劇場公開日 1955年4月7日

「【”様々な大いなる眠り。”今作は前半は多数の怪しい人物登場により脳内フル回転で観るが、後半は名匠ハワード・ホークスが原作を上手く改編しているために分かり易いエンターテインメントになった作品である。】」三つ数えろ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【”様々な大いなる眠り。”今作は前半は多数の怪しい人物登場により脳内フル回転で観るが、後半は名匠ハワード・ホークスが原作を上手く改編しているために分かり易いエンターテインメントになった作品である。】

2025年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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ー 最初に敢えて書くが、今作の原作であるレイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」は既読である。だが、それでも今作の展開は、原作を読んでいないと(読んでいても:名匠ハワード・ホークスが結構改編しているから。けれども、それで分かりやすくなっている気がする。)難しいのではないかな、と思った作品である。-

■私立探偵フィリップ・マーロウ(ハンフリー・ボガート)は富豪の老将軍スタンウッドに呼ばれ、次女カルメン(マーサ・ヴィッカーズ)が古書店主ガイガーから脅迫され金を要求されている件の解決を頼まれる。
 調査を進める中である一軒家にたどり着いたマーロウは、そこでガイガーの死体とその側で酔っ払い、意識が朦朧としたカルメンを見つける。
 一方、勝気だが聡明な長女ヴィヴィアン(ローレン・バコール)も何かを隠している様子であった。

◆感想<Caution!内容に触れているかな?>

・冒頭に記した通り、前半は原作を読んでいても脳内フル回転で鑑賞する。私見だが、そもそも今作の原作であるレイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」自体が、可なり複雑な構成になっており、確か集中して読んでも結構時間が掛かった記憶があるからである。
 尚、今作は原作を忠実には映像化していない事も記していく。
 それにより、私は今作の後半、特にラストが、映画らしい面白みに繋がっていると思うのだが・・。

・今作が映画として魅力なのは、コレマタ私見なのだがフィリップ・マーロウを演じたハンフリー・ボガートが、(マーロウの原作イメージに合ってはいないのだが)矢張り渋くて惚れてしまった勝気だが聡明な長女ヴィヴィアンを守ろうとする姿が良いのだな。
 又、ヴィヴィアンもフィリップ・マーロウに惹かれて行く姿も。
 マア、これを書いたらおしまいって感じなのだが、この映画はハンフリー・ボガートと、妻であったローレン・バコールを観る映画なのだと思ったのである。
 そして、原作とは違う”三つ数えろ!”のラストが、ナカナカなのである。

<今作は前半は多数の怪しい人物登場により脳内フル回転で観るが、後半は分かり易い展開になって行く作品なのである。>

NOBU
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