「旅の恥はかき捨ての長い映画」愛と哀しみの果て Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
旅の恥はかき捨ての長い映画
トリッキーな話で結婚制度を馬鹿にしている話なのだと思う。アカデミー賞は変な映画を作品賞にする所でもある。金持ち女が、適当に結婚しようとして男は金目当てで同意するが、そんな「便宜上の結婚」をしたところで男は浮気しほうだいで、女は梅毒に罹患するのだという。これは結婚が悪いのではなくて、便宜上なのが悪かったのである。それを結婚が悪いと誤解させては間違いであるし、詐欺であり悪であろう。ただ、それまでに便宜上であったとしても、確執の中でも夫婦としての精神的関係は垣間見せたところは若干の救いだったかも知れない。それが人間の本来の情のかけらである。キクユ族のシーンはどこまでが演技で、演者なのか。ライオン役のライオンや牛役の牛も大変だっただろう。どう撮影したんだろうか。主人公は夫以外と性行為してなかったから、梅毒が夫から移されたとはっきりわかったが、これもフリーセックスだったら誰が梅毒持ちなのかわからなくなってしまう。エイズなんかはそうだった。死への感染源が広がるのがフリーセックスである。生命的だけではなく、精神的にもだ。西洋人がアフリカ人にでもどこにでも教育と称して文字を教え、現地人のもともと持っていた文字ではない知を操作して管理しようとするのを皮肉る場面がある。梅毒で子供もできなくなっても頑張っていたのだが、夫の不倫癖が治らず結局離婚に至ってしまう。
西洋人の介入というよりも、科学技術と金銭の介入なのだろうな。夫との不仲の別居中に、たくましい男と会ってしまい揺れ動いてしまうというのも、ひどい社会現象ではある。ここら辺、罪の映画な可能性がある。だがこの場合の主人公はけじめはわかっている人物だったようだが、やがて離婚後に、後の男のほうと、交際が始まる。後の男のほうもそこはジェントルマンだったようだ。と、思わせるが、そうではないのかも知れない。これは悪い映画の可能性が高い。広大な自然の中を二人きりで夜に食事をして語り合うが、性行為することなく、夜が明け、後の男は女にアフリカの自然を見せたかったから。この映画はアフリカロケをせっかくしたから長くしたかったのか。2時間40分という、40分が長すぎる。冗長な感じを受けてしまう。ライオンが向かって走ってくるのはどう撮影したのか。緊張感がある。結局2夜めに不倫映画になってしまった。これでもうダメな映画となり、アカデミー賞が正しい賞ではないという事がわかった。無駄な時間だと感じさせる映画である。まだ途中だが、昼飯の時間だ。ネットでみると、あとの男は事故死するらしい。梅毒と事故死。神様に罰を与えられたという事である。そういう意味では評価は高くなろう。