プリンス・オブ・シティ

解説

 捜査のための特権を与えられていたニューヨーク警察・麻薬特捜班は“町の王子様”と呼ばれていた。やがてその汚職を調査すべく、内部調査委員会が動き出す。彼らは特捜班の一員ダニエル刑事に取引を持ちかける。ダニエルはやむなくそれに応じ、盗聴器をつけることに。やがて刑事たちの不正が次々と明らかになり、ついにはダニエルと彼の仲間までもが窮地に立たされるが……。実話を映画化した社会派サスペンス。刑事たちの生き様がリアルに描き出される。

1981年製作/アメリカ
原題:Prince of the City

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第39回 ゴールデングローブ賞(1982年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) トリート・ウィリアムズ
最優秀監督賞 シドニー・ルメット
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映画レビュー

4.5社会通念が浸透するまでの我慢強い社会変革の方が…

2022年7月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

若い頃にこの映画を観て、
私の中ではその時点での
シドニー・ルメット監督作品ベストワンと
評価した位、この映画には魅入られた。

社会や組織の中で、
悩み葛藤する個人を強く認識させ始めた
最初の作品だったかも知れない。

初めは麻薬課特別捜査班の仲間は売らない
との取引条件だったが、
その後の展開で彼らまでも売ってしまう
事態に発展する。
だから、若い頃の初鑑賞では、
ラストの講師として教壇に立った時に、
仲間を売った警察官として彼の名前を知った
警察官が退出するラストシーンが
印象的だったが、
今回の改めての鑑賞では、
潜入捜査官として協力した主人公を
起訴すべきかとの検事局内での協議の場面が
一番印象深かった。

それは、
過去の罪に対する社会的寛容性の観点に
考えが及んだため。

社会の変貌の中では、その都度その都度
許す許さないの範囲基準も変わっていく。
例えば、現在では
飲酒運転は絶対に許されないことだが、
私の若い頃は強く咎めない雰囲気もあり、
飲酒運転は日常茶飯事だった。
しかし、それを否定する社会通念が
浸透した現在では
私の周りでも飲酒運転は見たことが無い。

ここでも
警察内部の腐敗に検察が手を入れていって、
これからは麻薬課特別捜査班でも
全ての不法行為は許されなくなり、
それが社会通念化するのだろう。
しかし、その社会通念が
形成出来ていなかった過去の不正までも
罰するのは行き過ぎた急進主義で
社会の改良手法としてはどうだろう。
ある程度の寛容性は
持ち合わせるべきではないか、
そんな社会通念さえ浸透していたら、
飲酒運転のように
足を踏み外す人間も多くはないはずだから、
との思いが交錯した。

いずれにしても、この作品、
主演俳優の演技力は気になったものの、
3時間近い上映時間の間、
集中力を欠くことなく観せる演出力は
見事と言うしかない。
やはりルメット監督の代表作の一つ
であることには間違いがないように思えた。

それにしても、若い頃に比べ、
字幕に現れるたくさんの登場人物の
カタカナ名が覚えきれなく、
今回は2度目でようやく少しは理解が進んだ。
寄る年波を感じさせられた鑑賞でもあった。

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KENZO一級建築士事務所

3.0ニューヨーク警察の腐敗

2019年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

大きな権限を与えられていたニューヨーク市警の麻薬特捜班だったが、腐敗の噂から内務調査が入る。
一人の刑事が証言に応じるとともに、盗聴に協力するが、命を狙われ、家族には警備が付く始末。
検察、警察、マフィアのせめぎ合いと、同僚たちの苦悩が描かれていく。
シドニー・ルメット監督の長編ドラマ。

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いやよセブン
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