「前略、雪の上より」Love Letter uzさんの映画レビュー(感想・評価)
前略、雪の上より
クリックして本文を読む
今更ながら、リバイバルにて初鑑賞。
オープニングクレジットのためだけの無意味な、でも綺麗で印象的な長回しから始まる本作。
長編デビュー作でも、もう既に岩井俊二だなぁ。
しかし、導入部では背景や人物の相関などがビミョーに分かりづらく、少々眠気が…
中山美穂の二役も混乱の原因になりそうだが、意外とそこはそうでもない。
髪型や服装だけでなく、博子の方が声が細いなど“そっくりな別人”として上手く描き分けてたと思う。
ハッキリ言うと雰囲気映画ではある。
あれだけ手紙でやり取りするくらいなら、直接小樽に行って話を聞いたり思い出の場所を案内してもらえよ。
同姓同名を3年連続で同じクラスにするか?
追悼登山はいいが、山に登る服装じゃないし、せめて雪が解けてからにしなさい。
…などといった、脚本や画作りのための作為は感じる。
卒アルから博子が拾った住所が女性の方の樹のものというのも、後になって気付いたが説明不足にも思う。
博子と樹の個別エピソードが有機的に絡んではいない。
それでも「お元気ですか」のシーンをはじめとして、本当に雰囲気がいいのだから参ってしまう。
博子の話だと思っていたら着地は樹(女)だし、総合的に見たら樹(男)の話だったような。
というか、オチがアレな上に樹(男)から博子への愛情を感じる話が無いので、ちょっとモヤる。
秋葉との関係など、余白はもう少し埋めてほしかった。
そして中学のクラスメイトたちは普通にクズ。
他にも思うところはあれど、何故かいい映画を観た気分になれてしまうし、中山美穂が本当に可愛くて綺麗でした。
ちょいちょい笑えるシーンはあったが、個人的に終盤の花瓶さんの「解せぬ…」がツボ。
コメントする