劇場公開日 1977年4月16日

「人生についての映画」ロッキー inoTV IKEさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人生についての映画

2021年2月24日
iPhoneアプリから投稿

これは単なるスポコン映画ではなく、どれだけ人生のどん底に陥っても戦おうと思わせてくれる、人生についての映画。

ロッキーは借金取りか何かをしながら生活し、エイドリアンには振り向いて貰えず、3流ボクサーと言われ続けるなど、最悪の人生を送っていた。そんな中ボクサーチャンピオンであるアポロクリードに対戦を申し込まれる。この戦いははっきり言って見せしめで、ボコボコにされることは十二分に分かっていることであるが、ロッキーはその戦いを受け入れ、トレーニングに励む。という話。

なぜロッキーがクリードと戦うか、それは、自分の人生において自信がゴロツキでないと証明するためである。もちろん戦いで勝てるとは思っていない。しかし、リングで耐え続けることは出来るかもしれない。最後のゴングがなった時にリングで立っていることが出来たら、自分の中でそれが勝利であり、人生を生きる資格となる。

この映画はボクシング映画であるが、人生についての映画である。人間は人生において多く、戦いを強いられる場面に出くわすが、その中での戦い方を教えてくれる。勝たなくてもいいんだと。戦い続け、倒れないことことが、その戦いでの勝利であると。

最後、ボクシングの勝敗では負けたが、戦い続けることが出来たロッキーはエイドリアンとの愛を確認する。最悪の人生にいたロッキーのリザレクションを描いた、ということになる。

誰の境遇にも当てはめることが出来る戦いを描いた、紛うことなき傑作である。

inoTV IKE