「真に映画的快楽を追求した作品」ラストエンペラー WEEKENDさんの映画レビュー(感想・評価)
真に映画的快楽を追求した作品
これまで何度も見返して来たが、改めて劇場の大きなスクリーンで見直す。ベルトルッチの監督作としては、個人的に「暗殺の森」や「1900年」を偏愛しているが、本作はそれらをより洗練させた集大成的な作品となっているように思う。語りの効率化として回想形式が導入され、ラストエンペラー・溥儀の壁の中に幽閉され、その中でしか生きられなくなった人間の切なさが壮麗かつコンパクトに描かれる。ベルトルッチの演出、ストラーロの撮影、坂本龍一の音楽、そして役者陣(特に溥儀の子役2人目、そしてジョアン・チェンが素晴らしい!)、それら含めた全ての面で映画的快楽を追求し実現された、教科書のような作品。やはり、この手の作品は、映画館の巨大スクリーンと音響で、観るに限る!
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