「藤竜也がやたらとカッコいい」愛のコリーダ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
藤竜也がやたらとカッコいい
愛のコリーダというと映画というよりクインシー・ジョーンズの曲の方を思い浮かべてしまう。映画の方は無修正で本番している映画ということで有名だったが、観る機会がなかったので今回が初鑑賞。無修正よりも阿部定事件を扱っていることに興味が湧いた。
でも実際に観てみると局部をきちんと見せている(ボカシが入っていたが)シーンが思った以上に多くて驚いた。しかもセックスの描写がやはりリアルだったことも衝撃を受けた。AVで見るセックスとは違うリアルさ。それは男の性欲のための見せるシーンではなく、ちゃんと情愛を絡めた演技の力なんだろう。狭いところでのカラミ、口の中に出した後垂らして見せる、首締め、今のAVでも使われている手法があって、もしかしたら最初はこの映画から発展していったのかなと想像したりした。
かなり昔の映画なので古臭いかなと思っていたが、違和感はあまりなかった。男女の情念、執着、屈折した性欲が描かれていて圧倒されてしまった。本妻とはセックスするな!って言っておいて、女中や芸者や通りすがりの女には、あんたこの女とやったら?みたいなことを言う。ものすごい感覚。おちんちんを切り取ったからこそ歴史に残ってしまったこの事件。映画で観てもその特異性が損なわれない。
ちなみに調べたらクインシー・ジョーンズの曲はカバーで、タイトルはこの映画からとったんだとか。そりゃ日本語で「アイノコリーダ」って歌ってるんだからそうだよな。てっきり「アイムコリーダ」って歌っているのを邦題で「愛のコリーダ」ってつけたのかと思っていた。映画愛のコリーダの威力スゲーな!
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