「無垢」ミツバチのささやき ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
無垢
スペインの巨匠ビクトル・エリセ監督の傑作!長編映画デビュー作品。
1969年のデビュー作から(長編は)
3作品しか発表していない
「寡作な監督」として知られていますよね。
先日のスペインのサンセバスチャン国際映画祭で「ドノスティア賞」
(生涯功労賞)を授与された監督。
(宮崎駿監督も!)
そして!
今年のカンヌ国際映画祭で31年振りの新作!!!4作目の長編になる
「Close Your Eyes」
の正式出品が決定したとの記事を読みました!(怒ってたけどw)
31年振りって!!Σ('◉⌓◉’)
寡作にも程がある。。
↑新作では何と!あのアナ!が50年の時を経て出演しているそう!!
公開が待ち遠しいです!
さて、
映画マニアの方々から名作としてよく名前が挙がる本作。
私は監督のお名前と作風、本作のあらすじは知っていましたが、ずっとスルーしていました。
映画には、映画の方から色々教えて欲しい自分がいたので、その作風や内容で敬遠していました。
今じゃないな。。とずっと先送りに。
そんな中、今回の
「午前十時の映画祭13 」で、
本作が掛かるというじゃないですか!
これはもう今なんだな、と。
行って参りました。少し緊張。
舞台は1940年、内戦終結後のスペイン中部の小さな村。
6歳のアナと姉イザベルは、養蜂場で蜂の研究をする父フェルナンド、手紙を書き続けている母テレサと暮らしていた。
そんな中、村に巡回して来た映画
「フランケンシュタイン」を観たアナはそれに魅了され、イザベルの嘘を信じ、フランケンシュタインが住むという小屋に通う。
ある日、列車から飛び降りて、小屋に逃げ込んでいた負傷兵と出会う。
怖がる事もなく、看病するアナ。
りんごを差し出し、父のコートや時計まであげてしまう。
そして。。
シンプルな見かたとしてはアナの成長物語りなのか?
感度の高いアナが世界の向こう側や異形のもの達と交信する様が描かれているのか?
背景にはスペイン内戦や独裁政権の空気感が漂っており、常に「死」の匂いがつきまとう。。。
もう「子供」ではないイザベル、テレサが書く手紙、毒キノコを踏みつけるフェルナンド。
汽車の走る線路や井戸の周りで遊ぶ様子、焚き火の描写などが差し込まれる度に、嫌な予感がして冷や汗が出そうな緊張感に包まれた。
加えて、猫、血、その血を唇に。。
絵画の骸骨など、様々なモチーフが死を連想させる。
そして数々の違和感。。。
イザベルのベットは?
イザベルは死体ごっこをしていただけ?
もしかしてイザベルはアナにだけ見える存在になった?!!
そして、
行方不明になったアナに何があった?
アナの受けた衝撃とは?
脱走した負傷兵は実はアナの。。。?!
だからテレサは手紙を燃やした?!!
しかし、お話しはシーンごとの繋がりもなく進む。。直接的には描かれない。
シンプルだし難解だし、全てが内包されていて開けるのに時間がかかる。
(今もまだ開けきれない)
アナのあの無垢な幼女時期の、
あの「期間限定」な幼い眼差しから見る世界はどう見えたのだろう。。。
絵画のような、詩のような、アナのような、幻想的で美しい作品でした。
◎町山智浩さんの解説がありました。
政治的な検閲が厳しい中、様々な思いを潜ませたとのこと。
解説付きとは面白い試みだが、、
私は鑑賞後の余韻に浸りたいタイプで、その後も頭の中で反芻し、自分なりに考えたい。
解説(ネタバレ?)は自分のタイミングで知りたかったです。話した内容を冊子にしてプレゼント!の方がうれしかったよ。
いや、解説ありがたい!って人も多いですよね。
素人が生意気言ってすみませんm(_ _)m
本作は素晴らしい映画です。
是非機会を作って観て欲しいです。
学級閉鎖…チーン。
しばらくチーン。
その気持ち、よく体験したのでわかりますよー。
解放の暁には、満を持してボーに会いに行ってね☝️
そして畏れ多くも、そういっていただきありがとうございます。
いつもながらのすっごい思い込みで突っ走るつぶやき。
なんなら私の前世、あの巣箱にいた蜂?って感じですよね😅
オラ、全くわかんなかっただ。とっかかりすら、見つかんなかっただ。そだから、解説あったとは、うらやましだども、たすかにタイミングはあるかもしれんね…
ってな感じですが、また観て、いつかはこの映画がわかったような気になりたいものです。
解説は自分のタイミングで、というのは大事ですね。
「話した内容を冊子にしてプレゼント」というのはうれしいかもしれません。
私はパンフレットをよく買うのですが、この作品のように以前作られたものは、手に入りません。その意味で、今作品の解説はありがたかったのですが、「この映画はいったい何だったんだろう」と考える時間は楽しいものです。
言われていること、よくわかりました。
「死を連想」確かにそうですね。かわいいアナが主人公なのに、なぜか不穏な空気の流れる映画でした。
でも、解説がなかったら、さっぱりわからなかった映画だと思いました。
いつか、もう一度見てみるのもいいかな、と今は思っています。