Love Letterのレビュー・感想・評価
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ミポリンファン必見!
「ビーバップハイスクール」以来のミポリンファンですが、本作は初見。一人二役で、アップシーンが多く、ミポリンファンとしては良い眼の保養です。映像占有率はかなりの高さでは。
トヨエツの登場シーンはトヨエツには見えませんでした。だんだん何時ものトヨエツ風貌になるのも見もの。映像も凝っていて、飽きません。これが初長編とは思えぬ手練れの技を感じます。最後の字幕は今回の再公開時に付けられたものでしょうか。私もミポリンに「お元気ですか〜」と叫びたいです🥲。因みに岩井監督さんと私は同じ学生寮の出身です。尤も私の退寮後に岩井さんが入寮するというすれ違いでした。岩井さんも早くに退寮されたようです。岩井さんの作品から感じられるナイーブさは、あの学生寮のガサツさには馴染めなかったのでしょう。
優しい記憶に映画が寄り添う喜びを感じられる作品
岩井俊二監督の1995年長編デビュー作、中山美穂を主演に2つの恋を描いたドラマ。4Kリマスター版リバイバル上映を鑑賞。
映画は、亡き恋人「樹」に対し、時間が止まってしまった一人の女性の手紙から始まる。帰ってこないとは知りつつも、止まってしまった時間に想いを届けたい一心で。そして、初恋の淡い記憶に登場する亡き恋人を知っているもう一人の「樹」。前半のミステリー要素から後半の初恋話を加速度的にテンポが上げていくところはまさに見事だ。
30年ぶりの鑑賞だが、映画同様、朧気だった記憶が少しずつ、そして一気に当時の記憶と映画の内容を思い出させてくれた。図書室の窓から入る柔らかいそよ風の中に溶け込む「樹」。優しい記憶とはこういうものではないだろうか。
1995年に十代二十代だった観客の方も結構いらっしゃるだろう。また新たにこの映画をご覧になられ、若い感性でとらえている今の十代二十代の方もいるだろう。映画同様、これまでも、これからも優しい記憶は私たちのそばにいる。そんな優しい記憶に映画が寄り添う喜びを感じられる作品だ。
いい思い出いっぱいもらった。こんな美しいフィルムまで。
「物語」としての純度の高さに感動する
何度もリバイバル上映されてきた作品であるが何故このタイミングでと考えてしまう。
もちろん封切りから30年の節目であり主演女優が亡くなったばかりということはあるが、フジテレビジョンの危機的状況の中で、TVコマーシャルをバンバン打っての再登場は、いかにもといった感じはする。常に他人のため、会社のために利用されてきた主演女優の短い人生を思うと亡くなってもなお、との感慨を抱かざるを得ない。
さて作品。一人二役が物語のベースになっている。普通、一人二役だと2人が出会ってしまったり、すれ違ったりするところがクライマックスシーンになることが多いが、この作品では小樽でのそのシーンは中盤に置かれている。
クライマックスに向かう後半部分は、博子からみた樹(M)への思いと、樹(F)からみた樹(M)の思い出が交互に現れ物語は進む。「思い」と「思い出」とわざわざ書いたとおり、この二筋のエピソード群は非対称である。博子のエピソードには樹(M)の実像は全く登場しない。片や、樹(F)のエピソードは中学校時代の樹(M)の記憶のシーンだけで構成される。
実は、博子は樹(F)が中学校時代、美少女であったことを卒業アルバムで見てしまっている。そして自分に似た彼女が樹(M)の初恋の相手ではないか、自分は彼女の代役ではないかという疑念を持っている。だから二人の藤井樹がとのような関係だったのかを事細かく知りたい。(おそらくは本人もあまり意識はしていないが)一方、樹(F)がまず思い出すのは同姓同名で迷惑を受けたこと、男の子らしく徹頭徹尾、無愛想な彼の姿だけである。
ところが、博子に請われて手紙を書くにつれ記憶が掘り起こされてくる。そして、映画のクライマックスの一つである貸出カードの裏に藤井(M)が描いた絵が発見されて届けられるシーンに行き着く。(本自体、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」であるところが印象的)
タイトルの「Love letter」は直接的には、最初に博子から樹に書いた「お元気ですか」の手紙を意味しているが、樹(M)が樹(F)の姿を描いたこのカードもラブレターであると思う。非対称のエピソードはここで見事に交差している。
長々と書いてしまったが、要するにこの作品の脚本は恐ろしいほどに技巧的である。ただ完成した映画作品が作り物の印象を全く受けないのは、もちろん手紙の交換というゆったりした設定であること、そして抑制的な演出のおかげであると思う。そして、出演者たちが脚本の意味合いや演出プランをよく理解し全力を尽くして表現を行ったからだろう。引き出されたのは人が人を想うときの精神的な純度の高さであり、それが純度の高い美しい物語に紡がれて今も我々の心に迫るのである。
岩井俊二は長篇デビュー作から岩井ワールド全開だった そしてそこには中山美穂
表現者の中には、自分の個人的な署名のようなものをその作品に滑り込ませるのに長けている人たちがいます。ポール•マッカートニーや吉田拓郎のつくった曲を聴いたオールド•ファンは、たとえ別の歌手が歌っていても「あ、これ、ポールだな」「あ、これ、拓郎だな」と懐かしさにも似た気持ちを抱きながら、たちどころにその個人的な署名に気づきます。雪の中を立ち上がった中山美穂は黒いコートについた雪をはらい、一面に降り積もった雪の中、丘を下ってゆきます。白の中、遠ざかってゆく黒ーーそんな、スクリーンで展開されるタイトルバックを見て、公開30周年記念再上映に詰めかけたオールド•ファンのあなたは長い息を吐きながら(ひょっとしたら目を潤ませながら)、思うのです。「あ、これ、岩井俊二だな」
物語は雪の中で行われた三回忌法要のシーンから始まります。かつてのフィアンセの墓の前で手を合わせる中山美穂が美しい。ここであなたは参列者の多くが関西アクセントで話しているのに気づきます。そこでふるまわれる甘酒。法要後の酒宴を嫌って仮病で抜け出した、(義母になるはずだった)加賀まりこを中山美穂が車で送ります。車には神戸ナンバー。「そうだ、神戸だったな」とあなたは思い出します。家に着くと、雛壇飾りが雛人形を並べていない状態で放置されています。加賀まりこの言い訳や先ほどの甘酒であなたは今日が雛祭りの日であることに気づきます。え、三月三日に三回忌。そんな日に神戸に降った珍しい雪。山で亡くなったフィアンセの卒業アルバムを開けば、そこにあるのは、神戸よりはるかに雪に縁があると思われる小樽という地名、そして、冬山の雪の中、すっくと立つ木々を思わせる「樹」という名。ここであなたは思わず呟いてしまうかもしれません。「あ、やっぱり、岩井俊二……」
そして物語は進み、あなたは技巧を凝らした美しい手品のような岩井マジックの世界に酔いしれてゆきます。思わず「私は元気です」とひとりごちて、こうして健康で映画館に通えることに感謝したりもします。
やがて、あなたに舞い降りていた映画の天使は翼を広げ、帰り支度を始めます。そして、あなたはちょっぴり潤んだ目を閉じ、序盤の法要のシーンであの人が亡きフィアンセに向かってそうしていたように、エンドロールの流れるスクリーンに向かって、両の手を胸の前でそっと合わせるのです。
合掌。
公開当時20歳くらいだったのだが観に行くタイミングを失い、リバイバ...
哀しきリバイバル
公開から三十年記念の公開とは言え、ファンからしたら舞台挨拶でまた素敵な姿を拝めるならまだしも、スクリーンの中でしか会えないなんて。
映画のラストでもう会えない人が自分を好きだったと知り、泣いているのか笑っているのかまさに絶妙な表情で見せるシーン。何度見ても泣いてしまうし、そこにかぶさるモノローグも最高。
素敵過ぎて、言葉にならない
第69回キネマ旬報日本映画ベスト・テン第3位。
Netflixで鑑賞。
言葉にならないくらい素敵な映画だ。珠玉の名作と云う言葉は本作のためにあるのだろうなと、誇張無しでそう思う。監督の瑞々しい感性に溢れた映像美が、人の繊細な想いを切り取って心を揺さぶる。ウォン・カーウァイ監督の映画に似ているなと思った。少なからず影響を受けているのかもしれない。
中山美穂の美しさに心を奪われた。昨年鬼籍に入られたことが信じられず、また残念でならないと改めて感じた。雪景色の中に立つ姿がなんとも儚げで、思わず守ってあげたいと云う衝動に駆られる。中山美穂のプロモーションビデオのようだ。
中山美穂が二役である必要があるのかとはじめは疑問に思っていたが、そのことが伏線として効いて来る展開が見事でハッとさせられた。答えがはっきり描かれないので想像力を掻き立てられ、様々な解釈を促すのがニクい。そして、切ない。
取り敢えず、小樽に行きたくなった。
美しい
中山美穂は永久にスターです。
2024年12月6日、中山美穂さんが逝去されました。突然の悲報であり、ニュース映像を見ているうちに涙が溢れてきた。この季節になると聴きたくなる名曲「遠い街のどこかで…」が切なく響いてきます。
「Love Letter」は随分昔に観ていたが、ちょうどこの映画の頃の中山美穂と同じ位の年齢のうちの娘が観てみたいと言うし、私もとても観たくなったので2人でNetflixの配信を鑑賞した。
もちろん娘は観た後も大絶賛で観れて良かった言ってくれた。有名な岩井俊二の出世作であり、
「青春18×2 君へと続く道」にも出てきた通り台湾でも有名だし、韓国でも大ヒットとなり、Kポップのグループが「お元気ですか〜」と挨拶するのはこの映画に対するオマージュなんだよ。とか色々教えてあげた。
30年前の映像とは思えないほど雪景色も街並みも全てが美しい。そして中山美穂は眩いほどに美しかった。中山美穂にとってもこの映画で人生が変わり女優として一皮も二皮も剥けたのだと思う。又中学生時代を演じた柏原崇と酒井美紀が爽やかにスクリーンの中にいて、藤井樹エピソードを紡いでいたのはとても良かった。この後が「白線流し」だったんだなぁとかも思い出した。
54歳、若すぎます。ご冥福を心よりお祈りいたします。
30年ぶりスクリーンで、、、
Love Letter
中山美穂さん可愛さ💓爆発
やっとわかった、(何回観て言うか?)
中学生の藤井樹という同姓同名の男女2名いた。
俳優は柏原崇さんと酒井美紀さん。
成長して男の藤井樹(柏原崇)は渡辺博子(中山美穂)と
婚約するが、山で遭難。
その三回忌法要から話が始まる。
豊原悦司さんが苦手でなぜ出て来るの?と思ってた。
光石研さん、わっかい❗️
加賀まりこさん美しい。
中学生の女子制服のスカート長い。
だけど、同姓同名を同じクラスにするのはあり得ない。
入学前に分けるし、必ず別のクラスにする、普通。
だから、作者のお話作りで当然エピソードも出て来ない。
図書室のは別。
ファンタジー❣️
柏原崇さん、イケメンやなぁ。
酒井美紀さんも可愛い🩷
自転車置き場の風景、懐かしいな。
自転車のペダル回して灯り点すとは!中坊やな。
中学生時代を思い出す作品。
風邪を拗らせた父が亡くなった藤井樹。
風邪は怖いです。
吹雪🌨️🥶、こんな時北海道はかなんなぁ。
北海道の山々、大自然という感じ、奈良のとまた違う。
お祖父ちゃん役篠原勝之さんだった。
❓どちらの中山美穂さんが好きか?と聞かれれば、
最初から藤井樹の方です🩷
藤井樹くんへ
なんだろ…言語かするのが凄く難しいくらい貴重なものに出会ったような気がする。
情緒とか追想とか追憶とか…色々あるけど、なんか心がほどけていくような感覚。
とても余白がある作品だった。
「青春18x2」って作品で、この作品を思い出した。そういや見てなかったなと。ヒロインであった女優さんの訃報もあったので追悼の意味も含めて見てみた。
岩井ワールドと言ってしまえば終わりだけれど、ラストのモノローグを聞くまで平行線の話だと思っていたのだけれど、いきなり交わってゾワッとする。
正直、まいった。
それまでの手紙達がいきなり眩く輝き始めたかのようだった。
あらすじは書けると思う。
亡くなった恋人を忘れられない女性
幼い恋に気づけなかった女性
前者は気持ちの整理をし、後者は眩い青春を振り返る。たぶんこんなとこだろうとは思う。
けれど、作品から受けた感想を言葉には出来ない。なんか言葉にし始めた時から、心の中から溢れてしまいそうな気がして、したくないと思う。
とても余白のある作品だった。
主演の中山美穂さんは2役を演じていて…
渡辺博子さんは、とても可憐な人だった。
藤井樹さんは、とてもキュートな人だった。
彼女の中学時代を含め、監督は女性を撮るのがめちゃくちゃ上手いなぁと感心する。
切り取られるフレームに、心情が投影されているようでもあった。
長編第1作目にしてコレか…。
凄まじい感性だなぁと思う。
編集が結構独特で…昔の流行りもあんのかもしれないけれど、結構細かいカットが不意に挿入されたりする。引き絵の感覚は今とそう変わらないのだけれど、この挿入されるカットがとても刹那的に思えてきて…「今」って言うと語弊があるのだけれど、生まれた瞬間に消えていくものを懸命に残そうとしているようにも感じてた。
全編通してノスタルジックな印象なのだけど、パンクな面もあって、監督のバランス感覚にも驚かされる。鈴木蘭々さんの役所なんかまさにソレだ。
中山美穂さんは、とても美しくてキュートで…故人を偲ぶつもりで見始めたのだけど、新たに恋に落ちそうな程、彼女の魅力が満載だった。
映画って時に残酷で時に優しいなぁと、そんな事を思う。
一人二役だったの!?映画NO1
プロットがスゴい
「青春18×2」を観てまた観たいなと思ってたところで、
中山美穂さんが亡くなられたと言うこともあり
約20年ぶりに観ました。
なんとなく藤井樹と中山美穂さんが重なり
お元気ですか?と聞きたくなるような
切なさがありました。
単純な手紙のやり取りから始まるのだけど、
どこに行き着くのか分からない作りは
少しミステリ小説を読んでるような気分になり、
中山美穂さんの一人二役にしたキャスティング、
出会えそうで出会わない2人、
2人の人生、
そうなるのか!と言うラストに
今観るとプロットがスゴいなと感じました。
女性の藤井樹のあのラストから
男性の藤井樹が実は亡くなってたと分かった時の物語も
勝手に想像して切なくなりました。
岩井俊二監督作は青春そのものです。
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