Love Letterのレビュー・感想・評価
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まだ元気じゃないです。
15歳の彼女は真っ黒に日焼けして野性的な眼をしたとにかく気の強そうな女の子。
美貌はすでに完成されていてとても15歳には見えなかったけど、歯並びを気にしながら笑う表情はあどけなかった。
思えばこんな青春も知らず、スターへの階段を駆け上がるだけの日々。
過労で入院なんてニュースも数知れず。
僕達ファンの為にありがとうミポリン!なんて言いそうになるけど、自分だってこんな青春なかったし、嫌な思い出しかない学生時代が蘇って気分が悪くなりそうでした。
そんな悲惨な毎日を一瞬だけ忘れさせてくれたのが、テレビの中で、キラキラと歌い踊るアイドル達だった。
アイドルが青春の伴走者でいてくれた時代の子供で本当に良かったと思う。
ありがとうミポリン。
お元気ですか?
涙が、出まして、感動しました。
30年の年月の重味を噛み締める
上映当時は今ほど映画館に行くことも少なく、評判を聞いた後に video を借りて観ました。このとき僕はすでに30代後半のおじさん(今は30代は若造だとおもってます😉)になっていましたが酷く感動して映画館で観たかったなと思ったものです。そして再上映ということを知り早速映画館に足を運びました。60代の僕にこの美しい恋愛映画が果たして刺さるのか。この辺りにも興味がありました。
僕は映画を見てるときって、読書に比べるとそこまで集中していなくていろいろなことを考えながら観てます。主に自分のことですけどね。映画を見ている間30年の重味をずっと考えていました。「主人公のこの若い美しい中山美穂も亡くなったんだな」とか。自分の身にも当然いろいろなことがありました。辛いことの方が多かったな。映画の中の樹(柏原崇の方)みたいに学生時代に可
愛いなと思っていた娘に似ている女性と結婚(再婚です)したり、なんてこともあります。自分の中学生時代のことも当然思い出します。僕は奥手だったので恋愛なんて影も形もありませんでしたが、今になってみると「そういうことだったのか」ということが、いくつか思い出されたりもします。これ、結構いい気分になれます、妄想かも知れませんが。結局僕にとって映画って自分を見つめたり、場合によっては自分を肯定するための道具なんだなと、つくづくそう思い至りました。(だから映画は止められない)
美しい映画です。小樽の風景も(この30年の間に亡くなった父の生まれ故郷です)懐かしく、すべてが沁みます。観に行って良かった。最後のシーンは"にやり"と"うるうる"です。
拝啓ミポリン様
お元気ですか?私は元気です。数年ぶりに会った友人と今日映画館に素敵な映画を観に行きました。スマホもメールもLINEもなく各家庭に黒電話が1台設置されていてJASの飛行機が飛んでいる古き良き時代の映画でした。私の子供時代の憧れのあなたがその映画には主演されていました。決して派手!さもなくCから始まる恋のバラードでもなくWAKUWAKUさせる爆薬をしかけることもなくビー・バップハイスクールとは真逆のストーリーでした。2人の男性へ気持ちは50/50かと思いましたが違いましたね。でもトヨエツはJINGI男らしい人ですね。トオル君、ヒロシ君とも違いますよね。この映画が誕生して30年後の春の季節に観ることができて幸せです。いつまでもYou're my only shining star。作品の中で生き続けて輝き続けて下さいね。小学生の頃あなたの下敷き、プロマイド写真、ポスター、カセットテープ買ってた大ファンからのLove Letterでした💌
ラストシーンに向けた積み上げが最高
ちょうど30年前、1995年に初公開された名作。今回公開30周年を記念して4Kリマスターでリバイバル上映されることになり、観に行きました。私が初めて本作を観たのはごく最近の話で、昨年5月に公開された日台合作の「青春18×2 君へと続く道」の元ネタであることを知り、本作を観るためにU-NEXTの契約をして観たので、当然劇場で鑑賞したのは今回が初めてとなりました。
そんな訳で、ストーリーが分かった上での鑑賞となりましたが、劇場で集中して観ることが出来たこともあり、もう一度目頭を熱くすることに。「青春18×2 君へと続く道」もそうですが、過去と現在を行き来しながら、切ない恋心を表現する1人2役の中山美穂の演技はもちろん、本作が長編デビューとなった岩井監督の脚本や演出も流石の一言でした。
特にラストは秀逸で、中学校の図書委員の後輩たちが、藤井樹(中山美穂)の自宅を不意に訪問し、プルースト「失われた時を求めて」の本を持って来て、その図書カードの裏に樹(柏原崇)が書いた樹(中山美穂)の似顔絵が書かれているのを見つけるシーンは、今思い出しても涙が出そうになるほど非常に印象的なシーンでした。このシーン、2人の藤井樹が中学時代に共に図書委員だったこと、藤井樹(柏原崇)は絵が上手かったこと、樹(柏原崇)が樹(中山美穂)に「失われた時を求めて」の返却を頼んだのが、2人の樹が最後に会った場面だったこと、大人になった樹が中学校を訪れて当時の先生に再会し、さらには図書委員の後輩たちにも会ったこと、その時に図書カードに書かれた「藤井樹」という名前が後輩たちの間で話題になっていたことなどなど、それまでに展開された場面を一気に思い起こさせる完璧なラストシーンであり、本当に最高でした。
勿論樹(中山美穂)が、樹(柏原崇)の遭難した山(撮影は八ヶ岳山麓で行われたらしい)に向かって「お元気ですか~、私は元気です」って言ってる有名な場面も良かったんですが、このシーンすらもラストの盛り上がりに向けた布石のように思えてしまうほどでした。
俳優陣に関しては、中山美穂がパーフェクトな活躍を見せており、昨年突然亡くなられたことが本当に残念でなりません。豊川悦司は、2.5枚目を演じていて、最近のハリソン山中(「地面師たち」)のような気色悪い演技ではなく、ある意味非常に新鮮でした。あと、樹(中山美穂)の祖父を演じたクマさんこと篠原勝之の熱演も印象的でした。
そんな訳で、本作の評価は★4.8とします。
緻密に構成された物語
まず、中山美穂さんが演じる渡辺博子と藤井樹、どちらも非常に魅力的で感動しました。渡辺博子の「お元気ですかー」という台詞には胸を打たれましたし、藤井樹が最後に見せる、嬉しさと照れが入り混じった表情もとても印象的でした。
豊川悦司さんも、巧みに関西弁を操り、一見デリカシーがないようでいて、実は誰よりも深く渡辺博子を愛しているというキャラクターを見事に演じていました。特に「もう、怖い」という台詞には、心に刺さるものがありました。
物語もよく練られていて、非常に緻密な構成だと感じました。渡辺博子から藤井樹へのラブレターで始まった物語が、さまざまなエピソードを経て、藤井樹から藤井樹へのラブレターで締めくくられる展開には、深い感動がありました。
ただ、出演されていた俳優の中には、すでに故人となられた方もいて、鑑賞しながら少し寂しい気持ちにもなりました。心よりご冥福をお祈りいたします。
love letterとリングは手のつけられない偉大さがある
これがいきなり出てきた当時の衝撃を思う。日本はおろか、アジア各地(特に韓国)にこの影響は及んだだろう。公開当時は全部英語表記ひっくるめて、編集ひっくるめて気取ってる感も強く感じながら抵抗しつつも泣いているというわけのわからない感情もあったけど、撮影、音楽、美術、衣装、脚本引っくるめてやっぱり素晴らしい。新しいカルチャーからの映画が出てきた感じを改めて感じた。
久々にみて、中山美穂というか、特に豊川悦司はやっぱりかっこいいし、高校生のふたりの物言わぬ新鮮な瞳の破壊力。公開時、どちらかというえば年齢的にそちら側に近かった自分が、今やその大人たちより大幅に歳を取って、二重の意味で過去の扉を開いていく感覚。図書館というタイムカプセルに封じ込められたlove letterのあと軽やかにエンドロールが始まる美しさ。何度も涙が出てくる。
途中の小樽ですれ違うふたりの「藤井樹」など結構チャレンジもたくさんしている。もはやそこにいない人のドラマ(思い)でここまでやれるのか。今思ってもこのサントラはとてもいい。
そんな当時の日本映画にないものを大量に持ち込んだ岩井俊二は偉大だった。
フジテレビの映画では、この『love letter』と『リング』という恋愛とホラーの金字塔かあるのが『踊る大捜査線』より凄いなあと思うところ
どーしてこの映画が、こんなに好きなんだろ!ってくらいに好き
似顔絵デッサンの「告白」、なんてのが許されるのはイケメンだけですから。何ら特別な感情を持ってない男子から、そんな事されても「キモッ!」ってなるのがオチだってw
で、ですよ。ラストショットですよ。
皆様の記憶に残り続けるであろう、中山美穂さんの最高の演技ですよ。
図書カード裏のデッサンには、樹(24)への樹(9)の想いが溢れていました。
思わず笑みが溢れ、目を潤ます樹(24)。
博子への手紙は樹(24)の回想の旅。
その旅が教えてくれた、あの頃の本心。
幼かった頃は気づけなかった「恋」が、今、目の前にある。
手元にある。
時を経て戻ってきた、「訳の分からない」本を抱きしめ。
もの言わぬ樹(9)に、鼓動を伝える樹(24)の胸に拡がる暖かさと切なさ。
お元気ですか?
私は元気です。
これですよ。
この物語の透明感や切なさ、あったかさと爽やかさの、ほぼ全ては、このラストショットによって決定づけらてますもん。
って思ってます。
ラブレターを貰えなかった博子と、貰っていたことに気づかなかった樹の二役を演じきった中山美穂さんの、ご冥福を、こころより祈りつつ。
良かった。
とっても。
岩井俊二監督の長編デビュー作
公開30周年&中山美穂さんの追悼興行という事で行ってきました。
何度も観た作品ではあるが、こうして大きなスクリーンで観るとまた違っていいものである。
この物語は婚約者を冬山の遭難事故で亡くした主人公「渡辺博子」と、二人の「藤井樹」が織りなす不思議な物語である。
当時大人気であった中山美穂の一人二役という事で、よくある興行成績を伸ばすための人気歌手起用だと、当時は斜に構えていたところがあった。
しかし世間の評判は上々。諸外国でもヒットを飛ばしたのは皆様も知る通り。
とにかくこの映画はそれぞれの出演者の魅力あふれる作品になっている。
若かりし中山さんの美貌はもちろんですが、性格の異なる二人の女性を演じ分け、「女優・中山美穂」の魅力がふんだんに出されているなと感じられるのである。
昨今の邦画と言えばアイドルや芸人などを多数起用し、出演者人気を頼りに興行収入を得ようとする動きが多い。
この作品も当時はそう思われていたことと思うが、その評判を払しょくするほどの上質の映画となったのは、良く練られた脚本と劇場初挑戦ながら手腕を発揮した岩井俊二さんの力に他ならないだろう。
最近はビデオオンデマンドが盛んで、映画など配信されてから見れば十分という人が増えているようだ。確かにそれも良いだろう。
しかし午前10時の映画祭もそうだが、こういった懐かしくも上質な作品を劇場で見ることの良さ、複数の人間と同じ空間を共有するという事、大画面で見ることの意味というのを改めて感じられたし、これらはテレビやスマホ、言ってみれば家庭用プロジェクターで見るのとも異なる感動があると改めて感じたし、映画産業がこれからも発展していって欲しいと切に願うのだった。
おまけですが、本編最後に英文で追悼メッセージが流れました。
多分作風的に英文が良いのだろうと判断したのでしょうが、字幕もでなかったので解らない人も居たのではないでしょうか。
追悼文は日本語との併記で良かったんじゃないかと思いました…。
前略、雪の上より
今更ながら、リバイバルにて初鑑賞。
オープニングクレジットのためだけの無意味な、でも綺麗で印象的な長回しから始まる本作。
長編デビュー作でも、もう既に岩井俊二だなぁ。
しかし、導入部では背景や人物の相関などがビミョーに分かりづらく、少々眠気が…
中山美穂の二役も混乱の原因になりそうだが、意外とそこはそうでもない。
髪型や服装だけでなく、博子の方が声が細いなど“そっくりな別人”として上手く描き分けてたと思う。
ハッキリ言うと雰囲気映画ではある。
あれだけ手紙でやり取りするくらいなら、直接小樽に行って話を聞いたり思い出の場所を案内してもらえよ。
同姓同名を3年連続で同じクラスにするか?
追悼登山はいいが、山に登る服装じゃないし、せめて雪が解けてからにしなさい。
…などといった、脚本や画作りのための作為は感じる。
卒アルから博子が拾った住所が女性の方の樹のものというのも、後になって気付いたが説明不足にも思う。
博子と樹の個別エピソードが有機的に絡んではいない。
それでも「お元気ですか」のシーンをはじめとして、本当に雰囲気がいいのだから参ってしまう。
博子の話だと思っていたら着地は樹(女)だし、総合的に見たら樹(男)の話だったような。
というか、オチがアレな上に樹(男)から博子への愛情を感じる話が無いので、ちょっとモヤる。
秋葉との関係など、余白はもう少し埋めてほしかった。
そして中学のクラスメイトたちは普通にクズ。
他にも思うところはあれど、何故かいい映画を観た気分になれてしまうし、中山美穂が本当に可愛くて綺麗でした。
ちょいちょい笑えるシーンはあったが、個人的に終盤の花瓶さんの「解せぬ…」がツボ。
みずみずしく透明
中山美穂さんの透明感に見入ってしまった。もちろんストーリーも素晴らしく、その謎に引き込まれた。ラブレター、スマホ頼みの現在ではなかなか実際に書く人はいないかもしれない。その手紙を書くという行為が、そのまま相手への想いの強さだろう。
タイトルの「Love Letter」この世とあの世をつなぐ手紙、今と今をつなぐ手紙、見知らぬ人と私をつなぐ手紙、そして最後は過去と今とをつなぐ手紙であった。
出てくる人みんなが善い人。雪のように真っ白な純粋さ。それだけにそれぞれの抱える苦しみがきわだつ。
隅々まで瑞々しさが行き届く
まだ54歳の若さで先だって亡くなった中山美穂さん追悼なのか、公開から30周年の記念なのか、岩井俊二監督のデビュー作にして、日本のみならずアジアの国々で広く支持された本作が劇場リバイバル上映です。本作は、やはり劇場で観なくてはと思う人が多いのか、客席は予想を超える入りでした。中高年の人が多かったのは少し残念ですが。
パラレルワールドやタイムリープで話を無理にこしらえずとも、主人公が不治の病に罹患せずとも、こんなにも繊細で瑞々しい物語を紡ぎ出す事ができるのだと改めて感じ入りました。中山美穂さんが素晴らしかったのは勿論ですが、まだ十代の酒井美紀さんの若い輝きにドキドキしたなぁ。 鈴木蘭々さんのぶっ飛び具合も、今は亡き范文雀の姿もみんなみんな懐かしかったです。そして何より、岩井俊二監督の細かな点にまで気を配った物語と映像が素晴らしい。物語にドキドキしながらも、「うまいなぁ」と呟きそうになりました。そして、 本作を観終えた還暦過ぎの我が家の老夫婦は期せずして「お元気ですかぁ~」と声を掛け合ってしまったのでした。
それにしても現在ならば、手紙は eメールになっているし、名前が分かればSNSを駆使して本人が突き止められるし、住所が分かればGoogle で家の外観まで分かってしまうし、図書カードはバーコードになり・・と本作は成立し得ません。便利になったけど不自由になったんだな。
30年ぶりで歳とってからみると食らう
ある映画を観て、観たいと思っていたI had seen a certain movie before and had always wanted to watch it properly
台湾と日本の合同の映画
「青春18×2 君へと続く道」の劇中で
主人公の二人が観ていて、
いつか観たいなと思っていた。
そんな中、劇場での4K公開があって
願ってもないということで観てきた。
監督が撮りたい画と
当時の機材の限界が随所に見えて
ところどころで酔いそうになった。
メールもSNSもスマホも
携帯電話ですら普及していなかった時代。
全てがゆっくりで、
返事を待つ間のドラマが成立していた。
日本の映画の画作りが
この映画を起点にガラリと変わったんだなと
改めて感じた。
中山美穂さんが限りなく美しかった。
映画館で観ることができて
本当に良かった。
It’s a Taiwanese-Japanese co-produced film called ‘My Missing Valentine’ (Seishun 18×2: The Road to You), and in the story, the two main characters watch this film. That made me want to see it someday.
Then, there was a special 4K screening at a theater—an opportunity I couldn’t pass up, so I went to see it.
You could clearly see both the shots the director wanted to capture and the limitations of the equipment at the time, and some scenes even made me feel a bit dizzy.
It was an era when email, social media, smartphones, and even mobile phones weren’t widely used. Everything moved slowly, and stories unfolded during the time spent waiting for a reply.
I realized again how this film marked a turning point in Japanese cinematography and changed how films were visually crafted.
Miho Nakayama was indescribably beautiful.
I’m truly glad I got to see it in a movie theater.
30年ぶり
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