リオ・ブラボーのレビュー・感想・評価
全19件を表示
個人的に、西部劇の《傑作》。
タイトルにも書きましたが、個人的な思い入れが強過ぎて、まっさらな気持ちでレビュー出来ません。先にそれだけ書いておきます。
ジョン・ウェインの西部劇は傑作揃いですが、正直なところ、役者の技量と言うより脚本や監督の技量のお陰な点が相当に強いと思います。
この映画は私の亡き父が大好きな映画で、中味も分からない様な歳頃から《イヤってほどw》観させられた映画なので、悔しいけど台詞一つも覚えているぐらい何十回も見ました。
だからこそ言えることなのですが、アメリカのハリウッドが『世界を征す』と言っても良い時代に作られた良質な西部劇だと思います。
『OK牧場の決斗』等と比べると、笑ってしまう程緩やかで且つカッコつけ過ぎなくらいカッコつけてて、その上途中にディーン・マーチンの甘い歌声なども入り、《西部劇界の「旗本退屈男」や!!!》って言いたくなるほど、分かり易いストーリーですww。
でも、そんな話もシッカリと最後までキチッと絞めている、コレは監督の力だとスゴ〜く思います。見終わった後に、こんなに幸せな気分に成れる西部劇はそうそう無いと思いますよ。
騙されたと思って、より多くの人に見て欲しい、そんな良質な《西部劇》です。
但し、苦情は受け付けませんけどね…ww。
【”皆殺しの歌が流れる中、正義は遂行された。”今作は、正義の保安官と、彼を助ける個性豊かな4人が悪党たちを蹴散らす正統的で痛快なる西部劇である。1959年の”ゴレンジャー活躍劇”でもある。】
■保安官のジョン・T・チャンス(ジョン・ウェイン)は、メキシコ国境近くの町「リオ・ブラボー」でならず者・ジョーを殺人の現行犯で逮捕する。
しかし、ジョーの兄で町を牛耳るネイサンが弟の釈放を要求して金で雇ったガンマン達を使い、町を支配しようとする。
だが、チャンスは彼の人柄に惹かれる4人の仲間と共にネイサンが雇ったガンマン達に立ち向かう。
◆感想
・私は、タラちゃんが好きな所為で、マカロニウェスタンの名作と言われる映画は結構観て来た。特に、エンニオ・モリコーネが音楽を担当した作品群は実に面白い。
・だが、良く考えれば正統的西部劇があってこその、マカロニウェスタンの誕生であるのだから、”私は、正統的西部劇をキチンと観ていないな。”と思った訳である。
・で、今作。数々のガンシーンや、テンポ良き展開。実に面白い。そして、勧善懲悪でありながら”善”のメンバーが実に個性的なのである。
1.ジョン・ウェイン演じるジョン・T・チャンスは、万全だろう!と思ったら、基本的に優しき懐の広い漢なのだが、意外と女性にシャイでモジモジ君である所。クスクス。
2.チャンスの相棒で、保安官補佐のデュード(ディーン・マーティン)に至っては、数年前に女に振られてアル中になっている。
3.足の悪い、で序でに口も悪い牢を護るお爺さんスタンピー(ウォルター・ブレナン)のコミカルキャラも良い。
4.早撃ちで冷静な若者ガンマン、コロラド(リッキー・ネルソン)がチャンスに次いで頼りになるように見えてしまったぞ!
5.そして、イカサマトランプで稼ぐ女、フェザーズ(ナント、アンジー・ディキンソン!)が、気丈で色っぽいのだが、心意気も良いのである。
彼女が、チャンスにイカサマを窘められながらも、目の前で手配書を破り”もう、追われないようにしておく。”と言われ、彼のために寝室の前で寝ずの番をしたりする姿。そして、モジモジ君のチャンスに積極的に迫って行って恋仲になって行く姿などもとても良い。
<資料には、
”この映画が切っ掛けで秘密戦隊ゴレンジャーが出来た”。
とあったので、そんな馬鹿な!と思ったら、正にそうでありました。
アカレンジャーは勿論ジョン・T・チャンスで、モモレンジャーはフェザーズである。
あとは、勝手に決めてくれい!>
笑える、楽しい西部劇ここに極まれり。
「続・夕陽のガンマン」のレビューに書いたとおり、昔は配給会社がプリントを貸出していたので名画座から要望があればロードショー終了後も何回も劇場で観るチャンスがあった。だから「リオ・ブラボー」も名画座で何度も観た。TVでも何度も観た。劇場で観るのは約50年振りである。
4月24日(水)
来週から公開される「悪は存在しない」濱口竜介監督のフェイバリット作品という事で1週間限定公開の「リオ・ブラボー」を文化村ル・シネマ渋谷宮下で。
忘れていたけど、アンジー・ディキンソンがジョン・ウェインに惚れるきっかけのジョンの優しさだったり、ダイナマイトがそこにある伏線だったり、固辞していたリッキー・ネルソンがシェリフになる理由だとか、2年前のディーン・マーチンの銃や衣料をジョン・ウェインがホテルに取っておいたことや殺された相手の用心棒たちの棺桶と埋葬料が1人100ドルの本人の報酬で賄われるなど、ちゃんと脚本に織り込まれていた。
ビクトル・エリセの「瞳をとじて」でも引用された「ライフルと愛馬」を合唱するシーンの楽しさや「皆殺しの歌」を効果的に使ったディミトリ・ティオムキンの音楽も素晴らしい。
「続 夕陽のガンマン」とはまた違う、笑える、楽しい西部劇ここに極まれり。
いやー、映画って良いもんですね。
余談
「続夕陽のガンマン」でクリント・イーストウッドのホルスターが同じ(ローハイドで使っていたもの)と書いたが、ジョン・ウェインのベルトのバックルもハワード・ホークス監督の「赤い河」のダンソン牧場のマークのデザインものを多くの西部劇で着用している。
本作の字幕は高瀬鎮夫版でした。
ジョン・ウェインの映画、初観賞!
すごく楽しかった!西部劇のイメージは埃っぽい、バンバンと人が殺される、拳銃の音がうるさい、マッチョ。だから不安な思いで映画館に赴いた。ところが!やけにのんびりした雰囲気で殺気立ってない。たくさん笑えて歌もある。ドキドキもあるし気分スカッとするし、美しくてかっこいい言葉のやりとりもあって面白かった。
脚は悪いが腕のいい、機転がきくスタンピー(じいちゃん保安官)、手が震えて紙巻きタバコの紙も巻けないほどアル中だったが映画の最後はピッと巻けて良かったね!のデュード保安官助手(ディーン・マーティン)、勝ち気できりっとした女、フェザーズは保安官チームの「仲間」、そして背が高い(大谷翔平くん位?)チャンス(ジョン・ウェイン)は人を見る目があり冷静で人望ある渋くてかっこいい保安官トップ。フェザーズが積極的にアプローチしてチャンス保安官といい関係になるのがよかった。男のグズグズ感とかビビりをジョン・ウェインがやるから許せたというか可愛かった。
スパゲッティ・ウェスタンと異なり、ザ・西部劇はやはりマッチョで、アメリカにとって拳銃は西部劇的歴史・意味と密接に繋がっていると思った。でも監督ハワード・ホークス的女性像というのは気に入りました!アンジー・ディンキソン演じるフェザーズは、行動も身体も思考も文系&理系&体育会系ミックス!すぐ失神するタイプでなく色気過剰でなくずる賢くもない。失神ではないが、ジョン・ウェインがうつ伏せで倒れる場面が2回あった。あれだけの大男がバタッと倒れるのはちょっと怖かった。
SALOONという語を見ると高校時代を思い出す、SALONと間違えたから。間違えるとずっと記憶に残る!間違いはいいことだ!そして自分は西部劇と縁があるのかもしれない。
おまけ
1)冒頭の酒場シーンには床屋コーナーもあった。最近流行りの男性客対象のバーバー・ショップ、店内や理髪師や客のイメージは革とタトゥーとウィスキー(日本は違う?)だ!これは西部劇のsaloon文化から来ているに違いない。
2)チャンス保安官に助手として認められた二丁拳銃のコロラド(リッキー・ネルソン)、若くて賢くてかっこよかった!
保安官の中の保安官‼️
強力な無法者一味を相手に、酔いどれの助手デュード、足の不自由な老人スタンピー、若者コロラドの3人を連れて戦う保安官チャンス‼️まともじゃ勝てない‼️そこでアメフトのような連携プレー‼️ホテルの前でチャンスが3人の敵に囲まれ、コロラドが何くわぬ顔で通りがかり、女ギャンブラーのフェザースが窓から植木鉢を投げ、窓ガラスの割れる音に、3人が気を取られた瞬間、コロラドがチャンスにライフルを投げ、チャンスが素早く連射、コロラドは拳銃で撃ち、一瞬でキメる‼️ホントにカッコいい‼️前半は無法者ジョーを酒場で逮捕、それを知ったジョーの兄が町を封鎖、チャンスの親友が殺され、その用心棒であるコロラドをスカウトしたりと、神経戦のサスペンスで見ごたえあります‼️そして捕虜となったデュードとジョーを交換するクライマックスが爆盛り上がり‼️デュードがすれ違いざまジョーを押さえ、スタンピーが投げたダイナマイトをチャンスが撃って、敵の頭上で爆発させて勝負アリ‼️再度の見事な連携プレー‼️それまでの西部劇は、一対一の決闘という個人プレーのカタルシスがあったのですが、今作ではまるでゲームのように、まるでスポーツのように、チームで戦う快感がありますよね‼️ホントに楽しい‼️無法者一味がたむろする酒場から威圧するように聞こえてくるヒット曲「皆殺しの歌」、ディーン・マーティンとリッキー・ネルソンが歌う「ライフルと愛馬」、チャンスとフェザースのロマンスなどなど‼️映画としては、ジョン・フォード監督の「駅馬車」「荒野の決闘」の方が上だと思いますが、娯楽西部劇としてはこの「リオ・ブラボー」がナンバーワンですね‼️
ヒール役が弱すぎる
リッキー・ネルソンとディーン・マーティンの『ライフルと愛馬』それに『皆殺しの歌』だねぇ。皆殺しの歌はこのサウンド・トラックよりも、ニニ・ロッソのレコードが我が家にはあった。例によって親父の趣味だったが、僕もそれに『右へならい』で直に好きになった。合わせて、親父のすぐ下の弟がトランペットでよく聞かせてくれた。だから、生まれてこの方ずっと聞かされていたわけであるが、映画はなんとなんと、今回が二度目。相変わらずのジョン・ウェインの真っ白な野菜の演技に合う映画だ。
さて、我が母の『皆殺しの歌』に対する反応は『野蛮な葬式見たいな音楽ね』と言って『私のいない所で聞いてね』だった。
よくよく考えると、エンニオ・モリコーネの曲調を受け入れる前の事であり『さすらいの口笛』を聞き『夕陽のガンマン』のラストシーンの音楽を聞いた時、この曲調はこっちの方が合っていると思った。つまり、エンニオ・モリコーネが凄いだけで無く、セルジオ・レオーネの演出が凄いのだろう。
映画はあと20分だが、これは向こうからやってくる『OKコラール』だねぇ。脚本が一部ぶっ壊れている。まぁ、『ハイ・ヌーン』もそうだったがゴリゴリの定石だ。そして、結果が分かる勧善懲悪は許せても、ヒール役が弱すぎる。結局、ほぼ『皆殺し』にする理由だが、朝鮮戦争からベトナム戦争への過渡期。ニニ・ロッソのこのトランペットだけが空回りしているように感じるが。
終わってみれば爽快!小細工なしの西部劇
平和な町を脅かす悪党たち
町を守る保安官と仲間たち
友を信じ、守り、助言する。
歌と愛と友情が混じった活劇。
会話の妙と信念への姿勢も良く
初めから勝者はわかっているが
どこをとっても嫌味無くスカッとする。
文芸作品でも歴史大作でも無いけど
ストレートな展開に文句も何も無い。
※
スタンピー爺
昔見た映画。ダイナマイトを持ち出す爺さん。大スター2人を差し置いて最も記憶に残っていた。改めて見ると、ディーンマーティンの自信なさげで情緒不安定な演技が目をひく。そんな彼が歌いだすライフルと愛馬の歌唱力に改めて驚かされる。ジョンウェインも不器用でシャイな親父を演出と、徹底した娯楽作品としてよくできている。
最高の西部劇!
見事な筋立て
ジョンウェインに当て書きのような保安官の主人公
悪との対決を縦糸に、アル中に苦しむ保安官助手の立ち直りを横糸にして、そこに若きガンマン、コメディリリーフの老人、ホテルの亭主、そして女賭博師とのロマンスも織り込んで、それぞれのエピソードを適度な分量と手際の良いテンポで捌く
美しい皆殺しの歌のトランペットや、保安官詰所での歌のシーンの使い方!
もちろん最後の決戦シーン!全く素晴らしい
文句のつけようがない見事な西部劇
これぞマスターピースだ!
悪役の親玉は、逮捕されなければ後にテキサスの大地主、ジャイアンツの主人公の親父になってもおかしくない
そう思うとまた面白い
勧善懲悪の黄昏
西部劇の斜陽の原因は勧善懲悪の世界観とされるが、現代劇でもその世界観は受け継がれている。本作はその痛快傑作だが、痛快さが仇なのではないか。現代劇では、ビジネスの成功は痛快だが、善の勝利は犠牲が多く、争い自体が悼まれる。西部劇も作を重ね、なぜ善が追い詰められ、戦いを強いられるのかという苦悩が浮上する。本作でも主人公は、夕陽に佇む。
西部劇の魅力は正直わからぬ世代です。死んだ親父がジョン・ウェインが...
西部劇の魅力は正直わからぬ世代です。死んだ親父がジョン・ウェインが好きだったのをかすかに覚えている感じ。
今回、その良さがなんとなく分かりました。ジョン・ウェインはじめ、登場人物がどことなくかっこいい、渋いんです。
話の内容は単純、ただなんとも言えぬ郷愁めいたものが。アンジー・ディキンソンのほのかなお色気も好感が持てます。
この映画に夢中になった世代が今、どんどん少なくなってきてるんでしょうね。
死んだ親父を思い出しながら、一緒に映画を楽しんでいるような不思議な感覚を楽しみました。ありがとう、リオ・ブラボー。
ちょっと期待し過ぎた?
メキシコに近いテキサスの町“リオ・ブラボー”。殺人犯ジョーを逮捕した保安官チャンスは町の外へ連行しようとするが、ジョーの兄で町の有力者ネイサンが町を封鎖。連邦保安官が来るまでの間、チャンスは一癖ある仲間と共に対する。
ハワード・ホークス監督&ジョン・ウェイン主演による、1959年の西部劇史上に残る名作。
強く頼れる保安官、協力的な仲間や町人、歌あり恋あり決闘あり。
娯楽性豊かで、アンチ「真昼の決闘」として作られたという本作。
なるほど確かに王道西部劇の醍醐味充分だが、少々期待し過ぎ感も無きにしもあらず。
本来ならもっと緊迫感あってもいい設定の筈なのに、割とのんびりとした展開。
のんびりなのは雰囲気や登場人物も。
クライマックスの決闘も呆気ない。
ダイナミックなアクション西部劇と言うより情感たっぷりの人間ドラマ西部劇と言った感じ。
ちょっと物足りなさもあったが、楽しいのは楽しい。
ハワード・ホークスの言う所の“本物の西部劇”は味わえる。
絶対的安定感
ハワード・ホークスの職人としての技が光ってますね。ボーっとして観ていられるというか、なーんにも考えずに、当たり前のように観ていられるんですよね。変に難しいことを考える必要なし。ただ「ジョン・ウェイン、渋いなぁ」なんて思いながら観ていれば良いというね。これって充実した時間なんだと思いますよね。
登場人物のキャラクターが絶妙なんですよ、たぶん。このキャラクター配置で面白くないわけないじゃんっていう、黄金の配置ですよ。キャラクター決めて、それぞれが予定通りに動き出したら、はい、映画できましたって感じでしたね。
保安官の詰所で、唄いだしたりしちゃってさ。良いシーンだったよね。ああいったシーンって、最近、あまり見かけないね。それはやっぱり残念だなって思いましたね。
一日中演奏される皆殺しの歌
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:65点|音楽:70点 )
保安官がいて助手がいて悪者がいて、そして対決をする。そのような西部劇の定型の設定をそのまま使ったどこにでもある西部劇。保安官事務所での彼らの会話はのんびりとしていて緊迫感が薄く、例え酒場ではそれらしく「皆殺しの歌」が繰り返し演奏されているのが聞こえたとしても、いつ敵が襲ってきて命のやり取りをするのだろうかという恐さは感じられない。題名の「リオ・ブラボー」は何か起きそうな印象が強いが、実際の内容はいたってありふれたもの。「皆殺しの歌」や劇中で歌われる歌のほうが心に残る。
面白かった
大傑作西部劇と言うので期待して見に行ったら意外とのんびりした映画だった。敵の脅威にさらされているとはいえ、常に命の危険が描かれているわけではなく、日常生活の営みの延長にある感じだったのが意外だった。クライマックスの銃撃戦も思ったより地味で、敵のラスボスが現れないところもあまり盛り上がらなかった。
でも心にしみる場面がいくつもあり面白い映画だった。
古き良き西部劇
悪党も街に店を持ち、保安官が任命する助手はろくでなし、日常的に打ち合いしてるのに犯罪者はそのまま執行官くるまで収監、という西部劇らしい西部劇。
最後のクライマックスの銃撃戦が、スーパーウェポン(笑)の投入でいまいち盛り上がりきらなかった気もするが、正義は勝つのだ。
あと、じじいうぜえ!超うぜえ!
全19件を表示