劇場公開日 1987年5月2日

「【”Mystery of Love"デヴィッド・リンチ監督の変態的愛と暴力と耽美性に彩られた作品。アンジェロ・バダラメンディの奏でる曲が耽美的且つ幻想的雰囲気を醸し出している作品でもある。】」ブルーベルベット NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”Mystery of Love"デヴィッド・リンチ監督の変態的愛と暴力と耽美性に彩られた作品。アンジェロ・バダラメンディの奏でる曲が耽美的且つ幻想的雰囲気を醸し出している作品でもある。】

2021年10月27日
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悲しい

怖い

知的

ー 尋常でない雰囲気が横溢する作品である。
  特に、フランクを演じたデニス・ホッパーのFワードの多発や、イゼベラ・ロッセリーニ(イングリッド・バーグマンが夫と子を捨て、身を寄せたイタリア人監督ロベルト・ロッセリーニとの間に誕生)が演じるドロシー・ヴァランスの狂気を帯びた、妖艶さ・・。ー

・主人公のジェフリー(カイル・マクラマン)が、父を見舞いに来た時に、野原で見つけた”耳”。
彼が、それを刑事に預けるトコロから物語は始まる。

・ジェフリーは、刑事の娘サンディ(ローラ・ダーン:当然だが若い。)と二人で、なぞ解きを初めてしまったものだから、彼は狂気とエロスの世界に巻き込まれていく・・。

・サンディが聞きつけた、”耳は、ナイトクラブの歌い手、ドロシー・ヴァランスと関係がある・・”と聞いたジェフリーはドロシーの家のクローゼットに身を隠すが・・。
ー 江戸川乱歩の”屋根裏の散歩者”を想起させるシーン。
  彼も、ドロシーに見つかり、パンツを脱がされちゃって・・。
  ドロシーの家に乗り込んできたフランクの、ドロシーに対するSMチックな狂態の数々。
  良い子は、観ては駄目だよ!ー

・徐々に明らかになっていく、ドロシーとフランクの関係。そして”耳”。

<フランクの家に有った、二つの死体。一つの死体は立ったまま、頭から血を流しており、もう一つの死体には”耳”が無く・・。
 グロテスクなシーンが続くが、背後に流れるのは、アンジェロ・バダラメンディが奏で、ジュリー・クルーズが歌う幻想的且つ耽美な”Mystery of Love"である。
 デヴィッド・リンチ監督特有の耽美的雰囲気を醸し出している、幻想的とも言える作品。
 ”Mystery of Love"が収録されているジュリー・クルーズの全曲アンジェロ・バダラメンディ作曲の耽美的アルバム「Floating into the Night」は、よく聞いたなあ・・。>

NOBU