劇場公開日 2016年12月24日

「1950年代のイタリア社会と家族の物語」若者のすべて SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)

4.01950年代のイタリア社会と家族の物語

2020年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日本語タイトルがおしゃれだが、原タイトルを直訳すると「ロッコとその兄弟」。
南イタリアで小作農の貧しい生活を送っていた家族が、父親の死をきっかけに、先に家を出ていた長男を頼って都会のミラノに出て、その生活を成り立たせるまでの苦労を、三男ロッコを中心に5人の息子達の各々の成長と葛藤に載せて描く社会派要素の強い作品。
当時25才のアラン・ドロンの表情の美しさといったらない。聖人のような三男を彼が演じることで、凄惨・陰鬱な現実から救われた気がした。
そし四男の現実的な判断と、小さな五男の笑顔が、次世代への希望をつなぐエンディング。当時のビスコンティ監督の気持ちが反映されているように思った。

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SpicaM