「蠱惑的な世界」ブルーベルベット Jolandaさんの映画レビュー(感想・評価)
蠱惑的な世界
デヴィッド・リンチ監督作品は、「マルホランド・ドライヴ」に続き二つ目の鑑賞。(「ツイン・ピークス」、まだ観てない、、汗)
DVDのジャケットに「ブリリアントな悪夢」とあったし、あのマルホランド・ドライヴのデヴィッド・リンチだから…!と肩に力が入り、トラウマ覚悟で鑑賞しました。(トラウマになった場合の為の、口当たりの良いハートフルな映画まで用意して(笑)) でも、想像したほどの怖さではなかった。怖さ&哀しさではマルホランド~の方が、という感じ。
ま、でも、それもそのはず。公開が87年て、、たぶん、"ナウシカ"とか同世代だよね。その時代にこれは確かにセンセーショナルだろうなと。
主演のカイル・マクラクラン。監督の"僚友"らしいですね。 ずっと、SATC(※セックスアンドザシティ)のクレジットの最後にゲスト扱いで流れるこの名前、誰なんだろう、、と思ってたんです。 シャーロットの逆プロポーズに「オーライティ(いいけど)」って答えちゃう、あのマザコン坊っちゃまトレイ・マクドゥーガルでしたのね。ってまぁ、そりゃそうか。苗字がマク~だもんね。スコットランド系だもんね。
ずっと、トレイ若いなー、若いなーと思いながら観てた(笑) 独特の暗い感じとスリリングな展開。同じデヴィッドでも、デヴィッド・フィンチャーの暗さが知的かつ厭世的なのに対して、リンチの暗さは蠱惑的でセクシーというか、、やっぱり悪夢感、なのかなという気がする。
この主人公、けっこう自分から巻き込まれにいってますよね。こういう、能動的で正義感の強めなキャラクターも時代を感じさせる。
不条理、つまり、この場合で言うと何もしてないのに、とか良い人なのにどんどん巻き込まれてなおかつ痛い目に遭うものは後味が悪いからなー。その方が怖さは引き立つんだけども。
この映画のジェフリー、ナイフ突きつけられてるのにボスの顔面に一発入れたりとか、、強っ。鋼メンタルか(笑)
終盤、まぁまぁ大事なあたりでウトウトしたから、返す前にもっかい観ます。