青春☆金属バットのレビュー・感想・評価
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甲子園球児はグランドで汗を流し、汚ギャルはコンビニ裏で汁を流す
「汁?出た出た!」って、どこからどんな汁を流すんだよ・・・さすがに映画館内では臭いもわからなかったが、近寄り難い存在の汚ギャルであった。その汚ギャル様を殴り倒し金を奪うという、謎の酒乱巨乳の坂井真紀。どこにそんな豊満なお肉を隠し持ってたのか、かなり危険な存在でしたが、その彼女に出会ったことで野球に賭ける青春を取戻そうとする27歳コンビニ店員ナランバ(竹原ピストル)だったのだ。
何をやってもダメな男にも甲子園出場という輝かしい過去があったのですが、エースの石岡(安藤政信)から頭にデッドボールを受けて以来、世の中がオレンジ色に染まったようです。そのオレンジ色だかよくわからない、フィルムにフィルターのかかったような暗さが独特の効果を生み出している。これはもしかすると“甲子園ノワール”と呼ぶべき犯罪映画か?とも思わせ、カツアゲされる中学生、新人コンビニバイト、汚ギャルの仲間、やる気のない石岡巡査等々が社会のゴミ貯めを這いずりまわっているかのような悪を演じている。
とは言っても、悪から抜け出せなくなったような究極の悪ではなく、まだまだやり直すことができるような悪だったと思いたい(寺島進のキャラはダメかもしれない・・・)。かすかな希望はラストに見られるけど、やる気を出した原因もたいしたことないし、火をつけた中学生はその罪を一生背負わなければならないことを考えると、何が言いたい映画なのかもわからなくなってしまいます。
でも、バットを振ることによって青春を取戻そうとしたり、どうすればいいのかわからなくてもがき苦しむ人間もいるということ。能天気な野球バカに救われる人間もいるかもしれないし、ちょっとしたことで立ち直ることだってあるんですよね・・・
【2006年10月映画館にて】
駄目脚本で駄目人間を描く
総合:40点 ストーリー: 30 キャスト: 70 演出: 70 ビジュアル: 70 音楽: 65 社会に適合できず、それゆえ自分の力や存在を他と比較する機会すらないから自分の実力を認識すらできず、そのまま社会の底辺でこじんまりと悪さをしていく駄目人間の主人公がいて、そのまわりをさらに自分勝手で犯罪的な駄目人間たちが固めている。要は駄目人間を集めた物語なのだが、彼らのやることは馬鹿で自分勝手で非現実的で呆れてひいてしまう。そこらに駐車している車を壊し、道行く人を金属バットで殴り、強盗をして金を奪い、他人に迷惑をかけまくり法を犯しても全く罪悪感のない姿を見ていて不愉快。現実社会ではこういう社会不適合なつまはじきものがたくさんいて問題なのだろうが、そんな彼らを暴走させすぎてやりすぎ感があってのめり込めなかった。 登場人物の演技や演出は悪くはないが、物語がつまらないし彼らに同情も出来ないし見ていて面白くない。こんな駄目人間の救いのない底辺な生活を、この世知辛い時代に見せられてもね。このような駄目な彼らを中心に活躍してしまう無法地帯な物語にしないで、どこかに破綻や浄化があったほうが逆に救いがあったのでは?
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