Love Letterのレビュー・感想・評価
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ぶっきらぼうな恋、優しいピアノの音色
酒井美紀さんの無垢な眼差しに魅せられた。清楚な
セーラ服姿が魅力的でした。
主人公の恋人秋葉(豊川悦司)が、何処までも優しい。
図書室での映像がノスタルジックでいい。
本当に私の事が好きだったの?と問う博子(中山美穂)の心情、時空を超えて気付く互いの想いが切ない。
ざわめいた教室、大人びた雰囲気のクラスメイトの男子、そんな事を思い出しました。
NHK - BSを録画にて鑑賞
中山美穂を観る映画
一度では味わい尽くせない深さ
天国からのラブレター
中学生時代、よほどおませでなければ思春期真っ盛り、好きな人がいて胸ときめかせた思い出は誰にでもあるだろうから映画はそのきっかけづくりのようなもので、本当の物語は観た人それぞれの思い出の中にあるのだろう。それはまるで博子の手紙が樹に思い出させたのと同じレトリックである。
岩井監督は抒情的な雰囲気の表現がお得意のようだが観客心理を見透かしているかのような緻密さも併せ持った奇才なのでしょう。
樹が語る思い出は紛れもない初恋だったにも関わらず博子に促されるまで気づかないと言う設定に違和感があったのだが同時期に父親の死が重なったことで薄らいでしまったのだろうと推測させている。博子は自身が初恋の相手の面影として愛されていたのだろうと気づいて葛藤はあるものの秋葉と歩むことを選択した。それは山で死んだ藤井が樹を通して背中を押したようにも思える、まさに天国からのラブレターではないだろうか・・。
少女マンガのようでいて実に奥深いプロット、まさに岩井美学と称される真骨頂なのでしょう。
ただ、女性陣に比べて登場人物の男たちが癖の強い妙な人ばかり、あきらかに意図的に汚してコントラストを付けたかったのでしょうが頂けません。それにしても秋葉のように女心に寄り添える男というのは貴重な存在、強引さも併せ持つというのも現実的なのでしょうがさじ加減が微妙、豊悦の関西弁のセリフはえげつない。
個人的にはこういう作家性の強い作品は苦手なのですがBSでやっていたのでつい再鑑賞してしまいました。
ノスタルジックで美しいストーリー
学生時代にレンタルビデオ屋でバイトしていた事があり、その時にこの映画を知りました。
その時はこの映画に興味がなくスルーしていましたが、26年ぶりにテレビで観ました。
岩井俊二関連の作品は、ACRIと式日を見た事がありますが監督作品は初めて観ました。
映像美が静かでノスタルジックで良かったです。音楽も世界観とあっていました。
ストーリーは二重構造なっていて面白かったです。
中山美穂まだ若い頃で久々に綺麗な中山美穂を拝めて良かったです 。
映画の中に出てくる本がモチーフになっており、伏線の回収や辻褄合わせが見事でいい映画だと思います。
感動ポイントは、ラストシーンでのお元気ですか~と叫ぶところと、図書カードの裏に似顔絵が書いてあってそれが死んでしまった藤井樹(男)からのラブレターだったと知るところですね。
この映画のテーマでもある、「記憶と時間」「失われた時を求めて」がふとしたきっかけから失われて記憶がよみがえっていくという話です。
自分この映画ふとしたきっかけでたまたま見た事で、この26年間と当時の記憶が思い出しました。95年の自分は自分探しの真っ最中であてもなくさまよっていました。学校での勉強も途中で投げ出し、バイトしていて映画みたりゲームしたりしょうもない日々を過ごしていましたが、あの頃の思い出はなんだか今思うと楽しかったなと思い出しました。
コロナで今は大変な時期ですが、この映画を観たらあの頃の清々しい気持ちに戻れた気がします。
今でも引き込まれてしまう
すっかり雪の季節になってきて、何だか久しぶりに観たくなりました。
これが長編映画第1作目だと言うから驚かされる。
今尚、岩井俊二監督の最高傑作なのではないだろうか。とにかくきれい。
作品全体を包む透明感が心地良く、美しい北海道の白さと音楽がすごいマッチしている。
またキャスティングも素晴らしいく、無垢な中山美穂に存在感の強いトヨエツとのバランスも良い。
二人がエアミスするカットも、何処かもどかしい感じがとても効果的でした。
少し突拍子も無いファンタジーのような物語りなのだけれど、どうしても引き込まれてしまうんですよね。
それと「お元気ですか」は今でも胸にきます。
ラストのエピソードも本当に可愛らしく、それは彼女だけの宝物なのでしょう。
素敵な、とても素敵な作品です。
瑞々しい
好きなんです。この作品。
何度見直したかわからない。
中山美穂の瑞々しさと、豊川悦司のネイティブ関西弁と。登場人物それぞれの想いが丁寧に描かれてるところ。本当に好きです。
特にラスト。若き、樹・男子が絵を遺す図書カードが「失われた時を求めて」第7巻って!! これって、誰にも見つからないところに想いをしたためたってことか! とんでもなく長大なこの小説の最終巻なんて。中学校の図書館で手に取る人なんていないだろう。
自分はこの小説、ダイジェスト版ですら挫折して読了できなかった。だからそこのところが、かなり沁み入るシーン。昔むかし、マリクレール日本版の月刊誌に連載されていたなぁ、このダイジェスト版。懐かしい。。
樹・女子が勤務する図書館のロケ地は、小樽の歴史的建造物?だそうで、観光できます。小樽、また旅行したいなぁ。
少女期の繊細で壊れやすい心情をそのままに映像化した日本映画の秀作
日本映画の新作を観て久し振りに満足した。人気タレントの中山美穂が対照的な性格の二役を演じるテレビ局制作の単なる商業映画と高を括っていたら、語り口がとても素直で心優しく映画的なのに嬉しくなってしまった。まず、タイトルバックがいい。何でもない冬山の白雪の上を主人公が歩いていくだけなのだが、これが唸るくらい良い。現在進行形で亡くなった男を愛する女性と、中学時代の過去から現在のエピソードを綴りながら自分が密かに愛されていたことに気付くまでの、とても繊細で壊れやすい青春期の淡い心情。しかも、その女の嫉妬と自慢の相反する女性的な深層心理を同時進行で描く脚本が深いし、演出も嫌味なく自然に流れて素晴らしい。これで豊川悦司演じる男の嫉妬と欲望が生活感豊かに描かれれば文句なしなのだが。制作のコンセプトには初めから入っていないのを承知でも、作家としての本当の命はそのバックグラウンドの充実にあると思う。他脇役も良く描かれているだけに実に勿体ない。
遥か遠い山の頂に向かって、主人公が(お元気ですか、私も元気です)と何度も叫び語り掛けるシーンの、何とも乙女チックで少女趣味の色合いが健気に見えるとは、己は確実に年を取りもう若くないと自覚させる映画でもあった。
1995年 11月13日
男性監督で少女期の心理を描くのは大変難しいと思われるが、この岩井俊二監督の繊細さは外国映画を含めても大変貴重な存在と思う。ジョージ・ロイ・ヒルやロベール・アンリコと挙げることはできるも、岩井監督の独特な繊細さは唯一無二の映画タッチを持っている。
【「失われた時を求めて・・・」 時空を超えた"Love Story" を”清涼且つ凛冽な世界観”で描き出した作品。】
ー 今作の内容は、巷間に流布していると思われるので割愛・・したいところだが、一言。ー
・前半パートは、久方振りに見返すと、”こんな感じだったかなあ・・”
・物語の設定は、秀逸である。
-過去、現在パートを行き来しつつ、”二人の藤井樹”を巡り、彼らと関係していた人々の姿を、重層的に描き出す。
特に、監督が拘った、藤井樹と関係した、現在と過去の二人の女性ー渡辺博子”(中山美穂)と”藤井樹”(中山美穂・・)ー との間で交わされる手紙の数々。
時代的な理由も有るだろうが、メールでもLineでもない、手紙での二人の遣り取りの詩的で、素敵なモノローグ。
・二人の藤井樹が図書委員だった頃の、出来事・・。
そして、数年後に露わになった”山で命を落とした藤井樹から、今でも元気に地元の図書館で司書として働く、藤井樹”に残されていた図書カードの裏に描かれていたメッセージ。
・”山で命を落とした藤井樹”の友人であり、岳人でもあったアキバ(豊川悦司)を始めとする、今でも、何らかの後悔を抱く人々の姿。
・アキバが、渡辺博子を傍らに、”藤井樹”が眠る、山に向かって叫ぶ言葉・・。
<学生であった初鑑賞時には、先鋭的な登山を終えたとはいえ、雪山で亡くした後輩の姿が”藤井樹”の姿と被ってしまい、涙を隠すことに困った作品。
(だって、当時、山で亡くなった人が物語に絡んでいるという情報は無かった・・筈。
でなければ、今作を観る筈はなかった筈である。)
数十年ぶりに鑑賞し、正直、前半は・・であったが、後半は矢張り、グッと来てしまった作品。>
<1995年 劇場にて鑑賞。詳細記録なし。>
<2020年12月 別媒体にて鑑賞>
美しく、感性に響く作品
25年ぶりに鑑賞。
初めて見たときは、博子が雪の中で叫ぶシーンに心揺さぶられ、トヨエツの茶化すような演技が邪魔に思えた。現実にこれをやったら気恥ずかしいのは承知の上。現実を写実的に炙り出すタイプの作品ではない。これは美しい小説を読み進めていくような気持ちを味わえる、ファンタジーなのだから、徹して欲しいと。
今回、相応のおばさんになり、トヨエツの演技もありと理解した。亡き人を思い続ける主人公と現実をつなぐ役として。現実を生き抜くには、ユーモアと、「茶化し」、デリカシーがなさそうに振る舞う(秋葉の包容力は誰にでも一目瞭然)ことも、時に必要なのだから。
婚約者が自分に一目惚れした理由が初恋の相手と似ていたからというのは、ほろ苦い、と25年前は思ったが、この苦味も博子が今後を生きていく上で必要な栄養と、今回知った。
婚約者に、自分の入り込めない時間ー自分以外の異性を思った時間ーがあった様に、自分もこれから、亡き婚約者には入り込めない時間を秋葉と重ねていく、それでいいんだと思わせる。
お互いに完璧に重なり合う人生は不可能。思い出を意識あるいは無意識に抱きながら、その時々、今を重ね合うことができる人に視線を戻すことを繰り返して、人は結局一人で生きていく。初恋の人の面影を足場に新たに人を愛することも、二度と会えない婚約者を思いつつ新たに人を愛することも程なく許容するほど、時は懐が深い。
壮大な物語ではなく、このくらいのささやかさが、繊細さを損なわず、心地いい。昔もいまも、大好きな映画。
男向けかな?
初見は随分昔。まだスワローティルも上映されて無い頃にレンタルで。
買っておいたBDで夕べ観たので鑑賞日に設定。
当時、身の回りで観た人間では男の方が好きなのが多かった記憶。主人公は女性で有るが、「女の恋は上書き」と言われるように、死んだ相手をいつまでも(死んでまだ二年だけど)思っているのは共感出来ないのかな?
情報一切無しで観た最初の方では、中山美穂が二役と言うのに気付かずに「?」となってしまった。どちらも雪が積もっているし、髪型も同じだし。髪型を変えるとか、分かりやすくしてくれても良かったかなとは思う。
まぁ、他の方のレビューに多い、酒井美紀→中山美穂?と言うのは同意。イメージと演技力的に中山美穂より和久井映見の方が良かったんじゃないかなぁと(まぁ、この作品の中山美穂は頑張ってたけど)
少し前に「ラストレター」を観たけど、岩井監督、若い頃に何か有ったんだろうなぁ。と思わざるをえない。
映像⭐️4 ストーリー⭐️2 ミポリン⭐️5😅
25年前の作品ですか。
ミポリン25歳。
有名なタイトルだが未鑑賞だったのでAmazonプライム・ビデオで鑑賞。
のっけから映像美に見入るが、展開がついてこない。
ん?ん?ん?と観続けてやっと追いつく。
なるほど二役なのか。
偶然の産物なのか。
そんなアホな、と。
何よりミポリンの絶頂期であろう。
映画にドンピシャの演技力、しかも二役分のキャラ分け。
とても毎度お騒がせしますかデビューとは思えない。
(あれはあれで好きなのだが😅)
意外にもショートヘアスタイルがググッとキターーー⤴️
話しとして、トヨエツが博子ちゃんをもらい受けると言うが、死んだ彼氏を忘れられない女なんて私は無理だわ。
絶対、節目節目でわだかまる。
そこは描いてないので、懐の深い藤井くんの友達と言う事でいいのでしょう。
複雑な気持ちになるよなぁ。博子としては。
初恋の人に似てたから私を選んだの?って分かったら。
とにかく、この年のミポリンを2時間超観てるだけで幸せな気持ちになれる映画でした。
昭和 と思ったら既に平成だった作品。平成は意外と長かった。
画面の美しさ、映像美。
それまで邦画では追究されなかった物だった。
それが岩井俊二という人を一躍有名にしたのだと思う。
雪の中を歩く 喪服姿の中山美穂。
女優とは これです。と思わせられる圧巻の目鼻立ち。
一人二役で進むストーリーに
中学時代の酒井美紀。
酒井美紀は嫌いじゃないし、白線流しの時の彼女はもうセーラー服着せたら右に出る者はないって程の人だと思っている。
けれど!
酒井美紀が大人になって中山美穂には ならんでしょ〜。
だから 中学時代に好きだった人に似ていたからなのかもしれない なーんて思うべきなんだろうけど ちょっとなあ、、ってなる。
図書カードの裏の似顔絵で
ああこの人だって後輩たちが思うわけないと思うと 全然グッと来ない。
若い時代を別の人が演じるのは 全然ありだけども
顔はこの場合結構重要だと思うのにな。
死んだ人間に何度も何度も 元気ですか〜って
あの時代なら あり得たのだったろうか。
今はもうアントニオ猪木しか浮かばない。
豊川悦司の役の男の人は
自分の親友の彼女を好きで、そのうち結婚もして幸せに暮らすのだろうけれど、
彼は余裕である。
いくら彼女が死んだ彼に思いを残していても、相手はもう死んでいるのだ。
だから いくらでもこの先 自分が彼女を包み込む事が出来るしそのうち彼自身の方が死んだ親友に勝る思いを彼女から得られる自信がある。
こういう懐の深い男を
最近 なかなか見ない。
関西弁のこの豊川さんに男の度量を見た映画だった。
昔見たような見なかったような
出だしは既視感あったけれど内容は全く記憶になかった。
Amazonプライムにて視聴。
遠い昔の記憶、それは記憶でなかったかも
過去に見たと思っていたけれど、いま見てみると、初見のような気がするような・・・
ノスタルジックで身近に感じる内容ながらも、かなり入り組んでいて、想像できそうで神懸かっているような創造性を感じるから、しばらくしたらまた忘れてしまいそうになるのかもしれない。
いま見て率直につまらなかった。なんでこの作品に惹かれていたのか、そう錯覚していたのか─
汚れないものを、中山美穂や酒井美紀などに感じ取ったためなのか、あり得ないほどのロマンチックなピュアな恋への憧憬なのか─
何度も見ていると、幻想的なストーリー中にかなり無理があるところや変に思うところを見いだしてしまって、神々しく見えていた作品は幾千万の星々の中にとけ込んでいく。吹雪の中、高齢者が病人を背負って何十分も走れきれるとは思えないし、そもそもの設定に疑問しか感じない。そうなってしまった自分自身にもなんだか苛立つし、キレイな作品だったけれど、いまはもう・・・といった感じ。
博子って残酷。
20年以上前に観たはずだったが、実はほとんど忘れていた・・・
誰の立場に立って観てしまうかで感想は変わってくると思うのですが、
秋葉(トヨエツ)が良かっただけに、博子(ミポリン)が嫌な女に見えてしまう。
今彼の前で、亡くなった彼を思い続けるって残酷過ぎないかしら?
思い出だけでなく、今もなお手紙を書くという行動まで起こしてる。
その上、それを今彼に報告までして…
今もそんなにも忘れられなく想いを残してるなら、一人で想い続けろよと。
・・・まぁ、人間そんなに強くないか、、、。
誰かに側にいて欲しいし支えて欲しいもんね。
でも、残酷だ。
まぁ、そんなことも全て引き受けてどこまでも穏やかに見守るトヨエツがあったかくていい。
ラストシーン、彼が亡くなった山から昇る朝日に向かって叫ぶシーンはグッとくる。
これで博子の想いが昇華し、秋葉だけを愛していくと信じたい。
愉しいことは共有しやすいが、哀しみは共有しずらいのだ・・・
死んでしまった人のことは早く忘れるに越したことはない。
それは周りを不幸にもするし、自分をも不幸にしてしまう。
人の哀しみは千差万別だからだ。
そう簡単には「あんたの気持ちはわかるが・・・・・」などと軽々しく口にすべきではない。中山美穂はどうでもいいが、豊悦は素晴らしいの一言。
寛大な気持ちも持ち合わせてはいないような間の抜けた風情を醸し出しながら底抜けに女を愛する男を見事に演じ切っていた。時々死んだ男に対して嫉妬するシーンには胸が詰まった。女は哀しみの最中にいる状況に酔いしれ我が身を憐れむだけ憐れむ存在であることを上手く演じることは紛れもない事実だったけれど、じめじめとしたリアルさには程遠い気がした。だから、安っぽい上っ面だけで生きて行けそうな女にしか見えない。
これは、監督の責任なんだろう。たぶん。
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