「ジョン・ヒューストンの初監督作品」マルタの鷹 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
ジョン・ヒューストンの初監督作品
ハードボイルドかつフィルムノアールの古典として超有名
脚本家上がりのヒューストン監督だけに脚本がよく練り込まれており、一筋縄ではいかないお話を手際よくまとめてある
映像も陰影を意識した撮り方が内容にマッチして雰囲気を盛り立てている
ハンフリー・ボガード初主演の出世作でも有名だが、脇役陣の的確な配役と役柄のキャラが引き立つ良い演技をみせる
ハードボイルドの主役の映像イメージは、本作で確立されたと言って良いだろう
襟を立てたトレンチコートにハット、ダブルのスーツ、咥え煙草
このスタイルイメージはカサブランカでも踏襲されてハンフリー・ボガードのイメージそのものとなり、分かち難くなっている
今ではもはやハードボイルドという記号だ
サンフランシスコの地名が時折でてきて、どの辺かと楽しめる
冒頭にチラリと写る金門橋は本作公開の4年前にできたばかり
カイロの財布から出てきたチケットはGeary Theaterのもので、今も都心のユニオンスクエアの近くに実在する
カイロが持っていたパスポートはギリシャ、フランス、イギリスの3冊で、ギリシャ生まれの混血で多重国籍を示すものだろう
もしかしたらギリシャだけは本物で、後は偽造かも知れない
ファットマンが語るマルタの鷹の由来は、後半は映画用のホラ話だが、前半は何となく正しい
中世の聖ヨハネ騎士団がエルサレム、ロードス島と撤退の末、シチリア王よりマルタ島を借りることになる、その賃料は毎年マルタ島の鷹一羽だったという歴史の有名なエピソードだ
今もマルタ共和国として独立国家
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