「いい部分に気付きながら、何故かそれていった」ファイト・クラブ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
いい部分に気付きながら、何故かそれていった
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総合:45点
ストーリー: 35
キャスト: 70
演出: 60
ビジュアル: 70
音楽: 65
描写や社会の陰を描いている部分は悪くない。暴力描写もいいとしよう。だが物語には不合理な部分もかなりあるうえに主題の焦点がぼやけており、そのために映画を見終わったときに納得できない部分が多くすっきりしない。
エドワード・ノートンがそこまで寝ていないのならば、とても健康を維持できないでしょう。その状態でどうやって戦うのか。それにブラッド・ピットが石鹸の作り方とかファィト・クラブの組織やそれを使った作戦とか、ノートンの知らないことをたくさん知っているというのも不思議。人格が違うといっても、それをするにはどれだけの時間をかけて努力をしなければならないか。ノートンが寝不足になってからの短時間でそれが出来るとは信じがたい。しかもそのようなことをブラッド・ピットが同じ画面で隣に登場して教えてくれるのである。物語の設定にかなり無理がある。
社会に不満を持つ人々が何かのきっかけでその負の感情を誰か力のある人や思想にひきつけられて組織化されることはよくある。多くのテロ組織や極右・極左なんかがそうだ。でもそれをするのにノートンとピットの二人の人格が出てくる必要があるのかな。
人格ではなくファイトクラブの暴力や組織にだけ焦点を当てたほうがわかりやすい映画になったように感じる。そうすればもしかすると「タクシー・ドライバー」のような映画になれていたかもしれない。
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