Love Letterのレビュー・感想・評価
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亡くなった恋人の事を「もっと知りたい、忘れられない」という気持ちは伝わってきたし、切なくなるのだが・・・・。残念
初めての鑑賞
高く評価されてる映画と知っていたが
以前、録画に失敗し、いまだに見ていなかった
主人公の渡辺博子(中山美穂)は登山中の事故で恋人の藤井樹を亡くしていた
2年後(3回忌?)の法要の日に樹の母から中学校の卒業アルバムを見せてもらい
樹が中学3年まで北海道の小樽に住んでいたことを知る
かつて住んでいたところは国道が通り、その住所は存在しない
博子は存在しない住所の樹へ手紙を出す
届くはずのない手紙と思っていたが、なぜか返事が届く
相手は同姓同名の中学の同級生、藤井樹(女)だった・・・
昭和時代に流行した、アイドルが主演する恋愛映画と思っていたが違っていた
博子と樹(女)は不思議な文通を始める
博子は樹(女)に
「自分の知らない、中学生の頃の樹(男)の事を教えて欲しい」
「彼の初恋の人はどんな人?」
「彼が走っていたグランドの写真を撮って欲しい」
と手紙を送る
本当に愛していたのだろう
良いストーリーだと思うし、切なくなる
でも時々現れる秋葉茂(豊川悦司)で、すべてぶち壊し
死んだ恋人を「忘れられない、もっと知りたい」一方で
秋葉の事を受け入れてる
映画の序盤で、藤井樹からの手紙がそこにあるのに、しっかりキスしてるシーンでがっかりした
この主人公は二人の男を同時に愛せるのか?
自分も男だが、秋葉の気持ちは理解できない
一緒に登山して、樹は事故で死に、自分は生きて帰ってきた
普通なら博子に合わせる顔が無いと思うのだが
「博子ちゃんは俺が貰った」って、ただのチャラ男ですか?
映画の後半では、中学時代の二人の樹に感情移入してしまった
秋葉は登場しない。または恋人を失った博子を支える「恋愛を超えた友人」という設定なら星4以上なのだが・・・
映画の中で、存在しないはずの住所について明らかになっていない
他のサイトのレビューやネタバレサイトでは
「かつての樹(男)の住所には、同姓同名の樹(女)が住んでいた」
という記述があるが
樹(男)本を返しに来たシーンを見るとすでに樹(女)はそこに住んでいるようだ
博子がアルバムで見つけた住所は、初めから樹(女)の住所だったと思う
でなければ物理的にあり得ない
「かわいく、難しく、眠く」
冒頭の40分に困惑
冒頭の雪景色の法事シーンがトリッキー。神戸なのか小樽なのか??? どういうこと? ダブルキャストに気ががつくまでしてやられた。
ミステリアスなスタート後がmオーソドックス。なるほど同姓同名かい。いまならもっとありがちかも。わが子たちの名も、今では男女ありになった。
中山美穂より酒井美紀が良かったな。それより、在りし日の范文雀が懐かしい。
再発見
タイトルなし(ネタバレ)
同姓同名漢字も同じ男女がいて、中山美穂は一人二役、さらにこれら男女の少女・少年時代も絡んできて、過去と現在を行き来するという入れ小細工のような造りの映画であるので話の理解は一見ややこしそうな感じもあるのだが、ああそういうことなのかとじんわり何かがこみ上げてくるようにわかってくる。わかってくる何か、それは女性が愛された理由と言ってしまえばあまりに短絡的すぎるかもしれないが、もう答えの得られようもない問いをかつての恋人の母親に吐露する中山美穂の心中は癒やしようのない悲しみに満ち、受け止める母加賀まりこもまた喪失の空虚を埋めようもない。「お元気ですか」と中山美穂は冬山に向かって何度も呼びかける。零下何十度の冬山で元気に暮らせるはずもないが、返信のあるはずのない手紙を書いてみようと思うほどまだ心の奥底に仄かなものを灯し続ける彼女の精一杯の叫びであるのだろう。あるはずのない返信を手にして謎解きに乗り出す中山と新しい恋人豊川。雪降る小樽の街での一瞬の邂逅。しかしそれは先代「君の名は」風に決して交わらない、交わってはいけない出会いなのだろう。映画には豊川を愛する弟子の女性、小樽の同姓同名の女性にアタックする郵便配達人、鈴木蘭々演じる中学時代のエピソードなども調味され、ことほどさように男女の愛・恋は成就しがたいものと言っておけばいいのだろうか。
叙情的描写と中山美穂が魅力!
冒頭の中山美穂が雪原から立ち上がり
建物に向かって歩く望遠描写の
優れたタイトルバックの始まりからして、
しっとりとした静かなムードが魅力
の作品だ。
展開を端的に言えば、
中学生時代に同じ名前がネックになって
想いを告げられなかった男性の樹が、その後
に彼女にそっくりな女性に会い恋をした、
との話の後日談的ストーリーだろうか。
中山美穂扮する二人の主人公は、
手紙のカラクリに映画序盤に気が付く展開
なので、岩井監督はそこにウエイトを
置いてはいなかった。
手紙の遣り取りで
二人の接した同じ男性の知り得なかった
過去と未来を補完し合うことにより、
お互いの彼への理解と二人の心の成長、
的なことに想いを寄せてもらうことを期待
した作品なのだろうか。
しかし、何かと不自然だったり、
私には理解出来ないエピソードが
やはり私の興を削ぐ結果をもたらした。
何故、学校が同姓同名者を
毎年同じクラスに在席させる不自然な設定に
したのだろうか?
クラス替えの無い小規模校設定に
すればいいだけなのだが。
少なくとも男の樹側の彼女への想いは深い、
それなのに何故、
転校後に連絡を取らなかったのか?
(もっとも、これが監督が伝えたい
少年少女期のデリケートな感性の一部
なのかも。
自分だったら出来たか、自信は無いが😅)
女性の樹の男性の樹への記憶が、
ストーリー展開上、
ほとんど記憶が無かったり、
逆に鮮明だったりと、
都合良く使い分け過ぎている。
また、女の樹の家族の風邪疫に
どんな意味があるのか、
また樹の祖父の強引な背負っての運びは
家族愛の範疇だと思うが、二人の主人公の
お互い及び彼への想いにどう関連付けたい
のか。
二人の“死”の共有と共感のため?
博子から女性の樹へのレター返却は
新しい恋人への切替の伏線なのか、
だとしたらラストシーンでの博子の叫びは、
むしろ、
男性の樹へ別れの意思表示だったのか?
等々、私には解らないことだらけだ。
過去2度の鑑賞記憶が薄かったのも
理解出来ない要素が多いためだったと
思うが、少し理解が進んだとは言え、
今回もまだモヤモヤ感が残ってしまい、
私には再度しっくりこないままの再鑑賞には
なってしまった。
ただ、前回よりは終始一貫した叙情感を
楽しめる優れた描写テクニックと
中山美穂の魅力の余韻に浸れる映画
にはなった。
ぶっきらぼうな恋、優しいピアノの音色
酒井美紀さんの無垢な眼差しに魅せられた。清楚な
セーラ服姿が魅力的でした。
主人公の恋人秋葉(豊川悦司)が、何処までも優しい。
図書室での映像がノスタルジックでいい。
本当に私の事が好きだったの?と問う博子(中山美穂)の心情、時空を超えて気付く互いの想いが切ない。
ざわめいた教室、大人びた雰囲気のクラスメイトの男子、そんな事を思い出しました。
NHK - BSを録画にて鑑賞
中山美穂を観る映画
一度では味わい尽くせない深さ
天国からのラブレター
中学生時代、よほどおませでなければ思春期真っ盛り、好きな人がいて胸ときめかせた思い出は誰にでもあるだろうから映画はそのきっかけづくりのようなもので、本当の物語は観た人それぞれの思い出の中にあるのだろう。それはまるで博子の手紙が樹に思い出させたのと同じレトリックである。
岩井監督は抒情的な雰囲気の表現がお得意のようだが観客心理を見透かしているかのような緻密さも併せ持った奇才なのでしょう。
樹が語る思い出は紛れもない初恋だったにも関わらず博子に促されるまで気づかないと言う設定に違和感があったのだが同時期に父親の死が重なったことで薄らいでしまったのだろうと推測させている。博子は自身が初恋の相手の面影として愛されていたのだろうと気づいて葛藤はあるものの秋葉と歩むことを選択した。それは山で死んだ藤井が樹を通して背中を押したようにも思える、まさに天国からのラブレターではないだろうか・・。
少女マンガのようでいて実に奥深いプロット、まさに岩井美学と称される真骨頂なのでしょう。
ただ、女性陣に比べて登場人物の男たちが癖の強い妙な人ばかり、あきらかに意図的に汚してコントラストを付けたかったのでしょうが頂けません。それにしても秋葉のように女心に寄り添える男というのは貴重な存在、強引さも併せ持つというのも現実的なのでしょうがさじ加減が微妙、豊悦の関西弁のセリフはえげつない。
個人的にはこういう作家性の強い作品は苦手なのですがBSでやっていたのでつい再鑑賞してしまいました。
ノスタルジックで美しいストーリー
学生時代にレンタルビデオ屋でバイトしていた事があり、その時にこの映画を知りました。
その時はこの映画に興味がなくスルーしていましたが、26年ぶりにテレビで観ました。
岩井俊二関連の作品は、ACRIと式日を見た事がありますが監督作品は初めて観ました。
映像美が静かでノスタルジックで良かったです。音楽も世界観とあっていました。
ストーリーは二重構造なっていて面白かったです。
中山美穂まだ若い頃で久々に綺麗な中山美穂を拝めて良かったです 。
映画の中に出てくる本がモチーフになっており、伏線の回収や辻褄合わせが見事でいい映画だと思います。
感動ポイントは、ラストシーンでのお元気ですか~と叫ぶところと、図書カードの裏に似顔絵が書いてあってそれが死んでしまった藤井樹(男)からのラブレターだったと知るところですね。
この映画のテーマでもある、「記憶と時間」「失われた時を求めて」がふとしたきっかけから失われて記憶がよみがえっていくという話です。
自分この映画ふとしたきっかけでたまたま見た事で、この26年間と当時の記憶が思い出しました。95年の自分は自分探しの真っ最中であてもなくさまよっていました。学校での勉強も途中で投げ出し、バイトしていて映画みたりゲームしたりしょうもない日々を過ごしていましたが、あの頃の思い出はなんだか今思うと楽しかったなと思い出しました。
コロナで今は大変な時期ですが、この映画を観たらあの頃の清々しい気持ちに戻れた気がします。
今でも引き込まれてしまう
すっかり雪の季節になってきて、何だか久しぶりに観たくなりました。
これが長編映画第1作目だと言うから驚かされる。
今尚、岩井俊二監督の最高傑作なのではないだろうか。とにかくきれい。
作品全体を包む透明感が心地良く、美しい北海道の白さと音楽がすごいマッチしている。
またキャスティングも素晴らしいく、無垢な中山美穂に存在感の強いトヨエツとのバランスも良い。
二人がエアミスするカットも、何処かもどかしい感じがとても効果的でした。
少し突拍子も無いファンタジーのような物語りなのだけれど、どうしても引き込まれてしまうんですよね。
それと「お元気ですか」は今でも胸にきます。
ラストのエピソードも本当に可愛らしく、それは彼女だけの宝物なのでしょう。
素敵な、とても素敵な作品です。
瑞々しい
好きなんです。この作品。
何度見直したかわからない。
中山美穂の瑞々しさと、豊川悦司のネイティブ関西弁と。登場人物それぞれの想いが丁寧に描かれてるところ。本当に好きです。
特にラスト。若き、樹・男子が絵を遺す図書カードが「失われた時を求めて」第7巻って!! これって、誰にも見つからないところに想いをしたためたってことか! とんでもなく長大なこの小説の最終巻なんて。中学校の図書館で手に取る人なんていないだろう。
自分はこの小説、ダイジェスト版ですら挫折して読了できなかった。だからそこのところが、かなり沁み入るシーン。昔むかし、マリクレール日本版の月刊誌に連載されていたなぁ、このダイジェスト版。懐かしい。。
樹・女子が勤務する図書館のロケ地は、小樽の歴史的建造物?だそうで、観光できます。小樽、また旅行したいなぁ。
少女期の繊細で壊れやすい心情をそのままに映像化した日本映画の秀作
日本映画の新作を観て久し振りに満足した。人気タレントの中山美穂が対照的な性格の二役を演じるテレビ局制作の単なる商業映画と高を括っていたら、語り口がとても素直で心優しく映画的なのに嬉しくなってしまった。まず、タイトルバックがいい。何でもない冬山の白雪の上を主人公が歩いていくだけなのだが、これが唸るくらい良い。現在進行形で亡くなった男を愛する女性と、中学時代の過去から現在のエピソードを綴りながら自分が密かに愛されていたことに気付くまでの、とても繊細で壊れやすい青春期の淡い心情。しかも、その女の嫉妬と自慢の相反する女性的な深層心理を同時進行で描く脚本が深いし、演出も嫌味なく自然に流れて素晴らしい。これで豊川悦司演じる男の嫉妬と欲望が生活感豊かに描かれれば文句なしなのだが。制作のコンセプトには初めから入っていないのを承知でも、作家としての本当の命はそのバックグラウンドの充実にあると思う。他脇役も良く描かれているだけに実に勿体ない。
遥か遠い山の頂に向かって、主人公が(お元気ですか、私も元気です)と何度も叫び語り掛けるシーンの、何とも乙女チックで少女趣味の色合いが健気に見えるとは、己は確実に年を取りもう若くないと自覚させる映画でもあった。
1995年 11月13日
男性監督で少女期の心理を描くのは大変難しいと思われるが、この岩井俊二監督の繊細さは外国映画を含めても大変貴重な存在と思う。ジョージ・ロイ・ヒルやロベール・アンリコと挙げることはできるも、岩井監督の独特な繊細さは唯一無二の映画タッチを持っている。
【「失われた時を求めて・・・」 時空を超えた"Love Story" を”清涼且つ凛冽な世界観”で描き出した作品。】
ー 今作の内容は、巷間に流布していると思われるので割愛・・したいところだが、一言。ー
・前半パートは、久方振りに見返すと、”こんな感じだったかなあ・・”
・物語の設定は、秀逸である。
-過去、現在パートを行き来しつつ、”二人の藤井樹”を巡り、彼らと関係していた人々の姿を、重層的に描き出す。
特に、監督が拘った、藤井樹と関係した、現在と過去の二人の女性ー渡辺博子”(中山美穂)と”藤井樹”(中山美穂・・)ー との間で交わされる手紙の数々。
時代的な理由も有るだろうが、メールでもLineでもない、手紙での二人の遣り取りの詩的で、素敵なモノローグ。
・二人の藤井樹が図書委員だった頃の、出来事・・。
そして、数年後に露わになった”山で命を落とした藤井樹から、今でも元気に地元の図書館で司書として働く、藤井樹”に残されていた図書カードの裏に描かれていたメッセージ。
・”山で命を落とした藤井樹”の友人であり、岳人でもあったアキバ(豊川悦司)を始めとする、今でも、何らかの後悔を抱く人々の姿。
・アキバが、渡辺博子を傍らに、”藤井樹”が眠る、山に向かって叫ぶ言葉・・。
<学生であった初鑑賞時には、先鋭的な登山を終えたとはいえ、雪山で亡くした後輩の姿が”藤井樹”の姿と被ってしまい、涙を隠すことに困った作品。
(だって、当時、山で亡くなった人が物語に絡んでいるという情報は無かった・・筈。
でなければ、今作を観る筈はなかった筈である。)
数十年ぶりに鑑賞し、正直、前半は・・であったが、後半は矢張り、グッと来てしまった作品。>
<1995年 劇場にて鑑賞。詳細記録なし。>
<2020年12月 別媒体にて鑑賞>
美しく、感性に響く作品
25年ぶりに鑑賞。
初めて見たときは、博子が雪の中で叫ぶシーンに心揺さぶられ、トヨエツの茶化すような演技が邪魔に思えた。現実にこれをやったら気恥ずかしいのは承知の上。現実を写実的に炙り出すタイプの作品ではない。これは美しい小説を読み進めていくような気持ちを味わえる、ファンタジーなのだから、徹して欲しいと。
今回、相応のおばさんになり、トヨエツの演技もありと理解した。亡き人を思い続ける主人公と現実をつなぐ役として。現実を生き抜くには、ユーモアと、「茶化し」、デリカシーがなさそうに振る舞う(秋葉の包容力は誰にでも一目瞭然)ことも、時に必要なのだから。
婚約者が自分に一目惚れした理由が初恋の相手と似ていたからというのは、ほろ苦い、と25年前は思ったが、この苦味も博子が今後を生きていく上で必要な栄養と、今回知った。
婚約者に、自分の入り込めない時間ー自分以外の異性を思った時間ーがあった様に、自分もこれから、亡き婚約者には入り込めない時間を秋葉と重ねていく、それでいいんだと思わせる。
お互いに完璧に重なり合う人生は不可能。思い出を意識あるいは無意識に抱きながら、その時々、今を重ね合うことができる人に視線を戻すことを繰り返して、人は結局一人で生きていく。初恋の人の面影を足場に新たに人を愛することも、二度と会えない婚約者を思いつつ新たに人を愛することも程なく許容するほど、時は懐が深い。
壮大な物語ではなく、このくらいのささやかさが、繊細さを損なわず、心地いい。昔もいまも、大好きな映画。
男向けかな?
初見は随分昔。まだスワローティルも上映されて無い頃にレンタルで。
買っておいたBDで夕べ観たので鑑賞日に設定。
当時、身の回りで観た人間では男の方が好きなのが多かった記憶。主人公は女性で有るが、「女の恋は上書き」と言われるように、死んだ相手をいつまでも(死んでまだ二年だけど)思っているのは共感出来ないのかな?
情報一切無しで観た最初の方では、中山美穂が二役と言うのに気付かずに「?」となってしまった。どちらも雪が積もっているし、髪型も同じだし。髪型を変えるとか、分かりやすくしてくれても良かったかなとは思う。
まぁ、他の方のレビューに多い、酒井美紀→中山美穂?と言うのは同意。イメージと演技力的に中山美穂より和久井映見の方が良かったんじゃないかなぁと(まぁ、この作品の中山美穂は頑張ってたけど)
少し前に「ラストレター」を観たけど、岩井監督、若い頃に何か有ったんだろうなぁ。と思わざるをえない。
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