムリープして…
でも、それを避けて相手の気持ちが別の人に
うつった途端、悔しがったりして。
恋心って、切なくて、勝手なもんですよね笑
なんとも甘酸っぱい、
青春のかおりがそこここに。
ちあきが行ってしまう
ずっと3人で居られると思っていたのに
もうそこにちあきはいない。
今そこにあるものが
ずっとそこにあるとは限らない。
そういうことを、教えたかったのでしょうか。
でもね、なんでだろ、
君の名はもそうなのだけど
非現実性が高いからなのか、
自分が青春時代からあまりに遠ざかったからなのか、
感動とか、心動かされるとか
そういうのが、これまで自分が
名作と感じてきた他の映画と比べて
そこまではなかった。
うーん。
歳なのか?笑
バカ高校生 鑑賞
このレビューで、便宜的に「バカ高校生」「バカ高校」といったワードを用いる。
「バカ」という表現は不適切にも思われるかもしれないが、作中の前半部に主人公のナレーションで、彼女が「バカ」で不器用であることが説明される。これは制作者が、作中の高校生をバカとして見てかまわないという目くばせだと私は解釈したので、不真面目、短絡的、怠惰な高校生像をバカと表現させてもらう。
この作品は、バカな高校生が、恋愛や将来の展望に悩む様を、タイムリープという要素を絡めながら描いたもの。
今に満足していた少女が魔女おばさんの励ましや、チアキとの別れを経て、「前を見て」、未来に向かって生きることを決意する。ポジティブなストーリー。
短くしたスカート、だらしないネクタイ、自転車の交通ルール違反など、バカな高校生である。実写であればこんなバカな人間など見るに堪えないが、アニメ―ションという表現を用いていることで、一種の人間臭さの魅力としてバカさを楽しむことができる。アニメであることで、作り手が客観的な視点で高校生を観察し、表現しようとしたことを感じさせ、安心感がある。一歩引いた視点で彼らを鑑賞することができる。
この映画の良さは、まず、ミメーシスの快楽(現実のらしさが表現された創作物を観る快楽)である。素晴らしく鋭い現実世界への観察眼に、度肝を抜かれた。人物の動き、小物などディテール、細かいところに、現実らしさが組み込まれている。キャッチボールの仕方、教室に落ちているゴミ、バカな試験勉強の仕方。制作者のセンスがなければ描かれるはずのないディテールは、アニメーションならではの楽しみといえるだろう。誇張された表現はアニメーションならではのユーモアとして楽しめる。ボールが顔面にぶつかるとか、急に速すぎる早歩きとか。
画のセンスも輝いている。タイムリープ中の視覚効果はとても良い。他にも、小物のデザイン、モチーフのチョイス。
時間が止まった時の周りの景色のカット群もいい。止まっていると新鮮に見えるものシリーズでシンプルに面白がらせてくれる。
音楽が良い。有名クラシック曲を引用しているが、曲の構造や意味がストーリーと響き合っていてシーンを強調する。(クラシック音楽に詳しくないので、それ以上は言えないが。)クラシック曲使いでいうと、同監督の『劇場版デジモンアドベンチャー』(1999年)を連想させられる。
無音の使い方は好き。印象的な、マコトがひたすら走っている長回しのカットでは、徐々に環境音を消していき、マコトの息遣いだけにする。右が過去で、左が未来という構図が分かりやすくて素敵だと思う。
タイムスリップが絡んでいて、状況がややこしい所はある。また、タイムスリップで生じる矛盾も挙げればおそらくキリがない。だが、時間を超える話は、必ずなにかしら矛盾が生じるので、そこはほどほどに目を瞑るべきだと考えている。
描写がリアリスティックだと、反って現実との差に目が行きがちだが、アニメらしい自由な表現を交えていることで、ある程度違和感が緩和されていると思う。
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