赤い河

劇場公開日:1952年1月5日

解説・あらすじ

1851年、ダンソンと相棒グルートは、テキサス北境近くでカリフォルニア行きの幌馬車隊から別れて赤い河へとやって来る。間もなく幌馬車隊がコマンチ族の襲撃を受け、恋人フェンも殺されてしまったことを知る。2人は生き残った少年マシューを連れてリオ・グランデ近くの牧草地に辿り着く。それから14年の歳月が流れ……。ホークス監督にとって初の本格的西部劇。

1946年製作/133分/アメリカ
原題または英題:Red River
劇場公開日:1952年1月5日

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受賞歴

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映画レビュー

3.0 62点

2025年11月26日
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ま

4.0 【”全てのテキサス牛をミズーリまで連れて行き、DとMの烙印を押す。”今作は無骨な男が旅をする中で仲間達と決別するが、或る女性の出現により和解する様を描く、牛の大移動シーンの迫力も凄き西部劇である。】

2025年10月29日
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鑑賞方法:VOD

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■若き時に恋人フィンを、ネイティブアメリカンの襲撃により亡くした男ダンスン(ジョン・ウェイン)が牧場を開拓するも、南北戦争の終結後、牛の買い手がいなくなったために、ミズーリまで所有する牛約一万頭を大移動させる計画を敢行する。
 しかしその事に当初から懸念を感じていた幼い頃に知り合い、ダンスンを慕うマット(モンゴメリー・クリフト)は、旅を続けるうちに彼と激しく対立し始め、到頭彼を隊列から追い出すのであった。

◆感想<Caution!内容に簡単に触れています。何故ならばこの映画だけではなくモノクロームの映画(だけではないが)、物凄いレビューを書かれている大先輩が複数いらっしゃるからである・・。

・今作は、矢張り、資料に書かれている約一万頭の牛の大移動の迫力がまず、凄いのである。1952年公開作なので、CGではないであろう。
 ハワード・ホークス監督は、如何にしてあの数々の大移動のシーンを撮ったのであろう。
 特に、ケネリーが夕食時に皿をガチャガチャと落としてしまい、敏感な牛たちが逃げ出すシーンや、河を渡るシーンなど、これだけで評価は4点である。

・ダンスンは旅の初めの頃は、人情に篤い。例えば牛たちが逃げ出した際に、見張りに立っていたダン(ハリー・ケリー・Jr)が遺体で見つかるシーン。
 ダンスンは、生前にダンが言っていた”到着したら100ドル貰える。そうしたら家を建てて、妻が欲しがっていた赤い靴を買うんだ。”と言う言葉を覚えており、”アイツの嫁さんに大金と赤い靴を買ってやれ。”と部下に告げるのである。

・だが、食料が乏しくなり、ダンスンも徐々に意固地になって行き、人心が離れていく。元々ダンスンは、恋人フィンを、ネイティブアメリカンの襲撃により亡くした時から、寂しいが故に意固地になっていた心を、ジョン・ウェインが絶妙に演じているのである。

・今作の印象的な人物としては、ダンスンを良く知る剽軽な食事係のグルート(ウォルター・ブレナン)が居る。彼の存在と発言が、作品に幅を持たせているのは間違いがないであろう。

・そして、もう一人は途中から登場する、マットと恋に落ちる強気だが、人の心の機微を見分ける天才であるテス・ミレイ(ジョーン・ドルー)である。彼女はマットの気持ちを察し、単身、新たに仲間を集め、隊を追われた時にマットに“追い付いて、殺す。”と言ったダンスンの元に行き、マットとの仲裁を図ろうとするシーンはとても良い。ダンスンに対し一歩も引かず”私に命令しないで!”とバシッと言い放つと、途端にダンスンの表情は和らぐのである。それは彼女の手首に有った亡き恋人フィンが付けていた装飾品の影響もあるであろう。

・だが、ダンスンはマット達に追いつき、銃を彼に撃つ。だが、いづれの銃弾もマットの身体には当たらない、というか当てないのである。
 そして、殴り合いになった時に、再びテス・ミレイが言い放つのである。”ずっと、殴り合っていればいいのよ!”と。
 我に返った二人は,かつての様に笑顔で隣同士で座り、ダンスンは木の枝でマットに”牛にDとMの烙印を押そう。”と告げるのである。

<今作は、無骨な男が旅をする中で仲間達と決別するが、或る女性の出現により和解する、牛の大移動シーンの迫力も凄き西部劇なのである。>

■近年、劇場で西部劇が殆ど掛からない。近年(と言っても、随分経つが)Netflix制作の、ジェーン・カンピオン監督の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」や「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール」が限定一週間公開で映画館で上映された時は嬉しかったし、面白かったモノである。Netflixは、西部劇を結構製作している。
 ここ一カ月で2作、Netflix制作の映画を劇場で観たが、私は又西部劇を作ってくれることを切望しているのである。

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NOBU

3.0 正統派西部劇

2025年8月9日
PCから投稿

アメリカ国立フィルム登録簿作品です。
牛の群れ、悪役インディアン、友情と裏切り、大平原、ウェイン先輩、典型的な西部劇が気持ちいいです。

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越後屋

3.5 ハワードホークス流西部劇

2025年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

ジョンフォードとは異なり英雄も悪党もなく
王道西部劇ではない人間ドラマの傑作!
南北戦争後の開拓時代、羅針盤も情報も無い過酷な旅を成すには「俺が法律だ」という強烈な非人道的リーダーシップが必要だが、その匙加減ができない頑固親父と愛弟子との壮大な親子喧嘩。
理不尽な展開なのにウォルターブレナンの台詞と存在のおかげで何故か納得のラストシーンはイイですね。

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映爺