「滅びの美学」明日に向って撃て! しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
滅びの美学
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"明日に向って撃て!" シリーズ第1作。
Blu-rayで鑑賞(吹替)。
ブッチ・キャシディとザ・サンダンス・キッド―実在したアウトローたちの閃光のような生き様が胸に迫って来ました。
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのアンサンブルが秀逸でした。とてもカッコ良く、惚れ惚れしました。
ブッチとキッドは西部を荒らし回る犯罪者ですが、民衆からは体制に歯向かうヒーローとして慕われていました。
そんな彼らも恨みを買い、徹底的に追い詰められていきました。どこまでも追い掛けて来る追手が恐ろしかったです。
西部開拓時代もいよいよ終盤に差し掛かり、馬の代わりになる新しい移動手段として自転車が登場するなど、静かに、しかし確実に、時代が移り変わろうとしていました。
変革の波が押し寄せ列車強盗は時代遅れとなり、ふたりは時代に取り残されていく。一度は足を洗おうとするも上手くいかず、逃亡劇は絶望的な結末へひた走っていきました。
滅びの美学が充満。絶体絶命の状況でもユーモアを絶やさないやり取りにクスリとさせられましたが、待ち受けている結末が想像出来るだけに、心が穏やかじゃなくなりました。
時代にそぐわないと分かっていても、その生き方しか出来ない。追い詰められたふたりが「明日に向って撃」とうとするラスト・シーンは映画史に残る名場面だと思いました。
※修正(2024/04/07)
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