ラスベガスをやっつけろのレビュー・感想・評価
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泥酔してやらかした次の日に見たい映画。
◯作品全体
仕事で疲れちゃったりつまんねえ飲み会で飲まないとやってらんなくって、それで泥酔しちゃって周りに迷惑かけちゃったり、周りはそんなに迷惑がってないんだけど「あぁ自分暴走してるなぁ」ってなってる酒の席ってたまにあるじゃないですか。頻度は違えど。そういうときに急に冷静になって電車に乗ろうとしたり財布から小銭を出したりするときに「俺は電車に乗るぞ…まず改札を通るからスイカ出して…」とかアホみたいに慎重になるときがあると思うんだけど、あの最低に迷惑で最高に研ぎ澄まされていて絶望的に滑稽な瞬間を、本作はすごく上手に映し出してる。
やってることはドラッグだし映画だから誇張はあれど、みっともなさの描写はリアリティがあった。例えば冒頭のドライブシーンで若者ヒッチハイカーを乗せたとき、デュークがモノローグなんだかダイアログなんだかわかんなくなるときがあったけど、あの頭の中と外が溶け合ってしまってるような感じとか、泥酔しているとたまにある。
あとはホテルのロビーでチェックインするところとか、サーカスのゲートを通るところ。頭の中で「大丈夫だ、名前と職業を言えばいい…」とか「ゲートをくぐって2ドル払えばいいだけだ…」とか頭の中で唱えるデュークと、その冷静さからはかけ離れたゾンビみたいな歩き方とかろれつの回ってない話し方は最高にみっともなくて笑えた。
でも笑える反面、ここまでとは言わないけど自分にも心当たりがあるわけで。タクシーの中で「今寝たらどこに行くかわかんないぞ…あの建物が見えたら止めてくださいって言うんだぞ…」とか唱えながら酔っぱらい特有の挙動不審な動きをしたりしちゃってる。あの滑稽さを突きつけられている感じがして恥ずかしいんだけど、それを笑いに変えてくれる本作は素晴らしいな、と思った。
やっぱり飲み過ぎちゃうと周りの人にも迷惑かけてたりするわけで、次の日に二日酔いになりながら自己嫌悪するときもある。あんなことしといて週明け職場で顔合わせんのか…行きたくないな…ってなったりとか。
そんなモヤモヤを滑稽さによって吹き飛ばしてくれるところに他作品にない良さがあると思う。そしてラストシーンのデュークのセリフと、どこまでも伸びる砂漠の一本道に小さな後悔を前向きにしてくれる力があった。
「フリークの国のフリークの一人に戻る」。
どんだけやらかしても、やらかさないとやってられない世界に戻るだけなんだから、それでいいんだ。
二日酔いの最中だと映像的にキツイから、それが収まってから見ると心の二日酔いに効能がある作品だ。
◯カメラワークとか
・キマってるシーンとかはもっとごちゃごちゃしたカメラワークにするのかな、と思ったけど、色と特殊メイクで攻めていた。なんかもっとサイケデリックでも良かった気がする。
◯その他
・薬から醒めてホテルで一息つくときにデュークが言った「ベガスの丘を登り西を向くと 思い出の向こうに波が寄せて返したあとが見える 波が砕けて何事もなかったかのように 静かになった街が」っていうセリフがとても良かった。
・ここまでリアルで汚いゲロが映されている作品が思い当たらない。便器から外れた破片とかあるのも最悪だった。でもこれ以上の作品を別に知りたくもない。
・音楽が本当によかった。どれもシーンにドンピシャというよりか少しハズした感じがまた良かった。
・最近泥酔してやらかしてないので、評価は星3つです。
なんとなく感じましたのは…
ラストの切なさ
劇中、ドラッグキメてギッタンバッタン
ストーリーはあってないようなもの
ヒッピーだとか
サイケデリックだとか
ラブ&ピースだとか
世界の不穏さを
カウンターで変えようとした
または、出来ると信じた世代
僕なんかからすれば
その時代の
カルチャーや
アートや
小説や
ファッションが
カッコよくて、豊かだと感じて
憧れてしまう時代
羨ましく見てしまう時代
良いとこしか見ようとしてないかもだけど
映画は1971年が舞台
そのカルチャーの終焉が近づいている頃…なのかな?
映画のラスト
なんか…
もう、こんなお祭り騒ぎをしなさそうな
時代が許してくれなさそうな予感とともに
デュークの運転する車が
画面の向こうに消えていく…
お祭りの帰り道とか
行楽からの帰り道に似た
切なくもさみしい気持ちを思い出した
だって、その後
お金持ちが豊かで
モノに溢れて
消費こそ美徳とされる時代が
訪れるのを知っているもの
昔もっと心が狭くてめんどくさいアレだった時は
「ジョニー・デップファンだと? 貴様当然これを最後まで観てから言っているのだろうな! フン、にわかパンピーめが」というような感じでして申し訳ありません。
今はデップへの興味がなくなったこともあって「ジョニー・デップ?私も昔は好きでしたねえ。さすがに『ラスベガスをやっつけろ』は気をてらいすぎだと思いますが。え、『ギルバート・グレイプ』観ていない? あらあらまあまあそれファンじゃねえからよ、今すぐ配信契約して観ろや、オラ」くらいには丸くなったと思います。
映画脳コワイ。
劇場公開時鑑賞。オクスリキメタ2人の珍道中は正直どう捉えていいのか途方にくれました。ある意味衝撃のラストとか。後で相方がデルトロさんだったことに気づいてびっくりしました。
コミカルなジョニーデップ
酔ったときの鑑賞はおすすめできない
主演の3人・・・さっぱりわからない(笑)。目が慣れてくるとようやくわかる。それにしても頭頂部が禿げ上がってるジョニデというのもなんだか・・・
とにかくラリラリ。ドラッグの症状というのはこんなものなのかという幻覚映像のオンパレード。バイクレースを取材するという建前はどうなったんだ。と、ベトナム戦争の映像がテレビで流れ、ニクソンの顔に脅かされるような映像もあった。
アメリカンドリームを追い求め、ベトナム戦争以外で人生を見出そうとしていた二人。結局最後までジャンキーになる様子を描いていたけど、ほんとに酔ってしまいそうな感覚に・・・
キャメロン・ディアス、クリスティナ・リッチ、エレン・バーキンと新旧有名俳優を使ったのも贅沢だったけど、70年代のニューシネマにはなぜか時代がついていかないもどかしさ。
ギリアムとデップ
頭をイカせる映画体験!
ただ2人がかっこいい…
若かりしジョニー・デップが出演しているので鑑賞したが、単純に2人がかっこよかった。
ドラッグ漬けで何もかもがメチャクチャな2人が、ラスベガスでどうしようもない時間を過ごすというもの。
ジョニー・デップとベニチオ・デル・トロのファッションや、サイケデリックな雰囲気がかっこよく見えるのが見どころ。それと同時に流れる"Jumpin Jack Flash"などの音楽も良かった。
ドラッグ映画が好きな方には向いているかもしれない。
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