劇場公開日 1994年4月29日

ペリカン文書のレビュー・感想・評価

全27件中、1~20件目を表示

4.0陰謀と戦う系のサスペンス

2025年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

法廷映画の名作「評決のとき」や「ニューオーリンズ・トライアル」と同じ原作者の作品だと知り、古い映画ながら観てみたが面白かった。
陰謀と戦う系のサスペンスが好きな人には楽しめると思う。

主演の二人が若い頃のジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンというお気に入り役者の二人で、むしろなぜこれまで観てなかったんだろうと。
二人ともかなり若いのだが演技はしっかりと上手く、やはりいい役者さんだなと改めて実感できた。

ラストの描き方が小気味よく、すっきりした気持ちで観終えることができるのもよかった。

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雪猫

3.5若きジュリア・ロバーツの魅力が炸裂する、社会派スリラーの佳作

2025年3月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

興奮

知的

【イントロダクション】
ワシントンD.C.で起きた最高裁判事2名の暗殺事件について、法学生の主人公が一つの論文を書いた。やがて、論文内で展開されている仮説が、事件の真相と黒幕に迫っているとして、筆者の主人公は謎の勢力から命を狙われる事になる。原作は、ジョン・グリシャムによる同名リーガル・サスペンス小説。監督・脚本は『パララックス・ビュー』(1974)、『大統領の陰謀』(1976)のアラン・J・パクラ。主人公ダービー・ショウ役にジュリア・ロバーツ。事件を追うヘラルド紙の記者にデンゼル・ワシントン。

【ストーリー】
ワシントンD.C.で、最高裁判事のローゼンバーグとジェンセンが何者かに暗殺される。かつてローゼンバーグの下で事務官をしており、今はニューオーリンズの大学で教授をしているトーマス・キャラハンは、彼の訃報にショックを受ける。キャラハンの生徒であり恋人でもあるダービー・ショウは、事件の背景に興味を持ち、独自の調査によりある仮説を立て、“ペリカン文書”のタイトルでレポートとして提出する。

レポートを手に、ローゼンバーグの葬儀に出席する為ワシントンを訪れたキャラハンは、友人であるFBI法律顧問のバーヒークと再会する。キャラハンは、ダービーのレポートを「よく出来た仮説」としてバーヒークに手渡し、彼の手からFBI長官ヴォイルズに渡される。ヴォイルズは、判事暗殺事件の警護に関する不備を大統領主席補佐官コールから非難され、意趣返しとしてレポートを彼に見せ、その内容を基に捜査を進めると告げる。

数日後、キャラハンはダービーとレストランで夕食を共にしていたが、泥酔したキャラハンに呆れたダービーは、自宅まで歩いて帰ると、キャラハンと別行動を取ろうとする。キャラハンは車に乗り、エンジンを掛ける。刹那、車は爆音と共に爆発し、キャラハンは命を落としてしまう。ダービーは偶然にも難を逃れたのだ。
恋人の突然の死にショックを受け、自らも命の危機を察知したダービーは、バーヒークに連絡を取り、キャラハンの死を伝える。バーヒークは、彼女を保護しようと接触を図る。コールからレポートを受け取った大統領は、その内容が公表されれば、自身の大統領選に不利になるとし、ヴォイルズに捜査の中止を要請する。

一方、ワシントン・ヘラルド紙の敏腕記者グレイ・グランサムは、ある朝自宅の電話に“ガルシア”と名乗る人物から連絡が入る。彼は法律関係者で、「判事殺害について重要な情報を知ってしまった」と言う。以降、度々連絡を寄越すも、真実を公表する決心が付かないでいるガルシアをグランサムは逆探知で追跡し、彼の顔写真の撮影に成功する。時を同じくして、グランサムの元にダービーから連絡が入り、ペリカン文書の存在について聞かされる。

【感想】
少々長尺ながら、アラン・J・パクラ監督らしい硬派な社会派スリラーに仕上がっている。真相自体は、この手の作品によくある利権と金絡みのもので新鮮味は薄いが、事件に巻き込まれる登場人物達の魅力が、最後まで飽きさせずに見せてくれる。

ダービー・ショウ役の若き日のジュリア・ロバーツの笑顔が眩しい。生活感のあるパーマ掛かったロングヘアから、ショートカットのカツラを被って変装する姿、法律事務所を訪れた際のバッチリセットされたパーマ姿と、様々な彼女の魅力を堪能出来る。

同じく、若き日のデンゼル・ワシントンの姿も新鮮で、新聞記者らしく作中何度かメモを筆記する様子が映し出されるが、どうやら字はあまり上手くないよう(笑)

この2人がコンビを組む事になるのは、物語も中盤に差し掛かった辺りと遅めではあるが、以降は抜群のコンビネーションで物語を引っ張って行ってくれる。
潜伏先のホテルで、国外逃亡を希望するダービーにグランサムが言った「正義が潰えたら、彼(キャラハン)は喜ぶか?」という問いに対し、ダービーが「25歳の私を見たいはず」と返す様がオシャレ。
この台詞が、終盤でいよいよ命の危機だと察したグランサムが、ダービーの希望通り国外逃亡を促す際の、「25歳の君が見たい」という台詞に繋がるのも良い。

内容とは別に、個人的に印象的だったのは、キャラハンが講義で語った台詞だ。
「議論が脅迫に、正義が暴力に変われば、感情が理性を支配してしまう。感情と私欲は自由を脅かす」

クライマックスで、ヴォイルズが部下のルパートにダービーの監視と警護を任せていた事が明かされ、中盤で偽のバーヒークに扮した殺し屋からダービーを救ったのも工作員によるものだと判明する。しかし、それならば銀行の地下駐車場でも助けてくれても良かったのではないかと思ってしまう。

【総評】
優秀さと好奇心が合わさって、触れてはならない闇に触れてしまうというのは、実は現実味のある話のようにも感じる。本作のように政府が関与し、暗殺を企ててくる事はない“かも”しれないが、世の中には意外と触れてはならない核心部分に触れている人も多いのではないだろうか?

常に不穏な空気が漂う本作だが、クライマックスで形勢逆転してからのダービーとグランサムが各所に電話する姿や、ラストのジュリア・ロバーツの爽やかな笑顔での締めが心地よい。

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緋里阿 純

3.525歳の君を見たい

2025年2月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

難しい

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カズユキ

4.0【ペリカンの安息地である湿原破壊に端を発した、大統領再選を目指す男に忖度した政府高官、FBI、CIAの姿を描く。ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン共演による社会派サスペンスの逸品。】

2024年1月24日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

幸せ

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NOBU

3.0見た。

2023年12月31日
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プライア

3.5なかなか難しい、、、

2023年11月13日
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鑑賞方法:VOD

知的

難しい

一度観ただけでは『こんな感じか』で終わってしまう

登場人物の構成が単純では無いので
二度三度観ると、より面白さが分かってくる気がする。

それにしても30年も前の映画なのに
引き込まれる魅力は素晴らしい。

デンゼル・ワシントンもジュリア・ロバーツも若いw

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けい

3.5逃げ足速すぎ🤣

2023年8月10日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

難しい

序盤は殺人はあるものの、
淡々と進んでいくので眠い😅
人物関係も複雑なので余計眠い。

急にセンセーショナルな事件で話が走り出す。
そこからはほぼ逃走劇💨

24歳女性のショウは、
主演じゃなければ即消される💦
それがジュリアロバーツが足速いのか、
まあまあのエージェントから逃げ切る。
ドキドキはするけど、
一回は捕まってもおかしくない。

車で爆弾に気づいたのは、
彼氏のイグニッションと同じ音したからかな❓

作りの時代的な古さ、
BGMとか、ラストの飛行機とか、
そーゆーのは大目に見ましょう。

そしてジュリアロバーツが美しい😍

デンゼルが若々しい💪

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クリストフ

3.0絶滅危惧種のペリカン

2023年7月17日
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鑑賞方法:TV地上波

最高裁判事殺人事件を法学部の学生が調べたことが、まさかのストライク! 実は国家レベルの陰謀だった。ひとりで追手から逃げ続け、世の中に真実を伝えようとがんばったダービー。大きな力に負けなかった強さに心打たれる。ぴちぴちのジュリア・ロバーツがめっちゃかわいい。

テレ東午後のロードショーを録画で。

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ぷにゃぷにゃ

3.5キャスティングが魅力的

2023年7月8日
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鑑賞方法:TV地上波

さほど緊迫感は感じられなかったですが、ジュリア・ロバーツとデンゼン・ワシントンという異色バディのキャスティングが良かった。

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光陽

3.5ガルシアは本当の告発者

2023年6月17日
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だったんだよね。
大学生のレポートをそこまで重視するか?
ホワイトハウスへ届く経緯が私的には、今ひとつ理解できないが、それは置いておくとしても、殺人までいくか?
その前にまだ上告もしていないのに最高裁の判事を殺すか?
殺人よりもリスクのすくない方法を試すんではないのかな。そんな事を考えてしまうが、それを抜きにすれば、面白い映画だった。

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myzkk

3.5盛り上がりませんでした

2023年6月14日
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鑑賞方法:TV地上波

普通でした。 なぞめいたサスペンスが展開されましたが、 非常に理解しづらく、 盛り上がりませんでした。

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Check-inや、レビュー投稿には、ニックネームが必要です

4.0久しぶりに鑑賞しました

2023年4月20日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

難しい

何度か鑑賞していますが、ストーリーも覚えている部分とすっかり忘れている部分があり、ハラハラする展開を楽しめました。
それにしても、ジュリア・ロバーツが若くて美しい。デンゼル・ワシントンも若々しいけど、2人ともこの頃から流石の存在感です。ジョン・グリシャムの同名小説の映画化ですが、この映画をきっかけに一時期ジョン・グリシャムの小説にハマってました。

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JUUUN

3.5ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントンが若い。スタンリー・スウッ...

2023年1月12日
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鑑賞方法:VOD

ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントンが若い。スタンリー・スウッチが、この頃からこんな感じ😬 最近は、良い人が多い😊

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J417

3.5デンゼルがカッコいい。ジュリア・ロバーツが若く美しい。 ジュリア演...

2022年8月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

デンゼルがカッコいい。ジュリア・ロバーツが若く美しい。
ジュリア演じる学生が巨悪に迫ったがために追われるハメに。助けるのが新聞記者デンゼル。
この話、残念なのはやや分かりにくいこと。たかが学生のレポートに何オタオタしてる?なんぼでも殺せてたのになぜ殺さぬ?あまりに都合良すぎる展開。知らぬ間になんだかハッピーエンド。
デンゼルとジュリアが変なラブラブにならなかったのは評価しよう(笑)

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はむひろみ

4.0大統領専用車での補佐官の提案が結末だった方が…

2022年7月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

「大統領の陰謀」のTV放映を切っ掛けに
ビデオレンタルして
評判の高かった「隣人」も併せて観たが、
アラン・J・パクラ監督は、やはり
「大統領…」等の“政治絡み”のサスペンス
の方がお似合いだ。

1994年のロードショーの後、
一度テレビでも観た記憶があるが、
自然保護運動が絡む陰謀だったこと以外は
ほとんど覚えていなかったので
非常に興味深く鑑賞することが出来た。
また、TVでは民放の短縮版だったろうから
久々のノーカット版だったかも知れない。

主人公2人が暗殺者から逃れる数々のシーンは
少し御都合主義過ぎて、
結果2人の活躍が成功裏に収束するのは、
グリシャムの原作がどうであれ、
アメリカ映画らしく、なのだろう。
しかし、私だったら大統領補佐官が
大統領専用車の中で語ったように、
権力側が主人公2人を消した上で、
それまでの支持者をも葬り去り、
スキャンダルを逆手に
大統領再選を図る結末を選択するだろう。
後味は良くはないものの、
政治の世界の闇と権力を浮き彫りにして、
より作品に深みを生んだと思うのだが、
そうはならないのが
アメリカ映画でもあるのだろうと思った。

アラン・J・パクラ監督の
「ソフィーの選択」はその質においても
テーマ性においても別格の名作だと思うが、
総じて、
彼の作品は世俗的なサスペンス物よりは
政治絡みの作品に上手さを感じさせる。

この作品ではもう一捻り欲しかったものの、
「ソフィー…」や「推定無罪」でも
優れた脚本を手掛けていることを考えると、
監督としてだけではなく
脚本家としての能力も高い映像作家だった
のだろうと想像もした。

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KENZO一級建築士事務所

5.0ペリカン

2022年5月16日
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正義は勝つ!という映画。
途中のアクションシーンはいかにもアメリカ映画という感じで閉口したが全体的に楽しめました。

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alextm

5.0一法学生が書いた仮説文書

2022年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

最高裁判事ふたりが殺された。ジュリアロバーツ扮する24歳のロースクール学生ダービーショウは、事件について調査を開始、暗殺の黒幕について後にペリカン文書と名付けられた論文を書いたところ恋人の大学教授が爆死しダービーも狙われた。一方、デンゼルワシントン扮するグレイグランサム記者に暗殺の黒幕を知っているとガルシアと名乗る電話が入った。ダービーもグランサムに電話した。

久しぶりにジュリアロバーツを観たね。さすがに重みが違うな。一法学生が書いた仮説文書が大統領まで渡るのは信じがたい展開だがこの映画の根幹だ。自分が書いた文書でホワイトハウスをもゆるがす連続殺人が起こるのはかなわんね。この映画を観るのは何年かぶりで3回目くらいだが、命をかけたスリル&サスペンスで思わず夢中にさせてくれる作品だね。

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重

3.0判事暗殺事件

2021年2月24日
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鑑賞方法:TV地上波
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odeonza

3.5最近はあまり見ない、地味だがなかなか面白いサスペンス

2021年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

知的

地上波でやってて面白そうだったので見ました…が、最初の15分ほどは手が離せず、途中からの視聴です(^^;
サスペンスやミステリーって、最初の10分15分見てないともうよくわからない!ということが結構ありますが、こちらも先にあらすじを読んでいなければついていけなかったかも。序盤はほとんど人が殺されるシーンだったみたいです。

あらすじ:
法学生のダービーは、授業用のレポートにワシントンD.C.で起きた最高判事殺人事件を調べ、独自の調査の結果と仮説を書く。しかし、書き終えてみると自分でも馬鹿馬鹿しい妄想だと感じられ、自分の授業を担当している大学教授であり恋人でもあるキャラハンに遠慮がちにそれを提出する。しかし、それを読んだキャラハンは「なかなか面白い仮説だ」と親友のFBIに見せたことから、そのレポートがFBIの長官やホワイトハウス関係者まで回っていく。レポートは「ペリカン文書」と名付けられ、ホワイトハウスの権威を揺るがすような事実を指摘しているとして、著者のダービーは命を狙われることになる。恋人がファンだと言っていた新聞記者に助けを求め、共に逃げながら調査を進めていく。

確か携帯も出てこず、懐かしのビデオテープ(所謂VHS)が使われていたので結構古いなーと思っていたら、1993年製作だそう。アメリカでDVDが商用化したのが1997年で、一般に浸透したのはもっと後でしょうから、まだVHSとブラウン管TVなんですね。…でも、携帯はあったでしょ…?
携帯電話は日本には1985年頃からあったそうで、1993年のアメリカなら小型化した、せめてPHS辺りの型は出てそうですけどねぇ。
何故か皆、ホテルに備え付けの固定電話とか電話ボックスとか使って盗聴されまくります。固定電話でも盗聴されるなら、いっそ携帯の方が話しながら移動できるだけまだマシだったんではと思うシーンもちらほら。
データも多分、紙よりフロッピー辺りが普及してたんじゃないかなぁ。PCは出てくるし。
色々気になって気になって。それとも1993年製作だけど設定はもっと前の時代??見られなかった最初の15分に説明があったら悪いけど。
ともかく、そういう古い時代の作品なので「ホテルで電話待ち」とか「衣服と場所を指定して待ち合わせ」とか、昭和あるあるが満載。それがもう楽しい(全然楽しい状況じゃないんだけど)。

主演ジュリア・ロバーツは、まだ可愛さの残る若さでしたが、既に演技が出来上がってる!
本作も出世作の1つだそうですが、これより前にも既に二度も受賞経験があったようで、安定した演技でした。恋人を失った時の動揺やすぐ傍にいた男が撃たれて呆然自失の表情など、若くして受賞するのも納得。
共演のデンゼル・ワシントンは、今まで何度も主演張ってるのは知ってたけど、何故か一度も見たことがなかったので、本作で漸く見られて良かった。他の作品で確か警察?ボディーガード?役や、殺し屋役をやっていて、恐らくガンアクション系の俳優なんだろうなーくらいに思っていたのですが、約30年前の本作でも既にチャキチャキした身のこなし。こうやってキャリアを積み上げてったんですねえ(しみじみ)。
また、安易に主人公達を恋愛関係にしなかったのも好印象でした。男女が出てくると何でもかんでも恋愛絡めるのやめてほしいですねえ。その割に主演級の2人が同性同士だと、未だに意地でも恋愛関係にしないのも、ハリウッドの「同性愛への寛容さ」が口だけなんだなーと感じます。
ただ、本作で主人公2人が恋愛関係にならなかった…というより、互いに気持ちはありそうなのに、明確な「恋」を示す行為がなかったのは、デンゼルが過去に映画で共演白人女性とキスしたところ、試写会で激しくバッシングされ、以降白人女性とのキスは一切しないと決めているからだそう。
後のインタビューで、デンゼル自身が「白人男性をターゲットにした映画で、白人女性とキスなんかしたら叩かれる」と答えています。
少なくともこの時代、この時点では大作映画のターゲットはほとんど「白人男性」であり、オマケで白人女性、黒人男性ときて、最後に黒人女性だったんだろうなと(働ける女性が少なく、特に黒人はまともな職に就けなかったため)。

そんな時代に主役級で活躍し、受賞まで果たしているデンゼル・ワシントンの努力はどれほどのものだったのか…本作でもその存在感を遺憾なく発揮しています。本作ではただのジャーナリストのはずなんですが、何故か立ってるだけで頼もしい。
基本的に、台詞がなくても心情を伝えられる演技ができる人は、かなり演技が上手いと言って良いと思うのですが、本作の2人はまさしく。ストーリーにあまり起伏がないために、演技派を起用したのでしょう。どちらも役柄に合っていたと感じますし、笑顔もシリアスな表情も良く、入り込めました。

ただ、記憶力の悪い自分がすごーーく気になったのは、とにかく登場人物が多い!
こういう政治サスペンスものに多いんですが、とにかくFBIだの、CIAだの、殺し屋だの、ジャーナリストだの、政治が関わると色んな組織、それに関係する人々がワラワラ出てきて、そんなに覚えてらんねーよ!と途中で考えることを放棄しました。多分見てて「コイツFBIだっけ?」と思ってる奴がCIAだったり、「CIAか…」と思ってる奴が殺し屋だったりするんだろうなぁ。もうそのくらい色んな奴が出てきます。
しかも「お前さっきまでいなかったじゃん」という奴がシレッと増えてたり、殺された奴の名前がだいぶ後になって出てきたり、急に変な団体の話が出てきたり、もう何が何だか。
人の顔と名前覚えるのが得意な人じゃないと、途中で「ワー何かもうどうでも良いやー('A`)」ってなると思います。
そして、敵側の盗聴してる様子がいちいち出てきて、最後の方はもはやコントか?って感じで笑えてきます。昔は犯罪者も大変だったんやな…

とはいえ元が弁護士の経験もあるベストセラー作家の小説ということもあり、内容はなかなかのもの。シリアスの中に挟むコメディシーンやセクシーシーンなど余計なカットは全くなく、全体の纏まりは良かったし、政治サスペンスとしての重厚感もあったものの、このシーンでこの演技、何か意味あるのかな?と思ってたら一切意味のない演技だったんでは…?と見終わってから思うところもあり、何かモヤモヤする部分も。何か意味あったのかなぁ。
本作は141分だそうで、地上波だからだいぶカットされてる可能性もあり、余計モヤモヤ。

まあでも割と序盤は「何だろう?」と思わせてくれ、後は随所にハラハラする展開が挟まれるため、政治ものとはいえ身構えず、普通の映画として見られると思います。アメリカの政治問題(特に汚職)について詳しい人は、もっと楽しめるかも。
小説の方が、表現の仕方という意味で面白かったかもしれないと思わなくもないですが、映画は俳優も演出も良かったので、これはこれで満足です。
2020年の大統領選挙で何故かアメリカの政治に関心を持った人が多かったようなので、まだ熱が冷めていないなら、これを機に政治ものに手を出してみるのも面白いかもしれません。

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alala

3.0地味だが堅実な作品

2019年5月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

知的

難しい

派手さはないのであまり強く印象には残らないかもしれませんが、堅実な作品でした。
権力に立ち向かう話は燃えますね。

緊迫感でドキドキさせられるシーンもあって良かったです。
文書の内容には衝撃はなかったものの、なるほど…と納得できました。その後の証拠を追うあたりが一番ワクワクしておもしろかったですね。車のエンジンをかけそうでかけないところとか。
タイトルの意味が作中でわかるところも良かったです。

悪い点としては、ホワイトハウス、FBI、CIA、暗殺者などの多くの人物が登場するのですが、中にはあまり特徴がない人もおり、誰がどこの所属でどう動いているのかが分かりにくかったです。

デンゼルワシントンとジュリアロバーツの演技もいい。デンゼルワシントンの誠実で、さりげない優しさも持った雰囲気が役に合っていました。ジュリアロバーツも芯が強い役で、美しかったです。
戦友のようになっていく2人の関係が素敵でした。ラストの雰囲気も好きです。

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きーとろ
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