もののけ姫のレビュー・感想・評価
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ヒューマニズムと自然
久しぶりに観たけど、やはり名作。アニメなんで「子供向けのインスタント映画」かと思いきや、実際は「人道主義と自然の調和は可能か?」という、ハリウッド映画なんかによくある「単純極まりない勧善懲悪」に比べて、ストーリーやテーマの掘り下げ方が、ずっと複雑且つ深い作品。
監督が他のメディアで、「網野史学からの影響や、自分はディープ・エコロジストではない」と述べてたけど、それもあってか、タタラ場の生活様式に、ちゃんとリアリティがある。エボシを悪人として描いてないし。後、ワカラン奴は「ワカランでもええよ」という突き放した姿勢も良かったかな。実際、米国の映画関係者はよくワカランかったようやし。
ギリギリ若かった駿監督、御大の最初で最後のアクション大作アニメ
プロデューサーの鈴木敏夫氏の説得によって誕生した『もののけ姫』、当時の
宮崎駿氏の年齢がギリギリ体力勝負でアクション物を作れる最後の時期だと
判断したゆえらしいがこれ以降、御大の作品でここまで苛烈で迫力ましましで
熱気のある作品は存在しない。驚異の作画枚数と本格導入されたデジタル処理
(祟り神の触手の動きや背景の動き等)が織りなす合戦や戦闘シーンの数々は
ジブリ作品随一の迫力を生み出し、久石譲氏の手がける数々の劇中曲もひときわ
荘厳で、主人公が里を出立する際のBGMは圧巻。脂の乗り切った時期に
制作されたのもあろうが、まさにタイトル通りの作品である。
ただ、この感想を抱いたのは今回のリバイバル劇場とその前から積み上げてきた
予備知識を含めた最近の話、初公開時にはこんな感想は全くなかった。
本作は97年に公開されており、これの初視聴は劇場ではなく自宅のビデオ。
当時は小学生なのもあるが、内容が複雑すぎて全然理解してなかった。
あの時劇場に足を運んだとしても楽しめなかったと断言できる。
ちなみにビデオで見た時に浮かんだ感想は『おかゆ美味しそう』だったが、今でも
このシーンは旨そう、ジブリは食事シーンがとにかく美味しそうに描くから好き。
今となって多少は物語への理解力が高まったおかげで話の流れを汲めるように
なり、事態が急変していく本編の流れを初めて理解して見れた。その一方で
本作の結末が一応のハッピーエンドを迎えはするが、例えばアシタカの呪いは
果たして解けきってるのか、たたら場とシシガミの森の対立が解消されてるのか
たたら場を襲った侍連中は全滅したが第二陣が来るのではないかと内容を理解
したからこそ結末に影を落とす不穏要素がかなり残っているようにも見えてきた。
だだ、この作品の主題要素には監督いわく
①子供たちの心の空洞
②至る所に起こる差別
③人間と自然との関わり
④人間の憎悪の増幅作用、殺戮へ突き進む闘争本能
⑤神秘主義と合理主義の対立
など字にしてもさっぱり解らない課題を入れているそうで、これらを取り入れた
監督自身も【解決不能な問題】と評しているのである、なら結末が解決してるようで
解決してないように見えるのは制作者の狙い通りなのかもしれない。
これが1990年代のアニメ映画ということに驚き
壮大な世界観に引き付けられました。
人間と森の生き物の戦いが見所です。
また、音楽がこの世界観をさらに引き立たせ、視聴者はこの映画に釘付けになること間違いなしです。
現代の世界を上からシシガミが見てるよう
シシガミの表情が印象的でそれを描ける宮崎駿はすごすぎる。無音の足音と久石譲の音楽も素晴らしい。
災害などが起きると自然には敵わないなと思うけれど、それ以外にも人同士の争いや、自ら便利で忙しくて息苦しい現代社会を作っていく人間をシシガミが上からあの表情で見ているように感じた。
それでもアシタカのように真心を持って生きれば、シシガミさまが時には助けてくれるのかも。
大人になって観たら、細やかな演出に驚かさせた
久々に観たら、やっぱりスゴイ映画でした。
・話のスケールの大きさ
・アクションシーンのスピード感と迫力
・程よいグロシーン
・世界観の作り込み
など、言い出すとキリがないぐらい良いところが沢山ある。
中でも、私が感心したのが繊細な演出の数々。オープニングの呪われた大猪を退治するシーンからして、櫓の建築具合や、ヤックルの仕草など、目を見張る演出のが様々見える。
こんなスゴイ映像を作りつつ、ふつーに楽しい映像なんだから、やっぱり宮崎駿はスゴイ!としか言いようがない。
オッコトヌシサマアー ダマレコゾウ
予告ですでにグロシーンもあり、だいぶオトナ向けにシフトしてきた印象で、公開日まではまさかアレだけのメガヒットになるとは思いませんでした。
個人的には「押し通る!」のあたりがクライマックスなんです。
終盤までは非常に楽しめたのですが、最後もちろん変化はしているのだが、解決していないように感じられて、以後ジブリ作品を素直に観られないめんどくさい人になってしまった。
アクションのスピード感など映像面の迫力は素晴らしいし、タタラ場での何気ない描写などおおっと思わせるところも多々あるのですがね。
全人類見てほしい
何年ぶりに見たのかわからないけど、すごいな、やっぱりジブリは格別。
内容もそうだけど、とにかく風景画が綺麗。美しすぎて風景ばっかり見てた。森の中で差し込む日光が顔に当たる感じとか、走ってその光と影が動いていくかんじとか、とっても綺麗でリアル。
手描きでこんなにリアルな動き出すって、どんだけの工数かかってるのやら…と恐ろしくもなりました。
効果音もすごい。映画館ならではの臨場感、この作品はやはり映画館で一度は観るべき。
全人類見てほしい、というのは、自然界に敬意を払って共存していくことを真剣に考えるべきだよね、という当たり前だけどできていないことへの思い。
近代って、まさに自然界からのしっぺ返しを受けていると思うのです。
タイトルなし
画が美しい
室町時代を舞台にしているらしい
厳しく儚く美しい世界
様々な立場が対立する様をありのままに描く
誰もが信念を持ち、己が正しいと信じている
風来坊としてやって来たアシタカは優しく礼儀正しいうら若き青年
中立的な立場でありながら、争いが生まれる現状にもどかしさを感じる
帰る場所を失ったアシタカに孤独はないのだろうか
限りある命を他人の為に燃やすアシタカ
そんな姿に皆が動かされる
救いのある物語
最後はそれぞれ別の道を歩む
しかしそれでもいいと思える
間違えたのならそれを認めてまたやり直せばいい
何度観ても良いんだけど
良いものは何度観ても良い、「ナウシカ」も「千と千尋」も良かった。でもどうせならAKIRAやパトレイバーみたくIMAXとか4DXとかでやって欲しかった。「トトロ」「ラピュタ」はなぜ再映しない?
自然と神と人間
乙事主の言った、我々一族も小さくなって馬鹿になってきている。という言葉。
昔は自然や動物が人間より大きな存在で、狼がその秩序を守っていた存在だという事。
馬鹿な人間がその偉大さに気付かず文明を開花していくが、そこでの暮らしにもそれぞれの人間の生い立ちなどがあって、どう折り合いをつけるのか…
そして、干渉せず、自然に、神々しく存在するシシ神様。
なんとも神秘の国日本的な映画だと思います。
一生に一度は映画館でジブリをPART2
千と千尋の神隠しに続いて観賞。これはテーマ性も強く驚くべき情報量を自分なりに解釈していかなくてはならないためにかなりの疲労感を伴います。子供にとっては勧善懲悪の線引きされていない作品だけになおさら難解な作品と感じるはずです。人間たちもエボシらだけではなく、浅野公方傘下の侍、野武士、唐傘連のジコ坊たち。また、もののけ側もサンらの他に乙事主率いるイノシシたちもいて各々価値観が違ってます。これらの間で主人公アシタカが奔走するのだが、彼のみがベビーフェイスでそれ以外は各々持論の正義を振りかざし戦い続けるカオスな状態。今でいったら宗教観の違う民族が互いに主張をまげず対立している中東情勢のようなカオス感を表してます。
これを室町時代を舞台につくる宮崎駿の世界観はお見事以外ありません。ちょうど混沌としたカオス状態は応仁の乱から戦国時代に突入する時代背景と合致します。観れてよかったコロナ禍のジブリ企画に感謝!!
ヤックルってこんなに可愛かったっけ?
キャンペーンの飛びついて、はじめて映画館で鑑賞。
映画館でみると、ドロドロしさより自然と大地の美しさが際立ってました。
映像はもとより音楽の力がすごい。映画館って音いいんだなぁ。
久石さん天才です。
東山動物園でシルバーバックのゴリラを見た経験により、シシガミ様やおっことぬしなど群れの中の大きい個体の神々しさを強烈に感じました。
感動すら覚える衝撃。
駿監督も近い原体験があったのではないだろうか。
人生の体験は映画鑑賞を豊かにするなぁ。
もののけ姫自体、しっかり観たのは10年ぶりとかになるのかな。
展開を全然覚えてなかったから新鮮な気持ちで見れました笑
ただモブキャラの細かいセリフをしっかり覚えてたりしました。
「あらっ、いい男じゃない」とか「わたしらもたたかいますゆえ!!」とか。
記憶の種をポンと芽吹かせた感覚。妙な気持ちよさがありました。
こだまってこんな人間ぽい体つきしてたっけ?
ヤックルってこんなに可愛かったっけ?
なんて再発見も。
深くて溺れる
これまた、風の谷のナウシカに続いて、
大画面で観れることに感謝です。
いやぁ~、深い、深すぎて溺れそうになって苦しくなる。
人間の業の深さが痛い。
その痛さを噛みしめて、
アシタカの真っ直ぐな善を受け止めつつ、
人の愚かさ、自然の大切さ、奥深さ、共存を
自分に出来うることから考えていこう。
アニメを超える、ジブリ作品
ずっと残したい映画です。
テーマはアニメの枠をはるかに超えていて、でもその世界観をパワフルかつスリリングに描いています。自然と人間の営み、その断絶と新しい世界の悲劇的な訪れ。
私たちが住んでいるこの世界は、その新しいほうの世界。小さくなってしまった世界。
物語が勧善懲悪ではないところが、また素晴らしい。
でも普遍的なものを追い求める存在であってほしい、という願いも伝わってきて素敵です!
ラスト、アシタカ(主人公)のさらなる旅路を描くのは、つい今しがたまで観客であった自分たちだという不思議な感銘を余韻にして、颯爽と劇場を後にする・・・。
感動できます! (公開当時、3回観に行って・・・また)
あれ?ラブストーリー?
かっこいい女性が昔から好きで当時映画館でみたときに衝撃をうけ、そこからなんとなくジブリではもののけ姫が一番好きなつもりでいました
今回見たらイケメンアシタカとツンデレサンの恋愛の話でびっくりした
いや、エボシ様はやっぱりかっこいい、憧れる、、。
コダマもかわいい、忠犬ヤックル最高に泣ける。
森林破壊で動物が里に降りてくるわかる。
違う環境にいる人と一緒に生きるのはたいへ、、、ん?
いや、別々に生きればよくない?ん?
ジブリの中では珍しく男女!という映画でした。
わたしは
記憶違いでした、、、。
生きてりゃなんとかなる
アニメーション作品ではあるけれど、決して単純な話ではない。
エボシさまは完全な悪人とは思えないし、人間と森の共存はとても難しいことだと思う。
でも、見終わったあとにじんわりとこの先への希望を感じられる。
数々の名台詞にもグッときたけど、一番刺さったのはトキさんの「生きてりゃなんとかなる」でした。
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