「頑張る人への応援映画?大人だからこそわかる価値。子どもだからこそハマる価値。」メリー・ポピンズ とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
頑張る人への応援映画?大人だからこそわかる価値。子どもだからこそハマる価値。
ディズニー映画と侮るなかれ。最近のディズニーには食傷気味でしたが、こんな名作があったのですね。奥が深い。
隣の船長の設定が最初は突飛すぎて面喰いましたが、屋根の上のダンスに繋がるのね。なんて素敵な伏線。
子どものやりたいこと満載、毎日が刺激的。こんなナニーがいたらいいなあ。朝が来るのが待ち遠しい。
主人公のメリーに目がつい言ってしまうけど、大人になった私にはバートとお父さんが必見。
その日暮らしの極楽バッタのようなバートが実は一番の大人。相手の立場を理解して行動できるって、なんてかっこいい!!! そんなバートが言う。「子どもはすぐに大きくなってしまう。時はあっと言う間に過ぎ去ってしまうよ。」
日々のルーティンワーク、常識に縛られて時間がとられてしまい、大切なものが手を離れてから気がついて後悔しても遅い。大切なものは子どもとは限らないけど、本当にしたいこと・大切なことを忘れていない?って、ああ私何やっているんだろう。
お父さんの生真面目さが良い味出している。気難しいお父さん、でもバートに指摘された時の表情、切ないね。お父さんが「スパ…(言えない(>_<))」って言った時は乾杯しそうになっちゃった。
別の場面では、怒り狂う兄弟に「お父さんは一人で戦っているんだよ。君にはたくさん助けてくれる人がいるけど、お父さんにはいる?」と言うバート。
「スプーン一杯の砂糖があれば苦い薬も飲める」って、飲みたくないけど、嫌な仕事でも楽しみ(=スプーン一杯の砂糖)見つけてこなすようにすれば、ちょっとは人生変わるかな。見つからなければこの歌や「スパ…(言えない(T.T))」歌えば良いものね。
ああ『メリーポピンズ』って、頑張る人の応援映画だったの?
バートと銀行頭取が一人二役なのも意味深…。
そんな箇所ばかりを抜き出すと説教映画のように見えますが、全編歌と踊り。常識を覆されるようなアイディアばかり。子役のドリー嬢の表情もいい。
群舞を始めとする踊りもすごい。一緒に踊りだしたくなっちゃう。(屋根のダンスで、途中メリーが化粧直しをするのも笑った)
アニメもセルを惜しまずたっぷり使っているから(CGじゃなくすべて手描き!!)、動きの小気味の良いこと。本来のディズニーの真骨頂の作品です。(初期のアニメ『百蛇伝』の頃は東映もこの位動きが滑らかで、リズムテンポも良かった)
ディズニーランドのような能天気に楽しい・馬鹿騒ぎ・ハッピーだけの映画ではありません。メリーは実は躾に厳しくちょっぴり辛口だったりする。そこがまたスパイスが効いていて良いですね。
50年前にどうやってこの映像撮ったんだろう?
”お父さん”のような人にこそ観てもらいたい映画です。
子供の頃に経験した楽しさや冒険は大人になっても記憶に残ります。日々辛い事もあるかも知れませんが、時々は子供の頃を振り返り家族みんなで楽しくやるのが一番ですね!😉
とみいじょんさん。はじめまして。別作共感ありがとうございます。本作は私も大好きです。中学の頃、リバイバル上映があり一人で映画館で初めて観ました。シャーマン兄弟を中心とした作曲家達の素晴らしい音楽。ディック・ヴァン・ダイクの芸達者な素晴らしさ、何よりもジュリー・アンドリュースの歌声に感動!映像的特撮にも興味があり映像も素晴らしく世界に没入しました。