「最後に残ったのは誰か」ファイト・クラブ aさんの映画レビュー(感想・評価)
最後に残ったのは誰か
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自分と正反対でありながら親友のような相手を見つけ、けれども次第に相手は自分を必要としなくなっていく。
やがて金融を爆弾によってまっさらにしようとする親友と袂を分かち、爆破を止めようとする。
普通に見れば、初めのうちは上記のような内容の映画と捉えられるだろう。
しかし実際には親友のような相手は自分の理想とする人間の人格であり、二人で行っていたと思っていたことは、すべて一人で行っていたこと。
そしてその人格が暴走していき、自分の意志とは無関係に物事を起こしていくのをどうにか止めようとする話となる。
そのような伏線としては仲間たちとのやり取りでの不可解な反応などがあるだろうが、一番上手いのはすべてに感づいているであろうマーラが登場するときには、主人公とタイラー、マーラが一つの画面に映らないところだと思う。
最後の方のタイラーが主人公をボコボコにするシーンなんかは一人の人間がやっていると見るとだいぶ無茶苦茶であり、自分を銃で撃ちながら平然としているあたり主人公は人間じゃないのでは?とも思えるが、そのあたりはご愛嬌といったところか。
最終的にタイラーが死に主人公が残ったように思えるが、実際にはどうなのだろう。
あれほど止めようとしていた爆破をあっさりと受け入れ、けれどマーラも排除せず受け止める。
これは主人公にもタイラーのどちらであっても矛盾するように思える。
最終的に人格が統合され、また新たな人格となったという感じなのだろうか。
そのあたり気になる終わり方をしたなと思った。
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