「原作知ってると物足りない」デスノート NandSさんの映画レビュー(感想・評価)
原作知ってると物足りない
前提として
・多分、二回目
・原作『デスノート』は読後。
・アニメ版は未視聴。
・金子修介監督の他作品だと『デスノート the Last name』を視聴済。
原作を知っていると、ちと物足りない。
内容としては、月とLが対面するところまで。つまり、白熱する頭脳戦が始まる前に終わっているのだ。
人間ドラマ(というか恋愛)に重きを置いたり、推理を理解させやすくするために工夫したりなどがあるためか、原作の一番面白いところが観られなかったのが残念。
逆に、尾行者をどうやって殺すか、とか監視カメラの警察側の苦悩とか、どうやってポテチを再現するかなどはバリバリ見れるので、そこが好きな人にはぜひ。
これらの影響もあって、一本の映画と言うよりも、テレビドラマを2,3話分まとめて観たような感覚になってしまった。カメラの構図もテレビドラマ寄りなものが多かった。
規模の小ささを感じたのも、これが原因かもしれない。
あと、若干の改変多数(特にキャラ)。それを受け入れられるかどうかでも、この作品の評価は変わる気がする。それでも原作の雰囲気はぶち壊していないのがすごいところ。
個人的には渋井丸拓男の改変はかなり好きな部類だった。ネタキャラからガチサイコになった稀有なキャラ。
そういえば、「この人も出演していたのね!?」ってなる俳優さんばっかり。キャスティングがスゲェ映画だ。
リュークもマスコット的な形で存在。CGは時代的にご愛嬌(それでも質は高い)。さすがにラストの方で、月に"愛"を語るのにはツッコんでしまったが。
ただ、視点が多い作品なのに、場面転換・サイド転換は違和感なくてうまかった。
良くも悪くも、続編に期待しないといけない。
原作知らないとめっちゃ面白いが、逆に知っていると物足りない。そんな作品。
余談も余談だけど、今サブスクで観ると『Dani California』が聞けないみたいだ……楽しみだったのに!