「逃げられない…」愛のコリーダ ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
逃げられない…
自分たちの周囲になかなかの数のスタッフがいるであろう中で、セリフを言い、恋人でも結婚相手でもない相手と性行為をする。これはなかなかヘビーですよ。生理的な現象を意識的に起こさないといけないんだから。まず、こんなに難しいことをやり遂げた主演二人を称賛する。
松田英子さんの顔は、美人タイプではないが、欧米人が好みそうだと思った。肌もきれいで、均整のとれた体。たぶん、すごく追い込んで、サダになりきったんだろうな。実際のサダはどうだかわからないが、この映画のサダは、明らかに病気だ。現代ならセックス依存症とか、何か診断が付くだろうけど、この時代、せいぜい「変態」とくくられるだけ。飲み食いも眠るのもろくにしないで、セックスばかりしてたら、変な匂いもするでしょうよ。サダだって、自分が異常だと自覚はあった。だから校長先生に温泉に連れてってとお願いした。でも、断られた。戻るしかないではないか。愛の地獄へ。
藤竜也は確かに色っぽい。ヒゲと目がいいわ。吉っつぁん、最初はちょっと遊んでやるかと軽く誘ったら、薮をつついて蛇が出ちゃった。どんどんサダに絡みつかれて、精も根も尽き果てちゃった。最後の方、逃げることもできず、諦めた表情が「はい、限界です。死なせてください。」と言ってるようだった。行進する兵隊から顔を背け、逆方向にひょろひょろ歩く姿は、確実に死に向かっていた。魔女と承知してても、拒めない。破滅とわかってても、また戻ってしまう。男も悲しい生き物だね。
映像は本当にきれいだった。赤い襦袢、水色の前掛け、雪の白。修復する前でも、きっときれいだったんじゃないかな。
芸術かポルノか。局部のことばかり言われがちだけど、こんなに哀しみが漂っているのに、ポルノとは思えない。誰かを欲しくてたまらないという、どうにもならない気持ちを、十分に表現した芸術作品でしょう。
ぷにゃぷにゃさん 栄の事はレビューに書き落としてしまいましたが、この映画の企画、脚本を書かれた方が演じてるのですが、「眩〜」(宮崎あおいさん本当に良かった!)を見てたからか、あまりにも脇役過ぎる演出に、唖然となりました。応為として描いた「吉原格子之先図」などは 洋画のような雰囲気もあり、当時としてはとても先駆的な絵ですよね!他の作品も素敵です!初めて見た時 驚きました!ドラマの中で北斎の絶筆と言われている「富士越龍図」は応為が描いた富士の絵に 北斎が龍を描いて完成させていましたね!その逆だという説もあるようです。小布施の屋台天井画なども、応為も共に描いたとも言われてます。
田中泯さん 私も好きなので…期待大だっただけに、本当に 残念です!「峠〜」を楽しみにしたいです。
ぷにゃぷにゃさん コメントありがとうございます! そうですか… 私も北斎が好きな方にも、そうでない方には特に おすすめ出来ません!この映画で、北斎を 分かったと思って欲しくないです。すみだ北斎美術館は コロナが落ち着いたら 是非行きたい!と思ってます!2016年のNHKドラマ「眩-くらら-北斎の娘」はご覧になりましたか?このドラマは栄と北斎の日常を通して その人となりを描いた作品で、とても印象が良かったです。部屋は散らかってました!(笑)
ところで、あれ?! 藤竜也さんと書いたつもりが 藤原竜也になってました!失礼しました!
ぷにゃぷにゃさん 「HOKUSAI」に共感をありがとうございますm(__)m!レビューは未だのようですが ご覧になりました?
「愛のコリーダ」懐かしい❗劇場で しかと観ました!今の夫と付き合ってる時に(笑) ぷにゃぷにゃさんがお書きのように 沢山のスタッフの前で…よく…と思いました(笑)でも、エロティックでありましたが、いやらしさはなく、今思うと 芸術作品だったなと思います。(当時は衝撃が大きくて分からなかった)
春画と言えば、北斎も作品 それなりに有りますね。タコと女の絵が有名ですが、、北斎を調べて行くと、その中の幾つかは 娘が代筆したのでは?という説も。
ぷにゃぷにゃさんのレビューの最後の「だれかを欲しくて…芸術作品でしょう。」には 全く賛同します。
藤原竜也さん、当時も色気ありましたが、中年以降も素敵な色気が有って 良いなと思います。
コメントありがとうございます!甘やかし過ぎ、そうかもしれない。
春画といったら江戸時代の木版画のイメージですよね。超有名な浮世絵師も勉強の為にも収入源としても沢山描いたようです。肉筆画は平安時代後期からあったみたいです。春画は本当に品良く美しいものもあるし、絵だからこちらの頭の中で文脈作る自由がありますが、映画の方は自由がないのでその意味でちょっと苦痛でした…。
見ました!数年前、永青文庫で開催された春画展を思い出しました。とにかく凄い人気で、老若男女が列をなして並んでいました。おかげで都バスでも「永青文庫に行かれる方はここで降りて下さい」のアナウンスが入るし、永青文庫の入口門もとても立派になりました。