「わたしは彷徨い人になる」時をかける少女(2006) ストレンジラヴ氏さんの映画レビュー(感想・評価)
わたしは彷徨い人になる
「待ち合わせに遅れてきた人がいたら、迎えに行くのがあなたでしょう?」
残念ながら今日までタイムマシンは開発されていない。この作品が発表されたとき、アルキメデスのダイヤルもまだガッチャンコされていない。
そんな人々が、過去も未来も星座も超える唯一の方法は何か?というお話。
「粗削り」-だけれども細田守はこのくらいがもしかすると丁度良かったのかもしれない。
「サマー・ウォーズ」(2009)、「おおかみこどもの雨と雪」(2012)までは良かったが、段々とカエル顔が顕著になってきてその後は手をつけてすらいない。
本作もツッコミどころがなかったわけではない。タイムリープした世界で、どうして「その時間帯の本来の自分」が一切出てこないのか?タイムリープはいいが、タイムリープ先の時間をどうやって指定しているのか?等々解せない部分もあったし、結末に至っては正直「反則技では?」と思ってしまった。
でも粗削りを取り繕うことなく粗削りのまま観せているから、作品として成立している。そう、青春に秩序など必要ないのだから。後年になるにつれ、エッジが効かなくなってしまったのは少し残念。本作みたいに割り切って走っていけば、それこそ違う世界線が見えたかもしれない。
ただね...タイムリープのきっかけになるアイテムがクルミだったのは不満が残った。そこは誰が何と言おうとラベンダーでしょう?(一応ラベンダー自体は少しだけ出てくるのだが)
それにしても「魔女おばさん」の正体が気になる...あの人、まさか…?と思ってしまうんですよ、ラストのセリフを聞くと。
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