もののけ姫のレビュー・感想・評価
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ドルビーシネマで初鑑賞
ちゃんと鑑賞したのは初めて。
世界初のドルビーシネマ公開!に胸躍らされての初鑑賞。
金ローでは、途中からか、ながら観なので初鑑賞と言っていいと思う。
圧倒的!
生と死と
人と自然
神と人
死と再生
ドルビーシネマで体験できて幸せな時間でした。
劇場全体が圧倒的な何かにのまれる経験でした。
やっぱり良い
2025年4Kデジタルリマスター版
IMAXで鑑賞。
1997年公開当時は、まだ幼い娘達を連れていて、落ち着かない鑑賞だった記憶があります。でも、大人が観ても面白い作品であったことは間違いなく、28年の時を経て、IMAXの大きなスクリーン、高品質の音響で再度鑑賞できたのは、感謝、感激です。
ジブリの作品はどれも好みなのですが、本作は特に、人間が立ち向かうべき課題、欲望、過ちなどをテーマに盛り込み、ファンタジー要素も加えた見事なストーリーに仕上がっていて、28年経っても色褪せることのない傑作だと思います。
願わくば、ラストは『おわり』の文字は無しにして、もう少し余韻を残して締めて欲しかったかな。
余談ですが、 “人間と野生動物との共存” という課題について、本作では明確な答が提示されておらず、直面している熊対策の難しさを感じています。
25-133
IMAXでなくても名作は名作
「ナウシカ」「ラピュタ」「魔女の宅急便」「紅の豚」そして本作まではおそらく初回上映時に映画館で観ている。(トトロは最初は映画館では観ていない)
やはり初回の鑑賞時のインパクトがもっとも強かった気がする。多分、シネマスコープの劇場ではなく一般のスクリーンでも十分だったのだろうし今もそこは変わらないかも。本作はセル画と絵の具が主体の最後の作品で、CGも使っているが一部だった。「千と千尋の神隠し」あたりからCGのウェイトが飛躍的に高まってくる。だからなんというか全体の画の質が変わってくるのですね。どちらがいい、悪いの問題ではもちろんないんだけど。ただ今回、IMAXで観て、何か本作との馴染みが悪いような気がした。画面が大きいだけでIMAXで観るメリットはないですね。最初からデジタルバリバリの「君たちはどう生きるか」なんかはIMAXで観たほうが良さそうだけど。
永遠に上映してて欲しい!!!!!!!
まじでこの令和の時代にまた映画館のスクリーンで観れるのサイコーすぎて観る前から泣く。
何か…!子供のころに親にせがんで映画館に連れてってもらった時のこと思い出すよ。
当時はまだ立ち見席もあって映画館の中がもののけ姫を観に来た人でごった返してたなあ笑
冒頭のアシタカせっ記でぶわっっっとその時の思い出とかあの時見たもののけ姫の感動とかが蘇ってきてやっぱ映画館ってすげえわ…!!ってなりました。
何せ音響がえらい良くなってるもん!!!!!
IMAXの大画面の迫力がえぐいもん!!!!!!!
えっっっ?こんな…こんなんでした…??!!?
こんなにクリアに反響音が…!!!!!
それに大画面だからモブの表情とか視線の動きも見やすくて面白いよ!!
まじ映画館で見るべき。
お家で円盤繰り返し見てるけどまじで映画館で永遠に見たい。
アシタカ好きすぎるモロママに試される青くさいイケメン大好き。
そんな感じ。
最短でも1年くらいは上映してて欲しいです!!
無理なら年一(永続)でもののけ姫を上映するもののけ姫月間とか作って欲しい本気で…!!!
『生きろ』の重み
【追記】2025.11.4
《言わずと知れた…ジブリの名作中の名作》
当時これを鑑賞した後は感動で心を鷲掴みされた作品。
IMAX版を観て来ました。
なんと言っても、その音響が素晴らしかった‼︎‼︎
画質は4Kレストアだが残念ながらそこまで違いが分からず…。。しかし逆に鮮明なので後ろの小さい人物像達の顔が目が点であったり口が「へ」であったりと細かな所迄分かってしまう事は当時は考えもしなかっただろう…
IMAXは大画面で高感度さのゆえんだろう。
がしかしである、そんな事は些細な事であり、この作品は日本アニメの最高傑作であり世界の至宝である事に間違いは無いのである。この映画をIMAXで観られる事の幸運を感謝しつつその時間を大事にしみじみ味わうことが出来た。改めて関係各者様には感謝です。『本当にありがとうございました!』
【レビュー】2025.8.29
古来より日本には沢山の神々がいた。その中のひとつに生と死を司る神として獅子神がいた。此れは即ち自然そのものである。そして自然に対して畏敬と畏怖の念を忘れた人間に対する警告である。
日本アニメの最高峰であり日本映画の不滅の名作である。当時の歴代日本映画興行収入を記録し日本アカデミー賞最優秀作品賞まで受賞した。そして社会現象となり伝説となった物語り。此れと"千と千尋の神隠し"が双方である。
この作品は当時劇場で1年以上の超ロングランとなっておりその存在を知らない者はいなかった。今の鬼滅のように各シネコンで時刻表上映では無く達成したものだった。シネコンは今の約半数で残りは昔ながらの単館や有っても数館の小規模な映画館達であったのだ。その中で達成した記録なのだ。
また若者の自殺が社会問題となっていた時代でもあった。そんな時、宮崎監督は若者達に「生きろ」とのメッセージを込めてこの作品を創った。物語りの中でタタラ場が破壊された時に登場人物の甲六の妻のトキが言っている「生きて居りゃ、何とかなる」これを伝えたかったのだ。
名作をIMAXで観るしあわせ
『「もののけ姫」はこうして生まれた。』を観て完結する映画
公開当時に印象に残ったのは2点。
1. たたら場の河の濁りは、薪の為に大規模な伐採が生じ、土壌が樹木の根で保持されず河に流れ込むから。室町時代に始まった環境破壊の象徴。
🐗
2. たたら場付近で小さめのイノシシ神が多いのは、ヒトが環境破壊を進め、山を怖がらなくなった事の象徴。
『ナウシカ』で生態学の世界に飛び込んだ自分には、類似したテーマ性を感じて嬉しかった記憶があります。
🦌
ただ、神殺しの展開に心がついて行かず、頭を抱えながら帰宅。エンターテインメントの象徴だった宮﨑駿に放り出された気がして、暫く鬱々と過ごすが『「もののけ姫」はこうして生まれた。』を観て霧が晴れました。本作の制作過程を撮影したドキュメンタリーで、中盤以降の展開に悩みながら、宮﨑監督どうストーリーを構築したのか、自身の言葉で語られています。
とは言っても、メイキングを観ないと理解し難いのは、観客側の理解力の問題ではなく、作品内で説明を怠った制作陣側にある気がします。なので、本作には未だに高得点を付けられずにいます。
神がいない神の物語
宮崎駿監督の『もののけ姫』をIMAXで初めて全編通して鑑賞しました。
これまで断片的にしか見ていなかったのですが、今回ようやく作品の全体像に触れ、その深さに圧倒されました。
結論から言えば、本作は「神がいない神の物語」、つまり自然の中にある神性の不在と遍在を描いた作品だと思います。
この映画の根底にあるのは、西洋的な「人格神」ではなく、自然そのものが神であるという日本的なアニミズム的感覚です。
シシ神は人間のような顔をした巨大な鹿の姿をとり、森の命を司る存在ですが、それは「審判者」ではなく「自然の理(ことわり)」の具現化です。
神は善悪を判断するのではなく、ただ生命を流転させる。
生きるものを生かし、死ぬものを死なせる。
この冷徹でありながらも穏やかな循環の中にこそ、宮崎の描く“神”が宿っているように感じました。
シシ神が首を失う場面は、作品全体の核心です。
首=「理性」「秩序」「判断」を象徴しており、それを失うことで世界のバランスが崩壊します。
しかしそれは単なる破壊ではなく、神が形を失って世界全体に拡散していく瞬間でもあります。
首を奪うことで神は“個体”から“環境”へと変わり、あの黒い液状の神体が世界に流れ出していく。
つまり「首を失う」とは、神がその秩序の形を超えて、無限に遍在する自然の力へと還ることなのだと思いました。
最終的に人間(アシタカとサン)が首を返すのは、神を蘇らせるためではなく、人間がその秩序を妨げないため。
つまり「人間が自然に委ねる」という行為です。
その後、シシ神が太陽に溶けていき、草木が再び芽吹く。
それは神の復活ではなく、自然の赦しの描写でした。
宮崎はそこで、理性による支配から「委ねる理性」への転換を描いているように感じました。
エボシはこの映画の中で最も複雑な人物です。
彼女は自然を切り開き、鉄を作り、神々と戦う「理性の女王」である一方、売られた女たちを救い、ハンセン病者を保護する「慈悲の母」でもあります。
つまり、慈悲を持つ理性という二重構造を持つ存在です。
エボシは「自然を理解し、制御しようとする人間の知性」の象徴であり、その傲慢さと善意が一体化している。
その意味で、彼女は『風の谷のナウシカ』に登場するクシャナの成熟形でもあります。
理性を極限まで押し進めた人間が、最終的に自然と衝突し、敗北ではなく「調和への譲歩」に至る。
ラストで彼女が「新しい村を作ろう。今度はもっと良い村を」と語るとき、そこには人間の理性が初めて自然の理に身を委ねる姿勢が見えました。
一方のサンは、人間でも狼でもない存在です。
彼女は「人間によって傷つけられた自然の記憶と痛み」の化身であり、森の怒りと悲しみをそのまま体現しています。
その破壊的で衝動的な姿は、理性の外にある“自然の叫び”そのもの。
つまり、サンは自然の“純粋な怒り”ではなく、「人間の罪によって歪められた自然の記憶」なのです。
エボシが“言葉を持つ理性”の代表だとすれば、サンは“言葉を持たない自然”の代表。
観客がサンを「理解しづらい」と感じるのは、彼女が“語ることを拒む側”に置かれているからです。
宮崎はここで、理性が到達できない沈黙の領域――自然の沈黙そのもの――をサンに託しています。
アシタカはその二つの女性的原理――理性のエボシと沈黙のサン――の間に立ち、
どちらかに与するのではなく「関係を取り戻す」ことを選びます。
首を返すという行為は、神を支配することではなく、世界の理に身を委ねること。
その後に訪れる静寂と再生こそ、宮崎が描こうとした「人間の責任のかたち」ではないでしょうか。
ラストでサンは「人間を許さない」と言い、アシタカは「それでも共に生きよう」と応じる。
この不完全な終わり方こそが、自然とのバランスを保つ人間の在り方を示しているように思います。
支配と混沌の間で揺らぎ続けること――それが宮崎駿が描いた“生きること”の本質なのだと感じました。
『もののけ姫』は、理性と自然、男と女、神と人、生と死――
そのすべての境界を問い直す作品です。
そして「神に委ねる」ことでしか見えない、人間の小さな成熟を描いた物語でした。
IMAXでの体験によって、画の密度と音の深さが改めて生命の流れのように感じられ、
まるで森の呼吸の中に取り込まれていくような体験でした。
鑑賞方法: IMAX (4Kリマスター)
評価: 91点
これから先も多分一番観るであろう映画
IMAXリバイバルで鑑賞。
「アニメ映画といえば?」で真っ先に名をあげるのがこの傑作かなぁ。何回観たかもう覚えてないけど、その度に観入っちゃう。これだけ観てるとメインの絵でなくディテールを観察してしまうが、作り込みすごいなやっぱ。
久石譲の音楽がIMAXで響き渡る。こりゃ贅沢!いつ観ても美しい、かつての自然の数々。ぴったりだ〜。
人間と獣たちの戦争。と、国が絡んだ人の欲。アシタカが双方の陣営に入り、中庸を模索していった。
そしてタタラ場の長が語った、生きることへの執着。アシタカも、サンも、生きるために必死でもがく。
何が正しくて何が間違っているのかは重要ではなく、自然や人を通して「生き抜くこと。」について宮崎監督は語りたかったのではないかなぁ…と考えるようになった。
祝28周年IMAX上映!
もう公開から28年も経っていた事にも驚きつつフィルム上映からデジタルリマスターしてIMAX上映と映像も音響も良くなって劇場で観る事が出来て最高でした。次なる上映時には映画はどんな進化をしているのか楽しみにしつつって感じでしたね。
各ロードシャーやVHSの永久保存版(当時から思うけど永久保存版ってなんぞやw)で一言一句セリフ言えるくらい観た作品のひとつ。
当時は商店街の端から端までに4〜5つ映画館があって全席自由席で一応出入りしてくれとは言われるけど1日観ようと思えば観れる環境ではあった。
指定席がそもそもないし、並んだ順だから人気のあるタイトルだと立ち見も当たり前で1本立って観たから2本目を座って観る、そして帰りにシェーキーズでピザ食べて帰るなんてのがワンセットな時代でしたね当事は。
ネットも当事はまだまだ一般的ではなかった中、
音楽全然知らない子供でもカウンターテナーと米良美一と主題歌は知ってるってのが今思えば凄いなってw
この手の記念上映の際にリマスター化だけじゃなくて少しでも良いからその後とかやってくれたらなぁって。
また40周年とかの記念上映観ましょう!
中立の良さを知った夜
満員御礼、そして観客がみんな同年代という日曜日のなんばのレイトショー。みんなおしゃれなPOPEYEとか読んでそうな男女多め(=サブカルめ)でさすが。がしかしクッサイ食いもん食ってる人ばっかでびっくりした。チリドッグ、臭い強すぎるよ。
まあそんなのは置いといて、自分の価値観が変わった映画だったな〜と。基本私は白黒はっきりさせたい派だけど、もののけ姫の世界は人間と動物(森)、大きく言うと生と死の「中立(和解というか共存?)」が正解な世界(と解釈している)。どちらかに偏ると憎しみだらけの世界になってしまう。その本質を理解してエボシさんたちに訴えるアシタカ、そしてサンちゃんを救うのではなく「共に生きる」とし、死など怖くないと言うサンちゃんに「生きろそなたは美しい」と伝え、最後には「生と死の中立」を語るアシタカ、素敵だ(ここ最近ウジウジ文句言ってる中学2年生(エヴァ)ばっかり観てるからよりいっそうね笑)...。人間でも動物でもないことに苦しむサンちゃんはきっとここで少しは救われたはず...。
もちろん私が人生でつくづく感じている「有識であること」は正なのだなとも思った。知識がないからこそシシガミ様を殺そうとしてしまうし、動物たちは人間を滅ぼそうとしてしまう。また、病気の患者たちを徹底的に隔離してしまうことも(彼らの病気はハンセン病がモチーフだと、有識者から教わった)。アシタカやエボシみたいに知恵をつけていれば、共存できる策を講じることができるのか。
で、個人的にはサンちゃんにしろエボシさんにしろ、そしてたたらの女性たちにしろ、眼光が強くてかっこいい女性たちばかり登場するのがスカッとした。駿、こういう女好きなんだろうな、ってことを薄々感じつつも。(笑)私も強くたくましい女になりたい、なってるか?(笑)
ほんで、旧劇エヴァにも言えるけど、1990年代後半の映画でここまでの映像美、ガイナックスもスタジオジブリもすごいね。
何かもう、話難しいから終電ダッシュして家帰ってひたすらnoteとか漁ってここまで何とか自分の言葉にできた。満足。
寝る!
ひと世代後、再びのヒットは、その普遍性ゆえか
先週末の国内映画興行成績ランキングで
第4位が「もののけ姫」。
言わずと知れたジブリの名作、4Kリマスター。
61館だけの限定公開にしては驚きの高順位。
あっという間に席が埋まっちゃうだけのことはある。
* * *
運よく好みの席がとれたので、
スクリーンが日本一デカいというグランドシネマサンシャインで観てきた。
作品については、
あちらこちらで詳しい解説・考察がなされてるので、
今さら語ることもあるまいが、
ワタクシにとっては、
ナウシカと並んでジブリ映画の双璧。
ただ、
ナウシカは劇場で6回観たし、その後も何度かリピートして、サントラもすり切れるほど聴いたけど、
もののけ姫は、劇場で観たのは1回。その後のリピートも、してるとは思うけどせいぜい1〜2回(定かでない)。
劇伴も、よかったとは思うけど特にサントラを聴くほどではなかった。
つまり、
インパクトという点では、ナウシカが圧倒的に上だった。
だが作品としての深さは、
もののけ姫の方が上だと、当時も思った。
ナウシカは、当時の世界情勢を反映して、
「正義」を振りかざす二つの大きな国の対立と、
そのどちらも、つまり人間じたいが、
地球という惑星から見たらガン細胞のような存在でしかないということが読み取れて、
深い、と思ったんだけれど、
もののけ姫は、
日本古来の自然信仰、
人間による自然改造、
少数民族(かもしれない)蝦夷、
男尊女卑、
被差別民、
権力者のパワーゲーム、
舞台となった戦国時代にはすでにその萌芽が見られた近代合理主義、
自らの幸福を追求することと他者の幸福との関係
など、安直な解決方法などない矛盾だらけのリアルな人間(+生物)社会が描かれていて、
ナウシカを上回るその深さに舌を巻いた。
* * *
で、今回の上映。
「限定公開」初週の好調さゆえ、
今週末からは、61館から171館に拡大されるという。
それはとってもいいことだし、
この作品が全然古びず普遍性を持っていることの証だと思うけれど、
世界の課題が依然変わっていない(むしろ悪化してる?)ことを表している気もして、
若干複雑。
だがともかく
生きてさえいりゃ、なんとかなる、かもしれない。だから、
「生きろ」
* * *
ともあれいずれにせよ、
IMAXでの「もののけ姫」は、
一見の価値大いにあり、なのであります。
全298件中、41~60件目を表示











