ロッキーのレビュー・感想・評価
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アメリカン・ドリーム
リビングで観る旧作名作映画から、今回は44年前に公開された本作を投稿します。
主人公のもはや薹が立った三十路のしがないボクサー:ロッキー・バルボアが映画の中で達成したように、脚本を書き主役も演じた、当時ちょうど30歳のシルベスター・スタローンが、将に本作の成功によって実現した“アメリカン・ドリーム”。
更に、個人でもチームでも、士気を鼓舞しモチベーションを高揚させる時には、今でも奏でられる「ロッキーのテーマ」。この曲を聞くと自然に気持ちが昂ぶり闘志が滾ってくるのは、本作の偉大なる成果でしょう。
誰にでも夢を叶えるチャンスが落ちている国、アメリカ。本作はアメリカ合衆国独立200年の年に制作・公開された、いわば必然的に作られたメモリアル・ムービーと云えます。
映画は、ロッキーの現在の境遇を描き出すイントロから前半では、常に夜の暗闇の中、或は今にも雨が降り出しそうな曇天の下であり、ロッキーの荒涼とした心象風景を観客に植え付けます。
人生に挫折し将来への希望も持てず、鬱屈した思いで社会の底辺で日々の生活に汲々として生きる若者が、それでも漠然と抱く夢と野望が、現実にそのチャンスが目の前に現れた時、
ロッキーの顔が、眼光が、明らかに前半の鬱々とした生活と異なり、徐々に光り輝いていき、そしてクライマックスである世界チャンピオンのタイトルマッチ戦を迎えます。
私の世代では、このシチュエーションは、どうしても「あしたのジョー」のラストにオーバーラップしてしまいます。
試合展開、そして最後の試合結果を含め、ロッキー対アポロの試合は、矢吹丈対ホセ・メンドーサ戦と錯綜します。その結末も将に相似しており、ロッキーの恋人エイドリアンは、境遇には天と地の乖離はあるものの白木葉子に擬制出来ます。本作のラストの「エイドリアン!」と絶叫する感動のシーンは、ジョーが15ラウンド闘ったグローブを葉子に捧げたことと全く同質です。
センチメントが全く異なる日本とアメリカで、ボクシングを素材にしてこれほど似通ったストーリー展開と結末になるのは、きっと最下層の若者の夢の実現ドラマが感動を喚起するのが万国に共通するゆえなのでしょう。
ただ『ロッキー』は、本作の大成功によって続編、続々編、続々々編、・・・・と延々と制作されたのは周知の通りですが、「あしたのジョー」は燃え尽きて灰になってしまいました。
男は愛する女のために闘う、愛する女のために命を懸ける。やや古典的ですが、その純粋で直向きな姿の美しさ尊さは、人を惹きつけて已みません。
ファイトシーンの説得力!
アメリカ
スタローン♪
ヒーローロマンスヒューマンドラマ
落ちぶれた生活を送るロッキーが偶然手にした機会を活かそうと努力し、ヒーローになる姿
内気なエイドリアンに優しく接し、少しずつ心開かせ、最後はお互いの名を呼び愛を叫び合うロマンス
栄光を掴みかけているロッキーに群がる周囲の取り巻き達の心模様を描いたヒューマンドラマ
そのどれもが交わり、無駄のない2時間の作品となっていた。
そして、かの有名なあの音楽。流れるたびに心震えずにはいられない。
感動した。
持たざる者が作った、持たざる者のための映画! エイドリア〜ン!!
しがない3流ボクサーだったロッキーが、己の価値を証明するために、世界ヘビー級王者との闘いに挑むボクシング・ムービー。
主人公ロッキーを演じるのは『デス・レース2000年』の、名優シルヴェスター・スタローン。スタローン自らが脚本も担当している。
👑受賞歴👑
第49回 アカデミー賞…作品賞、編集賞、監督賞の三冠を達成‼️
第34回 ゴールデングローブ賞…作品賞(ドラマ部門)!
第2回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…作品賞!
第1回 日本アカデミー賞…最優秀外国作品賞!
第20回 ブルーリボン賞…外国映画賞!
『クリード チャンプを継ぐ男』があまりに美しい映画だったので、改めて本作を見返したくなり、今回視聴しました。
勿論羽佐間道夫の吹き替え版での視聴です。
改めて見返してみると、この映画の巧さに驚きました。前半はロッキーの鬱屈した人生にリンクして、街の空は暗く曇り、BGMも少なく、使われる曲も悲しげなものばかりです。
その後、ビッグチャンスが巡ってきて、ロッキーが人生と真っ向勝負する覚悟を固めると、暗く曇っていた空は晴れ、BGMは同じ曲ではありながら明るいアレンジを施したものに変わっていきます。
極め付けはミッキーと和解し、ポーリーの行いを許し仲直りした直後にかかるあのロッキーのメインテーマ!燃える!
当時愛犬のエサ代にすら困っていた本物の持たざる者だったスライでなければ、ここまで哀愁ある映画を撮ることは出来なかったでしょう。
ロッキー、エイドリアン、ミッキー、ポーリー。彼ら主要人物は其々に哀しみを帯び、その姿は見る者の胸を締め付けます。彼等はロッキーの人生にそれぞれの人生を乗せ、ロッキーとともに高く舞い上がろうとします。
そんな彼らと同様に、全ての観客が映画を鑑賞しているうちに、ロッキーと共に戦う者へと変化しているはずです!
登場人物、観客、製作スタッフなど、すべての戦う者のための映画、それこそが『ロッキー』!!みんなで叫ぼう「エイドリア〜ン」!!
流石に76年制作ということもあり古さは感じてしまいますが、本当に観ている人間に勇気を与えてくれる素晴らしい映画です!
ロングショットを見逃すな
子供の頃から何度か観ているが、その記憶の中では直線的で単純なストーリーが印象に残っていた。
久しぶりに鑑賞してみると、なかなか素晴らしい脚本と演出ではないか。当時無名だったスタローンが持ち込んだものを、映画会社が低予算でも撮らせることにしただけのことはある。
主人公ロッキーは粗野で人生に希望を持てない男として描かれる。この一人の男(ゴロツキ)が、出来レースになるはずのボクシングの試合に、本気で立ち向かうまでの変化を語っているのがこの映画である。そして、その変化について説得力が感じられるのかどうかが映画の焦点であろう。
最も象徴的な場面は、ジムのトレーナー、ミッキーがロッキーを訪れ、マネージャーを務めることを申し出るところ。
昔とった杵柄の話を一通りしゃべったミッキーに対して、ロッキーは相手のご都合主義に対して怒りを露わにする。
すごすごと部屋を出るミッキー。この観客も納得の成り行きが突如としてあらぬ方向へと向かい出すのが次のロングショットのシーンからである。
とぼとぼと歩くミッキーを追うロッキー。追いついたロッキーは何か話しかける。だが、遠景ゆえに声は聞こえてこない。観客と被写体の距離に忠実に、二人の声は観客の耳には届かない。
そして、握手をする二人。どうやら二人の間には、試合へ向けての協働関係が生まれたようである。観客は遠くから、そのことを推測することしかできない。
もちろん、この後の展開から、その推測が間違いではなかったことが誰の目にも明らかなのだが、この挑発的なロングショットこそが、この映画の肝である。
なぜロッキーの気持ちに変化が起きたのか。映画は自らの最も重要な部分からあえて観客を遠ざけている。観客それぞれの想像力を信じているからこそできる演出である。
ミッキーの過去の自慢話に苛立ち、悔しさを振り払うために本気でアポロと戦う気になったロッキーは気付いた。ミッキーが訪れたのは、自分をこういう気持ちにさせるためだったのだと。果たしてこれ以上のマネージャーがどこにいるであろうか。
そしてこれは、ミッキーにとっても夢を叶えるチャンスであり、これを逃すまいとする必死の思いにも共感したのだろう。であればこそ、エイドリアンの兄が自分をダシにして懸命に金を稼ぐことにも寛大になれるのだ。
ロッキーだけでなく、彼の周囲の人々の心にも変化が起きて、それぞれの欲しいものへ向かって強い気持ちで進んでいく。
「ロッキー4 炎の友情」の中に、「人間は変わることができる」というセリフがあるが、このことはシリーズ一作目からの大きなテーマなのだ。
アメリカン・ドリームの体現!
ロッキー・シリーズ第1作。
第49回アカデミー賞作品賞受賞作。
Blu-rayで鑑賞(字幕)。
目を閉じれば蘇って来るロッキーの雄姿。無条件に心が震える、問答無用の傑作です。余計な解説など必要無し!
ストーリーを彩る音楽も本作の魅力のひとつ。「ロッキーのテーマ」を聴くと、無条件に体中が奮い立って来るようです。
うだつの上がらない日々を過ごしていたロッキー・バルボアがアポロ・クリードとの戦いを征し一夜にして栄光を手にしたように、本作の大ヒットによって無名の俳優だったシルベスター・スタローンは一躍スターダムを駆け上がりました。
役と俳優の人生が重なると云う奇跡が起きたことで、物語を越えた感動をもたらしてくれる作品として屹立しているのがすごい。アメリカン・ドリームを地で体現していることが、本作の持つ熱さととてつもない魅力の正体かもしれません。
※修正(2023/10/12)
有名すぎて観られていない名作
夢は1人で成せず、1人のためでもない
花の咲かないくすぶりボクサー
アメリカンドリームを機に、自分の夢は自分一人のためではないと気づかされる
支える人々の夢ともなり、これまでそれぞれが抱いていたくすぶりを晴らすため、共に大きな夢に向かっていく人間模様を描いた作品
・スターローンそのものの人生のようであり、彼にしかできない役立ったと感じた
・フィラデルフィア美術館の階段シーンが美しい
・親友や街の人々との生々しい皮肉や罵倒が作品全体にあるくすぶっている世界観を印象付けられた
・本気で向き合うこと、ぶつかることが人を前向きにしか、より支え合える関係になるんだなあ
どんな大きな壁だろうと腐ってはならない、なぜなら貴方は一人ではないから
優れた人間ドラマ
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