赤ひげのレビュー・感想・評価
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人間ドラマの一つの到達点
生と死と貧困、人間愛を描いた圧巻のヒューマンドラマ。
テーマ設定からストーリー、個々の描写まで、素晴らしいの一言。
とにかく描写の完成度が凄まじい。
多数の登場人物、複雑なテーマや心の動きを扱っているのに、
状況把握に頭を悩ませるような場面がほとんどない。
場面場面の意味付け、人の動きに妥協がない。
全ての場面の指一本の動きまで研究し尽くされているような緻密さがある。
濃密な内容が頭の中にスッと、しかも怒涛の如く押し寄せてくる。
赤ひげの世界に心をごっそり持っていかれる。
映画史に残る名作中の名作だと思う。
『赤ひげ』
桑野みゆきカワイイーン!もう一発KO惚れちった。
賄い役、あれだけのベテラン女優勢でも大根で杉山春子の頭を叩けなかったというエピソードにニヤリ。
黒澤明と三船敏郎のコンビはこれが最後、ラストランを飾るに相応しい映画。感動したぜ。
あまり好きじゃない
この作品が「黒澤のヒューマニズムの頂点」という煽りはよく目にするけど、ヒューマニズムがあれば良いってもんじゃない。登場人物の長い長い回想が2つ続くが、そこは重たくて見ているのが苦痛ですらあった。『椿三十郎』で頂点に達した映画的な気持ち良さみたいな物が感じられなかった。確かに良い話なんだけどそれ以上ではない。登場人物が皆優等生すぎるのもなんだかなあ。山崎努はやっぱりすごい。
原作に負けずと劣らず
名作だ。
誰もがこの社会は努力すればよくなると、信じていけそうなくらいの夢を与える。
山本周五郎に負けずに、三船さんなりの赤ひげを作れたのも勝因の一つ。
なんとなく教育されてる感じが嫌な人は、避けた方がいいかなぁ…
赤ひげ
世界映画史のベスト5に入る名作。映像、演出、音楽、演技、効果音、照明など、諸々の要素が全体の統一美を持ち、喜怒哀楽の情を越えた悟りに近い思想を円心構造で何重にも描いている。良い映画は優れた脇役が映える。杉村春子、香川京子、仁木てるみ、山崎勉などが秀逸だが、藤原鎌足が誰を演じているか観客には分からない。「天国と地獄」に続いて、その迫真の演技に魅せられる。最後に登場する笠智衆他歴史的な名優の存在感も卓越している。三船敏郎の代表作であり、加山雄三が若くしてその人物の大きさを地で表現した見事な映画であり、映画を超えた映画とも云える。これほどの完成度を持つ映画は二度と出ない。「七人の侍」「生きものの記録」「隠し砦の三悪人」「用心棒」「椿三十郎」「天国と地獄」と続いた黒澤組の最高峰、集大成と云って間違いない。この書評を大袈裟と思われる方は、一見なされば納得なされるかと思います。(誤記訂正しました)
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