マッチ工場の少女のレビュー・感想・評価
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しっかり落とし前をつけたラストが良い
採点3.8
田舎町の工場で働く少女の物語。
両親を養うだけで喜びの無い毎日。
「パラダイス」に続きディスコで声をかけられないのが辛い。
しかも今回は一人だけという、よりキツい演出。
その、孤独がびっしりと張り付いたようなその佇まいがまた苦しい。
唯一の理解者であろうパンキッシュなアニキは、家にジュークボックスにビリヤード台があるおしゃれさん。
ラストもしっかり落とし前をつけた形で終わるのは見事。
後味が良いとは言えないが、しっかりとした芯を感じる作品です。
笑い、そして、サ...
古アパートで母と義父と暮らし、マッチ工場で働くさえない女性イリス。奮発して買ったドレスでディスコに行ったら、男と一夜を過ごすことができた。しかし男は遊びだったと言い、彼女を突き放す。
監督作品でいつも以上にセリフが少ない、そのかわりに流れる曲がセリフ代わりのようでした。他の作品では美女扱いだったりする常連の女優カティ・オウティネンが、美しくないなりの彼女らしくて役にあっていました。天安門事件の報道を挿入していたのは、のちの作品の「枯れ葉」のウクライナ侵攻のように、静かな抗議ですね。「イチコロ」に笑い、そして、サ、サスペンスだったのか。
たぶん、監督はジュークボックスが好き。
恋の思い出は今はもう重荷
なかなかに斬新、セリフもあまりなく饒舌に語るのは劇中に流れる変わった歌詞の曲。1990年という時代なのかそこの文化的なところなのか不思議な描写も沢山あり興味深かった。出て来る人物は決して誰も魅力的では無いし話も、で?という感じではあった。あの量の殺鼠剤で人の致死量となるとは流石の薬やイチオシである。マッチの出来るまでがこの話の中で一番面白かった。
アキカウリスマキには珍しく、ちょっとケレン味があったような気がする...
アキカウリスマキには珍しく、ちょっとケレン味があったような気がする。だけどやっぱり面白くて考えさせられる。映像はどこを切り取っても、絵画。いやー面白い。素晴らしい。
優しくないこの世にさようなら
アキ・カウリスマキ作品の中で1番明るい色合い(色数はとても少ない)で淡々と少女が世界から裏切られる様を描写していく。
そしてこの世はクソだと確信してからも淡々と粛々と復讐をしていく。
主義主張としての左側の強い敗北感が背後にある、この世界があまりに生きるに値しないという結論を少女に背負わせてしまっている作品と感じた。
ここにユーモアは流石に入れられなかった。
此処から先のアキ・カウリスマキ作品を知っているからこそ、ここが重要な通過点になっていると思える作品でした。
そしてなぜかとても美しいと感じてしまう、そんな共犯関係。
イリス覚醒‼️
継父と母にこき使われ、給料も搾取されてる女性イリス。たまに買った赤いドレスも返品してこいと、叱られてしまう。そんな時、バーで出会った男性と一夜を共にするも、彼には遊びでしかなかった。しばらくしてイリスは自分が妊娠している事を知る・・・‼️幸薄い一人の女性の生き様を、カウリスマキ監督がセリフを極端に少なく、淡々と描いてます‼️虐げられたイリスが、ネズミ退治の粉末で復讐開始‼️カティ・オウティネンが無表情に着実に復讐を実行していく演技が、凄みがあって素晴らしかった‼️「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」の前2作では希望に満ちたラストだったのですが、今作は、イリスの逮捕で映画が終わる‼️それもある意味、イリスにとっては希望的な終幕だったのかも・・・‼️
女を裏切ると復讐が待っているのかもしれない、と感じた
マッチ工場の少女
神戸新開地にあるパルシネマしんこうえんにて鑑賞 2024年1月18日
イリス(カティ・オウティネン)はマッチ工場で働きながら、母(エリナ・サロ)と働かない継父(エスコ・ニッカリ)と一緒に暮らしている。
ダンスホールに行っても質素な衣装のイリスに踊ろうと声をかける男性はいない。
ある日イリスはショーウィンドウにある綺麗なドレスに憧れ、受け取ったばかりの給料で購入するが家族は怒り、返品を命じられる。
かまわずそのドレスを着てダンスホールへと繰り出すと、アールネ(ヴェサ・ヴィエリッコ)という男から誘われた。デラックスなアパートで一夜を過ごす。
妊娠してしまったイリスは一緒に子供を育てるようとアールネに手紙を送るが、
始末してくれと
小切手だけが送られてきた。最初から一夜限りの遊びと知って、追い返されてしまう。
放心状態となったイリスは、車にはねられ流産した。さらに母に心労をかけたと継父から勘当される。
兄(シル・セッパラ)のアパートにいて、悲嘆にくれていたイリスは復讐を決断した。
ドラッグストアで行き、ねずみ取りの薬を注文し、効き目はどう?と質問すると、「イチコロです」
粉末状の薬を水でとかし、混ぜたものを容器にいれ、自分のかばんに入れた。
アールネのもと行き、酒が欲しいと言いコップが2つ さらに氷が欲しいと言い、アールネが離席したときに、液体を注いだ
母と継父家族のところに行き、料理をふるまうが、水を入れる容器に液体を注いだ。
ほどなくして警察官がきて、イリスは連行されてゆく・・・
フィンランド生まれのアキ・カウリスマキ監督作品
音楽をふんだんに使用し、作品のシーンに合わせた選択で 歌詞が流れるという特徴がございます。
作品の最後には「チャイコフスキー作曲 交響曲第6番悲愴(ひそう)第4楽章」が流れるが、途中でイリスがチャンネルを変えるシーンがあります。
20年程前にBSで観た記憶が…
確実に観てるんだけど、こんな内容だったっけ?……と翻弄。
当時とは理解力が別モノになってるということなのかも。
もっと陰惨なイメージが残ってたけど、意外と淡々と受け容れられた。
穏やかに進む展開が逆になんだか怖い。
ラストも大騒ぎになるでもなく、全てを受け容れたかの様に静かに幕が閉じるのが、あまり目にしない怖さで、説明出来ないが、なんとなく好き。
Rakumin(ネズミ獲りの薬)
序盤から工場でのマッチを作る工程を描いているのが興味深く、刺激のない毎日を夜遊びで発散しながらも孤独な姿に楽しさを感じられない、酷い男であるに違いはないが真摯な対応ではあり、健気に見えながら異常な行動に思える少女ではない立派な大人の女性、トバッチリを受ける男性、やはり母親の事も恨んでいた訳で。
カウリスマキ兄弟の兄、ミカが撮った『ゾンビ・アンド・ザ・ゴースト・トレイン』で主人公を演じた俳優がそのまんまの格好で主人公の兄役を、そんな兄の部屋にあるジュークボックスから流れるThe Renegadesの「Cadillac」が渋過ぎる!!
少しだけ笑みを浮かべ復讐に駆り出されるイリスの行動全てが恐ろしくも、遠慮気味な態度が控え目で地味な女性であるのは変わらない。
【“ああ、酷い人だ!愛の夢を踏みにじる・・”清貧な暮らしをしていたマッチ工場で働く少女の一夜の夢と、復讐を内容に見事に合致した音楽と共に描き出した作品。】
■田舎町のマッチ工場で働く少女・イリス(カティ・オーティネン)は、稼いだわずかな金で母と義父を養っていた。ある日、彼女は給料で衝動的にドレスを買ってしまう。
怒った義父に殴られ、母に返金を命じられたイリスは、家を飛び出し、ディスコで出会った男性と一夜を共にし、妊娠する。
が、手書きで送った手紙に対して、男から送られてきたのは、タイプライターで書かれた一文
”始末してくれ・・。”であった・・。
◆感想
・初鑑賞である。が、今作では、この後のアキ・カウリスマキ監督の作風が見事に開花している。
・登場人物の、無駄のない少ない会話。
・アキ・カウリスマキ監督のミューズとなる、若きカティ・オーティネンの意志の強いキリっとした表情。
・冒頭では、イリスが住む小さな家のTVで中国の、天安門事件が繰り返し流されている。
<社会的弱者を常に温かい視点で描き出す、アキ・カウリスマキ監督の原点がこの作品にはあるのである。>
懐かしすぎる
大昔に映画館で観ちゃったシュールでブラックユーモア満載なこの映画を思い出して検索したらちゃんとここにデータあるんですね♪さすが映画.com
大昔のマイナー映画ですが未だに鮮明に記憶に残っているシュールな作品
マッチ工場で働く、ブスで暗くて無口でもてない平凡な少女の恋物語?
もちろん恋物語なんて陳腐なストーリーでは終わらないシュールな作品
言葉にすると陳腐だけど、未だに主人公の姿が鮮烈に記憶に蘇る
無口すぎる主人公、ほとんど喋らなかった気がする
映画マニアには有名な監督カウリスマキ
この作品もう一回観たい!
けどツタヤレンタル検索したら在庫なしだし、、
こちらのサイトのレビューは少ないですがツタヤのレビュー件数たくさんでした
もう一回観たいから買おうかな~てか売ってるんだろうか?
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