「アナの瞳」ミツバチのささやき komasaさんの映画レビュー(感想・評価)
アナの瞳
映画フランケンシュタインを観た後にアナは「何故殺されたのか?」と尋ねる。それ以降、この作品は死の気配とともに進行していく。
荒涼とした風景、色彩のない街並み、団欒のない家庭。明らかに歯車が噛み合っていないが、それが何なのか明確には分からない。
そんな生気のない世界の中で、主人公のアナの瞳だけはキラキラとしている。サンタクロースを信じるような無垢な心で世界を見ている。
そんな彼女がある事件をきっかけに失踪し、捜索する父親たちに見つけられる。この失踪は、蜜蜂でいえばサナギの状態に当たるのだろう。事件の前と後で決定的にアナの内面は変わっている。
フランケンシュタインという触媒による幼虫から蛹、成虫へという変化はアナだけでなく、家族、そして恐らくスペインという国の変化(将来への希望的なものも含め)も表している様に思える。
スペインの独裁政権下という制約のある中で作られた映画。隠された作者の思いを漠然と感じられるも、掴み切れずもやっとするものが残る。
時代背景を調べて、また観に行こう。
…
(20240215ht渋谷にて二度目)
共感コメントありがとうございます😊こちらにもコメントされておられるとみいじょんさんにご教示いただき目をさらのようにして数回観ていますが、まだまだ修業が足りずにおります💦アナの姉の生死が問題になっているのです。
フランケンシュタインを触媒に見立てる、凄い。
蜂の成長段階で変化を感じる、凄い。
スペイン内戦時であり、情景登場人物等、全て比喩表現になっているとのことが頭から離れず難しかったです。
おはようございます😃
Komasaさんの賢さがわかるレビューと感じました。
やはり、東京はいいですね。
本作劇場鑑賞は、午前十時の映画祭が終わると、大阪でも1館、それもちょっと〜というところなので、諦めTVでだけ。また気軽に観に行こう、なんてこちらでは言えないです。
共感とコメントをありがとうございました。
komasaさんのレビューにある「そんな生気のない世界の中で、主人公のアナの瞳だけはキラキラとしている。サンタクロースを信じるような無垢な心で世界を見ている。」
本当に。だからこそ、私たちはアナに惹かれてやまないのでしょうね。
気づかせていただきありがとうございます。