「ヘップバーンの最高傑作」昼下りの情事 ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘップバーンの最高傑作
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「ローマの休日」と並んでオードリー・ヘップバーンの魅力が満載です。一般的には「ローマの休日」のほうが人気があると思いますが、個人的には彼女の出演作の中では、こちらも同じくらい好きな映画です。
特に気に入っているのが最後の駅での別れのシーンです。私立探偵の彼女の父親の忠告どおり、プレイボーイのフラナガンは彼女と別れることにする。彼女はニースへ行ってしまうフラナガンを見送りに行く。彼女にとってはとても悲しい場面であるが平静を装おうとして、別に付き合っている男がいっぱいいるので大丈夫という精一杯の嘘を言うが、彼は嘘であるのが分かっている。列車が動き出しても一緒に走りながら嘘を言い続ける彼女を次第に愛おしくなっていく。だんだん彼も彼女を離したくない気持ちになっていく様子は観ている我々にとっても痛いほどわかる。彼の感情が最高潮に達した時、(ここで彼女を離したら、列車のスピードで離れ離れになってしまうという瀬戸際で)彼女を列車に乗せてしまうという演出は最高である(さすがビリーワイルダー監督と思わせる)。その様子を彼女の父親は微笑んで見ていて、許しているような感じで、結局二人は結婚するということがニュース報道でわかるという完璧なエンディングだ。
この時、実年齢はゲーリー・クーパーは50代半ば頃、オードリー・ヘップバーンは20代後半で、19歳位の学生の役。現実的には結婚はやや無理があるが、観ている分には不自然さは感じなかった。
あと、主題曲の魅惑のワルツ(Fascination)も最高です。
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