劇場公開日 2024年3月8日

「こんな中国を舞台にした映画、今後ないだろう」ラストエンペラー きいさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0こんな中国を舞台にした映画、今後ないだろう

2023年1月24日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

怖い

新宿で上映しているということで、感想を書きたくなりました。

大作であることは知っていましたが、学生の頃はあの弁髪が冗談のような髪型に思えて、まったく観る気はありませんでしたが、中国大河小説にハマり、その流れで鑑賞。

印象的だったのは、溥儀が住まう宮の外、同じ紫禁城の中に、袁世凱?か、日本軍?か、近代国家の軍人が車に乗って訪れるシーン。すごい遠目のシーンなのですが、それがまた紫禁城の大きさを感じさせられますし、溥儀だけが旧国家に取り残されているとも感じさせられました。
溥儀が紫禁城内を自転車に乗って走り、北京の街に続く門まで来たシーンも心象的。すぐそこに見える北京の街は車が走り、人々が行き交う姿が見れるのに、そこからでられない。
壁一つ隔てた場所に、清朝と中国が隔てられている。
溥儀の立場を感じ、なんて悲しい皇帝なのだろうと思いました。

挙げればきりがないほど心に残る名シーンばかりです。

溥儀の姿にはわ皇帝と立場のプライドや欲も見えますが、時代に翻弄された皇帝としてもしっかり描かれています。
やはり、紫禁城内で撮影された映像だけでも圧倒されます。

弁髪だけで敬遠していたことを後悔しました。
中国映画って、一般的に観る人少ないかもしれませんが、私はこの「ラスト・エンペラー」と「さらば我が愛 覇王別姫」推します!!!!

きい