劇場公開日 1965年4月3日

「人間ドラマの一つの到達点」赤ひげ いもりりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人間ドラマの一つの到達点

2015年9月27日
PCから投稿

悲しい

知的

幸せ

生と死と貧困、人間愛を描いた圧巻のヒューマンドラマ。
テーマ設定からストーリー、個々の描写まで、素晴らしいの一言。

とにかく描写の完成度が凄まじい。
多数の登場人物、複雑なテーマや心の動きを扱っているのに、
状況把握に頭を悩ませるような場面がほとんどない。
場面場面の意味付け、人の動きに妥協がない。
全ての場面の指一本の動きまで研究し尽くされているような緻密さがある。

濃密な内容が頭の中にスッと、しかも怒涛の如く押し寄せてくる。
赤ひげの世界に心をごっそり持っていかれる。
映画史に残る名作中の名作だと思う。

もりり