時をかける少女(2006)のレビュー・感想・評価
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人生の不確実さを味わえる
ありきたりと言えばありきたりなタイムリープもの。時をかけられる科学的な理屈や時空間的矛盾は横にぶん投げて、「もし時をかけられたら」人生はどのようになるのか。コミカルに描き出している。
この世の中は、あらゆる人・モノの意識・無意識な意思決定と行動で成り立っている。「こうすれば」、「こうなる」という単純なものではない。不確実で、だからこそ面白いとも言える。自分の意思決定を後悔しないように生きていきたい。
今なら理解できるタイムリープ青春ラブストーリー
『時をかける少女』の映像化は沢山(※)あるが全部見たことなかった。...
音楽がエモさ爆発
大層なイケメン2人を相手に野球に興じる快活な少女・真琴。
この子、女の子たちから嫌われてそう…
という現実的なのは置いといて。
浅かでバカな高校生活。
大人になる期限が徐々に迫っているのを感じながらも目を覆い、耳を塞いでいるモラトリアムな少年少女たちが時に誇張して、時に等身大に描かれている。
ノスタルジックな気持ちを掻き立てながら平成という時代の空気感に合わせた爽やかな作品になっていると感じる。
原作小説のミステリアスな雰囲気と比べると驚くべきほど解放的で明度の高さ。
細田守初期作品のアクのないキャラクターデザインと原案のある作品ゆえの一貫性も相まって、どんな人にも観られるアニメ映画の一本だと思う。
物語は物語でエモいのだけど、それよりもこの作品はシンガーソングライター奥華子の壮大なMVとして捉えても差し支えないほどに「変わらないもの」「ガーネット」の魅力が溢れている。
挿入歌もテーマソングも奥華子の歌い込んできた複雑な感情と透明感のあるメロディが遺憾なく発揮されていて、誰もが経験した苦い子供の時分へのノスタルジックな思いが何倍にも膨れ上がる。
この作品をMVとして捉えるなら★★★★★級。
ちなみに私はこの作品を平成を舞台にした時をかける少女の続編ではなく、リブート作品と捉えている。
続編を謳った作品はいくつもあるけど、作者も違うし、時をかける少女の版権ってどうなってるんだろう?
もう戻らない、未来まで走って行くぞ!
とても良く出来ているストーリーで、真琴達のひと夏の出来事が一気に飛び込んで来ました。タイムリープする力を手に入れた真琴のまわりで起きる出来事面白かったです。でも使い道は好きな物を食べたり、カラオケを楽しんだり、そして恋愛にと、世の中を騒がす大事には使わないのがかわいい。でも高校生にとってはそういう時間も大切です。でも自分の気持ちを偽るために時間を戻したりするのはやっぱり良くないと言う事なのですね。大切な人達とはまっすぐに向き合う事が大事ですね。貴重なタイムリープの最後の1回を大切な仲間のために使う真琴と千昭の思いが印象的です。真琴のおば様の存在が気になりましたね。何でも分かってそうで、理解してもらえそう。あまり余計な事は気にせずに、目の前の物語に一緒に入り込めば良い、高校生達のある夏の出来事を描いたちょっぴり切ない青春ファンタジーでした。
かなりアホの子で最初はお笑い路線かと思ったら
原作未読。2007年ごろ鑑賞。原田知世版含め、他の映像化作品も見たことない状態。でもタイムリープでラベンダーなのは把握しているという。
いやあ、何で劇場で観なかったんだろう。先達に敬意を払いつつ、換骨奪胎した上でなお、ある種の懐かしさを覚えるようなお話にして、ラブストーリーにしすぎない絶妙なさじ加減で、普遍的な友情の物語に昇華されたことで、より幅広い層にアピールしたのかと思う。仲里依紗の好演も大きかった。名曲『ガーネット』もね。
なんかもうひたすら青春
奥寺さんあっての最高傑作 声も素晴らしい
後世に伝えたいの不朽の名作!!
過ぎ去った時を戻ったとしても、思い通りにはできない
10年くらい前にDVDで見ていい映画だなと思い、この度劇場公開されるということで足を運びました。
2回目でわかったところもあり、疑問点もありましたがやっぱり名作ですね。細田守監督の他作品も見てきましたが、個人的にはこの作品がダントツでいいと思う。
タイムリープしてリセットされた体に、10時間分のカラオケのダメージが残ったのは不思議でしたが、精神的ダメージで喉の痛さを感じたのかと勝手に解釈した。
「未来で会おう」という千昭のいる未来はかなり遠い未来だと思うけれど、普通に生きてて会えるのか?という疑問は野暮なんでしょうね。
マコトに告白した時の千昭は、未来に戻らずに現在世界でマコトと付き合う覚悟をしたのだと思うけど、このマコトにとって最もハッピーエンドの世界は2度と戻らなかった。
このあたりが、繰り返そうとも同じ時間は戻ってはこないを表していて感銘を受けました。
粗はあるが名作ジュブナイル
高校生男子二人と女子一人の組み合わせで女子が恋愛に疎すぎるのはどうかと思う。まぁそういう設定なのでしょうがないけど、この性格なら主人公は男のほうが説得力があったのでは?
「時をかける少年」になっちゃうけど。
主人公のアホぶりに呆れるところもあるが、終盤は一転シリアスで切ない展開でしんみり。
こういう主人公の成長っていいなと思う。
タイムリープものにしては設定が荒い。
条件もイマイチはっきりせず、リープの間隔も不明。
また、タイムリープなら体の負荷は初期化されると思うのだが、喉が枯れたりしてる。
そしてリープのたびにスカートでジャンプしまくり回転しまくり。う~ん。やっぱり男でよかったんじゃ?
全体的に声優が微妙に感じた。
時を〜かける少女〜♪
夏映画のリバイバル上映で映画館では初めて見ました。
もっと言うとノーカット版は初めて見ました。
初めて見たのはTVです。
どうしても原田知世版の映画の印象が強くて
アニメのリブート版と感じています。
原作とも違う様ですし主人公達も違う、別次元の類似のお話ですね。
ちょっとおバカで直情的な主人公を改めて見てドン引き。まあいい子なんだろうけど思慮が浅い。
そんな主人公がひょんな事から手に入れた能力でまき起こすタイムリープ物、何回も同じような時間に舞い戻りまたやらかす。
その辺を軸にした青春群像劇。
一番良かったのはカットの入ったTV版より分かりやすかった事かな。
できればもっと映像をシャープで綺麗にできていたら良かった。そこまでは修正していなかった。
個人的に同じ所をグルグル回るタイムリープ物には弱い。これ何回目の事で何がとう変わったのか直ぐにはついていけない。
最大の疑問はなんで男友達2人と野球やってるの?
小学生の時は3人でもやってたけど高校生でやる?
暇なら部活か勉強やってるよね…
それと主人公のミニスカ短すぎ(笑)。
狙っているのでしょうが、パンツ見えそうで見えない演出のあざとさ。タイムリープしてすってんころりんの度にそれですからね…
もう手遅れですが、もう少し工夫とかないものかね?
細田版「シン・時をかける少女」という感じかな
名作は色褪せない
わたしは彷徨い人になる
「待ち合わせに遅れてきた人がいたら、迎えに行くのがあなたでしょう?」
残念ながら今日までタイムマシンは開発されていない。この作品が発表されたとき、アルキメデスのダイヤルもまだガッチャンコされていない。
そんな人々が、過去も未来も星座も超える唯一の方法は何か?というお話。
「粗削り」-だけれども細田守はこのくらいがもしかすると丁度良かったのかもしれない。
「サマー・ウォーズ」(2009)、「おおかみこどもの雨と雪」(2012)までは良かったが、段々とカエル顔が顕著になってきてその後は手をつけてすらいない。
本作もツッコミどころがなかったわけではない。タイムリープした世界で、どうして「その時間帯の本来の自分」が一切出てこないのか?タイムリープはいいが、タイムリープ先の時間をどうやって指定しているのか?等々解せない部分もあったし、結末に至っては正直「反則技では?」と思ってしまった。
でも粗削りを取り繕うことなく粗削りのまま観せているから、作品として成立している。そう、青春に秩序など必要ないのだから。後年になるにつれ、エッジが効かなくなってしまったのは少し残念。本作みたいに割り切って走っていけば、それこそ違う世界線が見えたかもしれない。
ただね...タイムリープのきっかけになるアイテムがクルミだったのは不満が残った。そこは誰が何と言おうとラベンダーでしょう?(一応ラベンダー自体は少しだけ出てくるのだが)
それにしても「魔女おばさん」の正体が気になる...あの人、まさか…?と思ってしまうんですよ、ラストのセリフを聞くと。
少女は未来を見て、少し大人になる。
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