時をかける少女(2006)のレビュー・感想・評価
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今なら理解できるタイムリープ青春ラブストーリー
数年ぶりに自宅鑑賞。
マコト(仲 里依紗)とチアキ(石田卓也)の名前が逆だったらしっくりくるけど、それも含めて個性的で素敵な作品。
コースケ(板倉光隆)とカホ(谷村美月)の組み合わせもキュンキュンする。
夕方の川沿いでの二人乗り自転車の場面とか、下り坂で飛んできた黒い靴にぶつかる場面、「00」から「01」に戻った理由とか、いろいろ氣になるところがある。
確認したい箇所にタイムリープのように飛んでいけるのは、自宅鑑賞ならではの技。
『時をかける少女』の映像化は沢山(※)あるが全部見たことなかった。...
『時をかける少女』の映像化は沢山(※)あるが全部見たことなかった。
恐らくその時代に合わせて脚本を工夫しているのだろう。比較出来ないが。
日本では2008年にiPhone 3Gが発売されたので、作中は皆ガラケーを使っていて主人公は凄い指さばきで文字を打つ。
それにしても真琴は死んてもおかしくない程に怪我ばかりしている。
※1960年代に書かれた筒井康隆のSF小説で、1972年に『タイムトラベラー』としてテレビドラマ化されて以降、1983年公開の大林宣彦監督による実写映画、2006年の今回のアニメ映画などナント9回にわたって映像化されている。
音楽がエモさ爆発
大層なイケメン2人を相手に野球に興じる快活な少女・真琴。
この子、女の子たちから嫌われてそう…
という現実的なのは置いといて。
浅かでバカな高校生活。
大人になる期限が徐々に迫っているのを感じながらも目を覆い、耳を塞いでいるモラトリアムな少年少女たちが時に誇張して、時に等身大に描かれている。
ノスタルジックな気持ちを掻き立てながら平成という時代の空気感に合わせた爽やかな作品になっていると感じる。
原作小説のミステリアスな雰囲気と比べると驚くべきほど解放的で明度の高さ。
細田守初期作品のアクのないキャラクターデザインと原案のある作品ゆえの一貫性も相まって、どんな人にも観られるアニメ映画の一本だと思う。
物語は物語でエモいのだけど、それよりもこの作品はシンガーソングライター奥華子の壮大なMVとして捉えても差し支えないほどに「変わらないもの」「ガーネット」の魅力が溢れている。
挿入歌もテーマソングも奥華子の歌い込んできた複雑な感情と透明感のあるメロディが遺憾なく発揮されていて、誰もが経験した苦い子供の時分へのノスタルジックな思いが何倍にも膨れ上がる。
この作品をMVとして捉えるなら★★★★★級。
ちなみに私はこの作品を平成を舞台にした時をかける少女の続編ではなく、リブート作品と捉えている。
続編を謳った作品はいくつもあるけど、作者も違うし、時をかける少女の版権ってどうなってるんだろう?
もう戻らない、未来まで走って行くぞ!
とても良く出来ているストーリーで、真琴達のひと夏の出来事が一気に飛び込んで来ました。タイムリープする力を手に入れた真琴のまわりで起きる出来事面白かったです。でも使い道は好きな物を食べたり、カラオケを楽しんだり、そして恋愛にと、世の中を騒がす大事には使わないのがかわいい。でも高校生にとってはそういう時間も大切です。でも自分の気持ちを偽るために時間を戻したりするのはやっぱり良くないと言う事なのですね。大切な人達とはまっすぐに向き合う事が大事ですね。貴重なタイムリープの最後の1回を大切な仲間のために使う真琴と千昭の思いが印象的です。真琴のおば様の存在が気になりましたね。何でも分かってそうで、理解してもらえそう。あまり余計な事は気にせずに、目の前の物語に一緒に入り込めば良い、高校生達のある夏の出来事を描いたちょっぴり切ない青春ファンタジーでした。
かなりアホの子で最初はお笑い路線かと思ったら
原作未読。2007年ごろ鑑賞。原田知世版含め、他の映像化作品も見たことない状態。でもタイムリープでラベンダーなのは把握しているという。
いやあ、何で劇場で観なかったんだろう。先達に敬意を払いつつ、換骨奪胎した上でなお、ある種の懐かしさを覚えるようなお話にして、ラブストーリーにしすぎない絶妙なさじ加減で、普遍的な友情の物語に昇華されたことで、より幅広い層にアピールしたのかと思う。仲里依紗の好演も大きかった。名曲『ガーネット』もね。
なんかもうひたすら青春
まさかのアニメ化、これをよくぞ作り上げられたと思います。
オリジナルの匂いは随所に残しつつ、まったく別物に作り上げたリブート作品。
それでいて原作の姪が主人公であったり、アイディア以外にも脚本も素晴らしかったと思います。
化学室の感じとかはそのままなのですもんね。
ただキャストが個人的に微妙で、真琴役の仲里依紗はフィットしてたけど、千昭の声は最後まで(というか何度観ても)違和感しかなかったです…。
リープ物アニメとしては「ドリーマー」以来の傑作ではないでしょうか?
なんかもうひたすら青春で、本当面白い作品です。
奥寺さんあっての最高傑作 声も素晴らしい
初めて観たのが高校の時だったから
長い間「細田監督すごい!!!!!!」と思ってた
でもおおかみこどもでアレ?となって
奥寺さんの偉大さに気付かされた。
これとサマーウォーズは細田作品の代表みたいに言われるけれど、そのたびに奥寺さんは(私の脚本なんだけどな)とか思っていたのかな?と思いました。そんなこと思わないかもしれないけれど…。
とにかく声がいいですね。
物語の構成上必要なのはわかるんですけど、ゆりと野球観戦に行く千昭には心底失望しました笑
後世に伝えたいの不朽の名作!!
2週間期間限定で初めて観賞しました。真琴の飾り気のない性格に共感しました。
内容はタイムリープ物で、ストーリー、セリフ、演出、音楽のどれをとっても完璧と感じました。
何度も心を揺さぶられ、涙が止まりませんでした。
後世に伝えたい不朽の名作で、映画館で体感できて本当によかったです。
過ぎ去った時を戻ったとしても、思い通りにはできない
10年くらい前にDVDで見ていい映画だなと思い、この度劇場公開されるということで足を運びました。
2回目でわかったところもあり、疑問点もありましたがやっぱり名作ですね。細田守監督の他作品も見てきましたが、個人的にはこの作品がダントツでいいと思う。
タイムリープしてリセットされた体に、10時間分のカラオケのダメージが残ったのは不思議でしたが、精神的ダメージで喉の痛さを感じたのかと勝手に解釈した。
「未来で会おう」という千昭のいる未来はかなり遠い未来だと思うけれど、普通に生きてて会えるのか?という疑問は野暮なんでしょうね。
マコトに告白した時の千昭は、未来に戻らずに現在世界でマコトと付き合う覚悟をしたのだと思うけど、このマコトにとって最もハッピーエンドの世界は2度と戻らなかった。
このあたりが、繰り返そうとも同じ時間は戻ってはこないを表していて感銘を受けました。
粗はあるが名作ジュブナイル
高校生男子二人と女子一人の組み合わせで女子が恋愛に疎すぎるのはどうかと思う。まぁそういう設定なのでしょうがないけど、この性格なら主人公は男のほうが説得力があったのでは?
「時をかける少年」になっちゃうけど。
主人公のアホぶりに呆れるところもあるが、終盤は一転シリアスで切ない展開でしんみり。
こういう主人公の成長っていいなと思う。
タイムリープものにしては設定が荒い。
条件もイマイチはっきりせず、リープの間隔も不明。
また、タイムリープなら体の負荷は初期化されると思うのだが、喉が枯れたりしてる。
そしてリープのたびにスカートでジャンプしまくり回転しまくり。う~ん。やっぱり男でよかったんじゃ?
全体的に声優が微妙に感じた。
時を〜かける少女〜♪
夏映画のリバイバル上映で映画館では初めて見ました。
もっと言うとノーカット版は初めて見ました。
初めて見たのはTVです。
どうしても原田知世版の映画の印象が強くて
アニメのリブート版と感じています。
原作とも違う様ですし主人公達も違う、別次元の類似のお話ですね。
ちょっとおバカで直情的な主人公を改めて見てドン引き。まあいい子なんだろうけど思慮が浅い。
そんな主人公がひょんな事から手に入れた能力でまき起こすタイムリープ物、何回も同じような時間に舞い戻りまたやらかす。
その辺を軸にした青春群像劇。
一番良かったのはカットの入ったTV版より分かりやすかった事かな。
できればもっと映像をシャープで綺麗にできていたら良かった。そこまでは修正していなかった。
個人的に同じ所をグルグル回るタイムリープ物には弱い。これ何回目の事で何がとう変わったのか直ぐにはついていけない。
最大の疑問はなんで男友達2人と野球やってるの?
小学生の時は3人でもやってたけど高校生でやる?
暇なら部活か勉強やってるよね…
それと主人公のミニスカ短すぎ(笑)。
狙っているのでしょうが、パンツ見えそうで見えない演出のあざとさ。タイムリープしてすってんころりんの度にそれですからね…
もう手遅れですが、もう少し工夫とかないものかね?
細田版「シン・時をかける少女」という感じかな
「時をかける少女」と言えば何度もリメイクされている作品。
映画の原田知世版とテレビドラマの内田有紀版は見たことがあります。
この作品もだいぶオリジナルからアレンジされており、共通なのは理科準備室で倒れてまた戻って来るところくらい。
賛否両論あるみたいですが青春映画の切なさが良く表現されており個人的には結構好きでした。
例の日本画がタイプリームとどう関係しているのか良く分からなかったのがちょっと残念。
名作は色褪せない
2023年劇場鑑賞163本目。
細田守監督作品で実は唯一未見で、家に録画したものもあるのですが、今回のリバイバル上映を機に遂に鑑賞。いやぁ、さすが細田守監督作品でも1、2を争う人気作なだけあって、新作と言われても不思議ではない面白さ。
実は原田知世版も観たことがなくて、内田有紀のドラマ版と、今作の声優もつとめている仲里依紗の実写映画版しか観たことがなかったので、こういう話だとは思っていませんでした。あっ、原作の主人公の姪なんですね。道理で話が違うわけだ。仲里依紗版のはかなり切なかっただけに、今作の終盤までのコメディタッチと、終盤の切ない感じのバランスが絶妙でした。
わたしは彷徨い人になる
「待ち合わせに遅れてきた人がいたら、迎えに行くのがあなたでしょう?」
残念ながら今日までタイムマシンは開発されていない。この作品が発表されたとき、アルキメデスのダイヤルもまだガッチャンコされていない。
そんな人々が、過去も未来も星座も超える唯一の方法は何か?というお話。
「粗削り」-だけれども細田守はこのくらいがもしかすると丁度良かったのかもしれない。
「サマー・ウォーズ」(2009)、「おおかみこどもの雨と雪」(2012)までは良かったが、段々とカエル顔が顕著になってきてその後は手をつけてすらいない。
本作もツッコミどころがなかったわけではない。タイムリープした世界で、どうして「その時間帯の本来の自分」が一切出てこないのか?タイムリープはいいが、タイムリープ先の時間をどうやって指定しているのか?等々解せない部分もあったし、結末に至っては正直「反則技では?」と思ってしまった。
でも粗削りを取り繕うことなく粗削りのまま観せているから、作品として成立している。そう、青春に秩序など必要ないのだから。後年になるにつれ、エッジが効かなくなってしまったのは少し残念。本作みたいに割り切って走っていけば、それこそ違う世界線が見えたかもしれない。
ただね...タイムリープのきっかけになるアイテムがクルミだったのは不満が残った。そこは誰が何と言おうとラベンダーでしょう?(一応ラベンダー自体は少しだけ出てくるのだが)
それにしても「魔女おばさん」の正体が気になる...あの人、まさか…?と思ってしまうんですよ、ラストのセリフを聞くと。
少女は未来を見て、少し大人になる。
繋がりの不安定さと、見えない未来。
このアニメで描かれている現状維持と行動も
その時には分からない何かが有ると思うから。
アニメは原作の映画化の時代の約20年後の未来。
原作を読むか、原田知世版の映画を観ていれば
鑑賞者としてアニメ版の気持ちに近づけられると思う。
渋谷の交差点のシーンと
堤防の道のシーンに涙。
絶望と希望が見える。
※
原作から20年後の話
原作小説は未読ですが、
1983年の原田知世さん主演の実写映画を小学生の時にテレビで観て、
まだ子供だった自分には、言葉で言い表せない、悲しいような、もどかしいような、複雑な感情を抱きました。
大人になってから、その時に感じた感情は“切ない”って感情だったんだと分かりました。
そんな僕は原田知世さん版のファンであり、そんな僕の感想です。
かなり頑張った、そうとう頑張ったな、と思いました。
あの名作のリメイクって、かなり難しく、相当プレッシャーあったろうな、と。
観終わってから知った事だけど、リメイクだと思ってたら違ってて、原作から20年後の話だそうです。
主人公は、原田知世さん演じた芳山和子の姪の設定で、
芳山和子は、この作品に出てきて、主人公に叔母さんと呼ばれてます。
まあ、リメイクじゃなく続編って事ですね。
この映画の後、この映画より時間軸が前の実写映画も作られたらしく、そっちも観なきゃ(笑)
この映画の話だけど、昭和っぽさも少し残しつつ、かなり良かったです♪
原田知世さん版のファンの方にも、オススメです。
『君の名は。』や『ハッピー・デス・デイ』に、最近のマーベルにも影響を与えてそう。
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