「映画『ファイト・クラブ』観る。 「父性」という観点からこの映画を観...」ファイト・クラブ Fさんの映画レビュー(感想・評価)
映画『ファイト・クラブ』観る。 「父性」という観点からこの映画を観...
映画『ファイト・クラブ』観る。
「父性」という観点からこの映画を観ると深くて面白かった。
『ファイト・クラブ』
◆あらすじ
主人公は仕事は真面目にこなすし、上司の言う事もきちんと聞く、会社の不正も仕事の為だと目を瞑ってこなす。プライベートでは贅沢な家具を取り揃えるのが趣味で人生は全てうまくいっているように見えるが不眠症という悩みを抱えています。
不眠症改善の為に最初は病気友の会に行くけれど劇的には改善しません。ある日飛行機内で隣の席になった男(ブラッドピット)と世間話をするうちに友人となる。この男と酒の酔いに任せて地下の喧嘩場、ファイトクラブを設立する。
◆登場人物の描写
主人公とブラピは対照的な描かれ方をしています。主人公は痩せ型で真面目なサラリーマン、ブラピは筋骨隆々、デカいサングラスと赤い革ジャンでアナーキーな生き方をしています。主人公は自分にはない何かを持っているブラピに惹かれていきます。
◆肥大化するファイトクラブ
ファイトクラブは世に不満を抱えた男たちがストレスを発散するのにうってつけのようで会員数が増え続けます。元々ブラピはいたずら癖が酷く最初は子供のいたずら程度が徐々にエスカレートしていきます。やがてファイト・クラブはブラピの私兵団と化し、ビル爆破などの度を越えたテロ行為にまで発展していくように。主人公はブラピの女癖の悪さや度を越えた犯罪行為に次第に嫌気がさし、ビル爆破計画に至っては阻止しようとします。
最初は惹かれていたのに嫌悪する、このグラデーションが絶妙で非常に面白かった。主人公には父親がいない、法律や一般常識に囚われない生き方をするブラピに最初は惹かれ憧れていた、これは自由、自律した大人への憧れと言えます。主人公はそんなブラピに自分にはない父性を感じていたのです。
しかし、物語が進むにつれて段々嫌悪するようになる。まるで思春期の子供が父親を嫌うように。そして最後に父親殺し(父を乗り越える)試練(ビル爆破計画の阻止)に立ち向かいます。序盤友好的で温かさすら感じていた平和な映画が中盤から一変してスリリングな内容に転がっていく所も非常に面白かった!そしてブラピかっけぇ!ちょっとワルイ男に惹かれる感じ!
◆感想
人は父親と母親から良影響か悪影響を受けて育ちます。父親がいない主人公は問題を抱えて成人します。ブラピに父性を見出し、そしてブラピを嫌う感情のグラデーションが繊細に描かれていてとても良かったです!前半ちょっとだけ展開が遅く眠たいもののそれも伏線となっていたので耐えて観て良かったです。