劇場公開日 1996年10月5日

「素晴らしい対比的感覚」レオン 完全版 フレドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0素晴らしい対比的感覚

2023年10月30日
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 この映画にはマチルダとレオンの二人だけの世界が広がっている。
 それを作り上げているのは間違いなく最初と最後のシーンに映されるビル群たちであろう。監督はこれと彼らが暮らす小さい部屋を対比して彼らの閉塞感を演出している。
 それを如実にあらわしている場面はマチルダがスコープ銃を練習するところである。
 レオンがビルの屋上をマチルダの元まで歩くシーンではニーンショットで撮られており、それにより後ろのビル群が映されることになる。これと対になっているシーンはその後のマチルダとレオンがスコープ銃の試し打ちをするため顔をくっつけショットだ。
 このショットにはマチルダとレオンしか映っていない。
 これが先程の大きく並んでいるビル群との対比になっている。
 そのような大と小の対比が彼らのおかれている閉塞感を演出させる。

Mr.ブルー